白黒リバース ~サンタの恋と子供の願い~

CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:懐中時計@あまがわほし★

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.10.08

「はぁ、疲っれたー!」





「おつかれ!
ユナ、ミサキ、タイヨウ、
そして私!!」





こんにちは!
私は、フタバ!





これは、一部の人を除いて
秘密なんだけど、
私とユナ、ミサキ、タイヨウは
サンタクロースなの!





そんな私は絶賛、
ミサキに片思い中。





いつか気づいてくれると
いいな・・・





って、そんな
場合じゃなかった、





今ちょうど
「良い子調査」の判定と
仕分けが終わったところ。





「良い子調査」には
その子の名前や年齢という
個人情報、





この1年間良い子にしてたか、
そして、クリスマスで
ほしいものが書いてあるんだ!





良い子にできなかった子には
残念だけどプレゼントは
届けられない・・・





ずっと昔から続く、
そういうルールなんだよね。





ユナ「ねぇ、皆?
この子、プレゼントの内容が
ちょっと気になるんだけど・・・」





ミサキ「どうした?」





タイヨウ「ホントだ」





フタバ「『お母さんを助けられるもの』
・・・って、一体どういうこと?」





ミサキ「その子のお母さんに
何かがあったのか?」





ユナ「わからない。
良い子調査は
指定されたことしか
AIが記入してくれないし・・・」





タイヨウ「AIか、
そりゃ当然だろ」





フタバ「ねえ、私、この子に
何があったのかを知りたい。
このままじゃプレゼントどころか
何も届けられないでしょ?
だから・・・」





ミサキ「人間界のこの子の元へ
行かせてください、だろ?」





ユナ「いいね!
でも、これだと
人数多くなっちゃうから・・・」





タイヨウ「大丈夫。
俺がここに残ってる。
どのみち、それは上に
報告しないとだしな」





フタバ「ありがとう!
それじゃ、この子・・・
『ハルハちゃん』の元へ
行ってくるね!」





3人「いってきまーす!!!」





タイヨウ「いってらっしゃい。
そう、それでいい。
『悪い子』を『上』に
報告する必要があるからね・・・」













・*。・ 人間界・病院 ・。*・





ユナ「ここに今
ハルハちゃんがいるの?」





ミサキ「レーダーが
示すんだから、間違いない」





フタバ「よし!」





ガラガラガラ





?「だ、誰?」





フタバ「こ、こんにちは!
あなたがハルハちゃん?」





ハルハ「え、あ、はい!」





フタバ「わたし、フタバ!
ハルハちゃんのお母さんの
友達なんだ!」





ミサキ「俺は、ミサキ」





ユナ「私は、ユナ!」





ハルハ「ど、どうも・・・?」





ユナ「ハルハちゃんに
話があるんだ!」





ハルハ「え、良いですけど、
ちゃん付けやめてもらってもいいですか?
呼び捨てでお願いします・・・」





ミサキ「じゃあ、敬語禁止!」





ハルハ「あ、うん」













・*。・・*。・・*。・・*。・





ハルハ「・・・って感じで~w」





ミサキ「へー、
ハルハって面白いんだな」





ハルハ「は、恥ずかしい///」





あ、そろそろあの話題
だせるころかな?





フタバ「あ、そういえばなんだけどさ、
もうすぐクリスマスでしょ?
ハルハは、何がほしいの?」





ハルハ「んー、私は・・・」





ユナ「どうしたの?」





ハルハ「・・・お母さんを助けて」





ユナ「えっ?」





ハルハ「お母さんの
目を覚ましてほしい!
・・・なんかものがほしいっていう
形じゃなくなっちゃうけど、
私は早くお母さんと
いろんなことを話したい」





フタバ「お母さんに
何があったの?」





ハルハ「実は先月・・・
私が帰っている途中、
青信号でちゃんと
横断歩道をわたってたのに、
突然車が突っ込んできたの。
もう死んじゃうと思った。

でもね、ふと横を見ると、
お母さんが私をかばって、
血を流して倒れてた。
救急車で搬送されて、
手術をして助かった。

でも、今こうして、
植物状態になって眠ってる。

あとからわかったけど、
あの事故は、後ろで
居眠り運転と飲酒運転と
スピード違反のトラックが
突っ込んできて、
車が弾き飛ばされたものが
私のお母さんに
当たったってことだった」





