青春をかけたあの夏

CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:WASABI

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.12.26

私は、ふたば。





日々部活にはげんでいる、
部活が大大大好きな
ニコラ中学校に通う中1。





音楽が友達の私は
吹奏楽部に所属してるよ!





先生「ふたばさん、
授業に集中してください」





あ、いけない!!
今は授業中だった!!





ふたば「はーい、
すいません!」













・*。・ 放課後 ・。*・





ふぅ、やっと
部活に行けるよ!





ふたば「失礼します!
よろしくお願いします、
こんにちは」





部員「こんにちは」





あ、やべ。
ちょっと遅れたせいで
もう合奏のセッティング終わってる!





みんなに申し訳ない!





こはな「ふたばー、
何考えてるの??
早く準備しないと遅れるよー!
ちなみにうち優秀だから
ふたばのA・Sax出しといたよ」





ふたば「やばっ、
もう始まっちゃう!!
ありがとう!」





ハルト「早く来てね!
お前いなかったら、俺1人だから!
コハナはテナーだし」





ふたば「わかった。わかった」





早く準備しなきゃ!
タイムリミットは、あと20分。





私達1年生が
コンクールに出られるのは
たった数人。





その中に入りこむためにも
合奏に最初から入って
アドバイスをもらうんだ!













・*。・ 18分後 ・。*・





ふたば「失礼します」





早く席につかなきゃ!
先生きちゃう!!





こはな「間にあったんだー!
よかった」





ハルト「お前、よく間にあったな!
俺、覚悟してたわーww」





ふたば「でしょ。あ、先生来た」





部員一同「こんにちは」





先生「こんにちは。
合奏始めます」





部員一同「はい。
起立、気をつけ、
よろしくお願いします」





緊張する時間が始まった。





でも、これは私が
コンクールに出るための時間。
有意義に使わないと!





狭い狭い音楽室に
それぞれの音が響く。





まるで、みんな
自分の音が1番美しいと
言っているかのように。





ハルトが音を鳴らした。





次は、私の番。
息を吸って音を想像する。





鳴らそうとした、その瞬間・・・





先生「ハルト、ピッチ悪い!
チューニングし直してきなさい」





ハルトの顔が、どんどん。
ゆがんでいく。





声を震わせながら
ハルトは小さな声で
「はい」
といって去っていた。





先生「では、次。
ふたばさん」





美しく、やさしい音色を
想像しながら吹く。





自分では
バッチリだったと思った。
けれど・・・





先生「ピッチも音色もいいんだけど、
息が細すぎて音が小さい。
次回は今日よりマシにしてきてね」





ふたば「はい」





容赦がない言葉に
ついつい私の顔は
ゆがんでしまった。





必死にノートに
自分の欠点を書きなぐる。





これを見てたら
自分が成長できていないと
感じるようで
なんだかとてもくやしい。





―――ガチャ





あれこれ考えていると
ハルトが帰ってきた。





目が真っ赤に
はれている。





きっとくやしくて
泣いたのだろう。





先生「ハルト。合った?」





ハルト「はい。
しっかり合わせてきました。
すみませんでした」





先生「合ったならいいのよ。
早く席について。
コンクールの曲やるから。
あ、それと1年生のみんな。
今週の土曜日に
コンクールテストを
実施するからね」





ついに時が来た。





1年生は19人。





1年生から出られるのは6名。
厳しい生存競争になる。





タイムリミットはあと2日。





ハルト、そしてコハナと一緒に
3人で受かってやるんだ。





特に、片思いをしている
ハルトには受かってほしい。





たしかに、
すぐ泣きそうになるし、
不器用だ。





でも、1番私を
応援してくれているのは
ハルトだ。













・*。・ 合奏後 ・。*・





ハルト「ふたば、
今日2人で帰れない?」





ふたば「でも、こはな
1人になっちゃうじゃん」





こはな「今日、私、塾だから
どっちにしても2人だよ」





ふたば「そっか。
なら大丈夫だよ」













・*。・ 帰り道 ・。*・





ハルト「俺、絶対
コンクールメンバーに
選ばれるから。
ふたばと、こはと一緒に。
そして心から楽しんで、
ゴールド金賞をもらう。
そしたら、俺の言うこと聞いて」





ふたば「いいよ。
ほんとにやれるならね・・・」





はるととは
そんな話をして別れた。





それからそのことが
頭から離れなかった。













・*。・ 土曜日 ・。*・





先生「今から
コンクールメンバー
選抜テストを始めます」





1番最初は
なんと、こはな!





でも、こはななら
大丈夫なはず。





聞こえてくる音色は
いつも以上に美しい。





一音一音、心のこもった
感じがする。





そして、次は私。





心臓がどこにあるのかが
よく分かる。





先生「次、ふたば。
じゃあ、AからHまで吹いて」





ふたば「はい。
よろしくお願いします」





息を吸う。
いい音を響かせたい。





そんな気持ちをこめて
一音一音
大切に吹いてゆく。





一瞬だったが、私には
スローモーションのように
感じた。





先生「はい。ありがとう。
素敵だったわ。
合格発表は週明けにします」





その言葉を耳にして
私の世界は終わり
現実に戻ってきた。





次は、ハルトの番。





ハルト「良かったよ」





ふたば「ありがとう。
ハルトもがんばって!」





そんな言葉を
かわしていった。













・*。・ 週明け ・。*・





合格者発表の時間だ。





1年生は、みんな
緊張した顔で集まった。





先生「合格者をいいます。
フルート、みさきさん。
サックス、ふたばさん、
ハルトさん、こはなさん、
トロンボーン、れいなさん。
以上です」





受かった!
受かったよね、私!





サックスの1年生
全員受かった!





ふたば「ありがとう」





ハルト「なんで
感謝されてんの?
俺らww」





コハナ「なんで泣くの!
泣くのはゴールド金賞
取ってからね!」





そうしてわたしたちの
熱い夏が始まった。





コンクールに向けて。





先生は今まで以上に
厳しいから、
泣いたり、
やめたくなるときもある。





・・・でも、
大好きなハルトとの
約束があるから
くじけないでいられる。





私達のコンクールに向けた
準備は万端!













・*。・ コンクール当日 ・。*・





私たちは今、演奏途中。





音楽室より大きな大きな
もっと大きなホールで。





私たちの青春を
いっぱいに詰めこんだ音楽を
美しくホールに響かせる。





あっという間の
6分だった。





気づいたら私たちは
盛大な拍手をもらっていた。













・*。・ 楽屋 ・。*・





先生「最高でした。
あとは結果を待つだけです」





信じている。
きっと金だと。





ついに結果発表の
時間になった。





メンバーがみんな集まる。





審査員の声が聞こえた。





審査員「ニコラ中央中学校、銀賞、
ニコラ中学校、金賞、
北海道代表」





その声が私たちのいる楽屋に
届いたとき、
涙を流して喜んだ。





最高な夏だった。













・*。・ 帰り道 ・。*・





ハルト「俺の言ったこと、
本当になったから
言うこと聞いてね」





ふたば「まさか、
本当になるなんてね・・・
いいよ。言ってごらん」





ハルト「・・・・・す、すきです。
ふたばのことが」





ふたば「え? 私も。
ずっとハルトのことが
好きだった。
泣き虫ハルトも、
かっこいいハルトも」





そうしてわたしたちの夏に
幕が下りた。





*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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