フタバ「そんな・・・」





ユナ「そのトラックの運転手、
すごい量の違反をやらかしてる・・・」





ハルハ「早くお母さんに会いたくて、
授業も全部ここでオンラインで
受けることにしたの。
だから、ある意味不登校」





3人「・・・」













・*。・・*。・・*。・・*。・





フタバ「また来るね、ハルハ」





ハルハ「うん、またね・・・」





ガラガラガラ





ミサキ「どうしたらいいんだ?」





ユナ「植物状態から
目を覚まさせる方法・・・」





フタバ「あっ、1つだけある!
・・・けど、上に怒られたら怖いし・・・」





ミサキ「その方法って?」





フタバ「ほら、私たちの小屋の近くの森に
『ネムリ草』があるでしょ?
あれを燃やすと『メザメ草』になるから、
それを森の湖の水で溶くっていう」





ユナ「あー、ね」





ミサキ「でも、サンタの世界のものは
プレゼント以外
持っていったらダメっていう
ルールだろ?」





フタバ「だから、その薬を
プレゼントにするの!」













・*。・ サンタの世界・森の奥深く ・。*・





?「さぁて、
お目当てのものは?」





タイヨウ「こちらです、ミアン様」





ミアン「へぇ~。
今年もこんなにいるなんて。
このまま全員悪い子になればいいのに。
ね、シャノン」





シャノン「そうですねぇ~。
悪い子がもっともっといっぱい
増えればぁ、
クリスマスがもっと面白くなるのに~」





タイヨウ「ミアン様、
『悪い子調査』で
1人気になる子が・・・」





シャノン「んー?
『ハルハちゃん』?
・・・へー、
この子不登校だなんてぇ、
とってもいけない子だね!」





ミアン「そうね。
・・・ふーん、親が植物状態・・・
これを利用すれば・・・
よし、楽しみのクリスマスを
悲しみと恐怖に変えてやるわ!
タイヨウは引き続きスパイを・・・、
いや、もうスパイは終了して、
クリスマスの準備をするわよ!
『ブラックサンタ』始動よ!」





2人「はい!」













・*。・ サンタの世界・小屋 ・。*・





フタバ「え!?
報告されていないんですか!?」





というか、タイヨウは
どこに行ったの?





報告するって
言ってたよね?





カイラ「・・・やられたわ。
ブラックサンタにスパイに
入られたのかもしれない」





ミサキ「そんな! それじゃ、
良い子にできなかった子の
調査の紙は・・・」





カイラ「もうすでに
持ち去られているか、
AIをハッキングして
複製した可能性があるわ」





ユナ「タイヨウ・・・」





フタバ「そうだ、カイラ様。
ハルハっていう子に
プレゼントとして
『メザメ草』の薬を
作りたいんですけど・・・」





カイラ「全てここで見ていたよ。
許可を出そう。
でも、気をつけなさい、
その森の奥深くには
ブラックサンタのアジトがあるわ。
あまり近づきすぎないようにしなさい」





3人「ありがとうございます!」













・*。・・*。・*。・*。・*。





ユナ「じゃあ、私は
湖の水を取りに行ってくる!」





フタバ「気をつけて!」





ミサキ「俺たちはネムリ草を
採りに行こう?」





フタバ「え、2人で?
・・・うん、いこう!///」













・*。・ 森の中で ・。*・





フタバ「ネムリ草、ネムリ草・・・」





ミサキ「やっぱり
貴重な薬草なんだな、
なかなか見つからない・・・」





フタバ「おーい!
ネムリ草早く
出てこーい!!!」





ミサキ「そんなふうに叫んでも、
草は歩かないんだから
見つかるわけないだろ?」





フタバ「もー、願う心って
大事なんだよ?
・・・サンタからプレゼントを
もらう子だって、
そうしてもらってるんだよね・・・
もらったとき、
どんな気持ちなんだろう・・・」





ミサキ「考え事してないで
早く探せよw」





フタバ「わかってるって!」





「あっ」





「おっ」





「「見つけた!!」」
(頭をぶつける)





2人「いったぁ・・・」





「ふふ、あはははっ!」













・*。・ 小屋で ・。*・





フタバ「ただいまー!
ユナ、まだ帰ってないの?」





ミサキ(青ざめて)「おい、フタバ、
これ・・・」





机に置かれた、
水の入った瓶とメモ。





瓶は、湖の水だと思うけど・・・





メモ→
──────────────────
タイヨウ、
私、どうしても諦められない。
フタバやミサキ、カイラ様には
申し訳ないけど、
私、もう一度タイヨウに会ってくる!
               ユナ
──────────────────













・*。・*。・*。・*。・*。
 ユナside
 ブラックサンタのアジト
・*。・*。・*。・*。・*。





ミアン「何?
ホワイトサンタが1人単身で
乗り込んで来るなんて、
いい度胸してるじゃない。
一体何の用?」





シャノン「そもそもぉ、
勝手に入ってくるなんて
ありえな~い。
インターホンくらい
押したらいいのに」





インターホン?
入り口になかったと思うけど・・・?





ユナ「私は2人に用はないわ。
タイヨウと話がある」





ミアン「タイヨウなら
この奥の研究室よ。
ま、どうなっても
知らないけど!」





シャノン「私たちに用がないならぁ、
私たちは引っ込むだけ!
タイヨウが何してきてもぉ、
責任は取らないよ?」





ユナ「それでいいわ」













・*。・・*。・・*。・・*。・





ユナ「タイヨウ!」





タイヨウ「ハハッ、
まさかここまで来るなんてね、
ユナ?」





ユナ「げほっ、
何、この甘い匂い・・・」





タイヨウ「気にしなくていい。
それより、
用件なんてわかってるさ、
俺に告白しに来たんだろ?」





ユナ「え!?
なんで知ってるの・・・?」





タイヨウ「俺も好きだ。
ユナ、付き合ってくれないか?」





私も好き。





だけど・・・
白と黒なら、付き合えば
私は黒になってしまう。





ユナ「い、いやよ!
そんなの!
私はブラックサンタなんかに
なりたくない!」





タイヨウ「自分の気持ちに
嘘つくなよ? ほら?」





ユナ「げほっがほっ」





咳が止まらない。
苦しい。





そのまま、甘い匂いの中
倒れた。





気がついたときには、
もう付き合うことにして、
黒になっていた。





気づいたのは、
目の前で黒と戦う白の姿で、
私を助けようと
必死な2人の姿だった。













・*。・*。・*。・*。・
 フタバside
 クリスマス当日
・*。・*。・*。・*。・





ユナは、帰って来なかった。





カイラ様は、
ユナがアジトにある研究室で、
タイヨウの作った惚れ薬で
おとしいれられたと
一部始終を話してくれた。





そして今日、
クリスマスイブの夜に
プレゼントを全て配り終わり、朝。





私たちは、ハルハの様子を
見に行くことにした。





ガラガラガラ





ハルハ「フタバ! ミサキ!
・・・あれ、ユナは?」





フタバ「今ユナは、
お出かけしてて」





ハルハ「そっか、残念・・・
そうだ、2人に
見せたいものがあるんだ!
じゃーん!」





そう言って出したのは
私たちが作った
メザメ草の薬の入った瓶!





・・・じゃない?





私たちのは
ハーバリウムとかを
入れるような形の瓶だったのに、
目の前のは三角フラスコだし、
薬の色が、透き通った水色じゃなくて
ヤバそうな赤・・・





ミサキ「ああ、最悪だ、
ブラックサンタにまたやられた」





ハルハ「ブラックサンタ?」





フタバ「悪いことをする子の元に
いたずらを仕掛けたり、
プレゼントをすり替えて
クリスマスを
めちゃくちゃにしちゃうの!」





ハルハ「そんな・・・」





ガラガラガラ、ピシャッ!





ミアン「残念だったわね、
白のお2人?」





フタバ「ブラックサンタ・・・!!!」





ミサキ「ミアン!」





ハルハ「あの!
なんで人のプレゼントを
すり替えたりするんですか?
私、お母さんが
早く目覚めるようにって、
こんなにも楽しみにしてたのに・・・!!」





ミアン「いいね、いいねその顔!!!!
悲しみと絶望に満ち溢れた顔!
私だーいすき」





ミサキ「っ! もういい、
これ以上、来年は
被害を出さないために、
ここで決着をつけてやる!」





シャノン「そうは
行かせないよぉ~?」





フタバ「シャノン!」





シャノン「でも、初めのお相手はぁ、
こちらのお2人だよぉ?」





タイヨウ「久しぶりだな、
2週間ぶりぐらいか?」





ミサキ「お前!
裏切りやがって!
許さないからな!」





タイヨウ「おっと、
相手は俺だけではないさ。
ほら、おいで!」





ユナ「1週間ぶりかな?
フタバ、ミサキ!」





フタバ「ユナ!
無事で良かった、
心配したんだよ?」





ミサキ「なにしてるんだよ、
早く戻ってこい!」





ユナ「それは、無理な話。
だって、私がずっと好きだった
タイヨウとついに
付き合えたんだから!」





フタバ「ユナ!
そんなの嘘よ。
ユナはタイヨウのせいで
付き合ってるだけなの!
あなたは、本当は好きでも
付き合うことは望まないはず!」





ユナ「うるさい! 黙れ!
私は・・・私は!」





ミサキ「ユナ!
黒になるな、白になれ!
お前の本当の気持ちは・・・」





「白!」





フタバ「ユナ!
おかえり、ユナ」





ユナ「心配かけてごめん、
フタバ。
ただいま、フタバ」





ミサキ「ただ、後で
カイラ様からのお叱りが
飛んできそうだなw」





ユナ「うっ・・・」





ハルハ「まさか、
ユナがブラックサンタに
操られていたなんて・・・」





ミアン「ちょっと、
お忘れなくて?」





シャノン「そーですぅ、
せっかくのおもちゃがーっ」





ミサキ「おもちゃ?
なるほど、お前らは
人をおもちゃとして
扱っているようだな」





ユナ「許せない・・・」





フタバ「そうだ!
ハルハ、
それちょうだい!」





ハルハ「え!? うん」





私はブラックサンタが作った
ニセの薬が入った瓶を開けると、
黒の3人に
思いっきりぶちまけた!





シャノン「いやっ! ああっ!!!」





タイヨウ「う、ああああっっっっっ!」





ミアン「うっ、覚えてなさい。
悪い子がまた増えれば、
私たちは何度でも
蘇るのだから・・・!!!」





黒の3人は
溶けるように消えていき、
ようやく薬を取り返せた。





フタバ「はい、薬!
早くお母さんに飲ませてあげて」





ハルハ「うん!
お母さん、ほら」





ミサキ「・・・ハルハ。
今のを見ていれば
わかったかもしれないが、
俺たちはサンタクロースなんだ。
本当は、お母さんの友達でも
なんでもない」





ハルハ「うん。
帰るんでしょ、
サンタの世界に」





ユナ「ただ、1つだけ約束。
ここであったこの決着のことや、
サンタの世界のこと、
そして、私たちの存在は
決して他の人に
言わないでほしいんだ。
もし破ったら、
またブラックサンタが
いたずらに来ちゃうからね?」





ハルハ「うん。約束する。
フタバ、ミサキ、ユナ、
ありがとう!」





ミサキ「最後に1ついいか?
フタバ」





フタバ「え、うん、何?」





ミサキ「今年のクリスマスは
色々あって疲れたけれど、
そのおかげで
気づけたことがある。
俺は、フタバが好きだ。
付き合ってください」





フタバ「ずっと、私も好きだった。
私で良ければお願いします!」





ユナ「恋が実ったね、
おめでとう!
私はちょっと悔しいけど、
あんなことがあったんだもん、
タイヨウのことは
もう諦められるかな」





ハルハ「私、3人の恋、
応援します!
また会えたら話そうね!」





3人「うん! またね!!!」





そうして、
私の忙しいクリスマスは
幕を閉じました。





ユナの恋は叶わなかったけど、
私はずっとユナの恋を応援してます。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





そして、
2024年のクリスマスに





ハルハの家には
手紙が置いてありました。





・。・:・°・。・:・°・。・:・°・。・:

―サンタのフタバ、ミサキ、ユナへ―

あの後、お母さんが目を覚まして、
退院できました!
3人がいなければ、
こんなことはなかったと思う。



本当にありがとう!



・。・:・°・。・:・°・。・:・°・。・:





*end*

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