恋は、いつも雨

CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:オレンジヨーグルト

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.03.01

私は、小松崎フタバです。
中学3年生。





最近雨が多くて憂鬱。
雨が大嫌い。











・*。・ 1年前 ・。*・





私は、同学年の西ユアンと
付き合ってた。





私はユアンと過ごしていて
とても幸せだった。





けど、そう思ってたのは
私だけだったのかな?





その日は大雨だった。





急にユアン君に
呼び出されて





「ねぇフタバ
別れてくれない?
っていうか別れて」





「えっ・・・?」





私は頭を鈍器で
殴られたみたいな
衝撃が走った。





「なんでかな・・・」





「正直・・・
フタバと居ると
ツマンナイ。
だからもう別れたい」





「で、でもこの前
フタバと居ると楽しいって
言っていたじゃん・・・!」





「そんなの嘘に
決まってんじゃん。
本当だとおもってたの?」





そ、そんな・・・
酷いよ・・・





視界が涙で滲む。





「じゃあ・・・バイバイ」





サラッとユアンは
別れを告げ
帰っていった。





その後すぐにユアンは
新しい彼女をつくっていた。





それから私は
雨が嫌いになった。





そして
恋ももうしたくない。





「フタバ~!
何ボッーとしてるの?」





心配して
声をかけてくれたのは
私の親友、有坂コハナ。





元気で優しくて
私の憧れの女の子!





「あっ・・・ごめん。
ちょっと・・・
思い出しちゃって・・・」





「・・・あいつのこと?」





「うん。まぁ・・・」





コハナは
ユアン君とのこと
知っている。





「あいつのことは忘れよう!
最低人間だし!」





「うん・・・
そうだよね」





もう忘れなきゃ・・・
あの人のこと。













・*。・ 1週間後 ・。*・





今日は大雨だった。





いつもならコハナと
帰るんだけど
今日はコハナは休みだから
1人で帰る。





雨だから余計に憂鬱。





「ネェ・・・
時間空いてる?」





そう声をかけてきたのは、
私の元カレ・・・
西ユアンだった。





「な、何?」





少し震える声で
ユアンをにらむ。





急に・・・何?





「少し時間ちょうだい」





「やっぱり・・・
僕たちやり直さない?」





「は、?
どういうこと?
いつも一緒に居る彼女に
振られたから?」





「・・・、」





ユアンの顔が歪む。
やっぱりか・・・





「図星・・・か」





「バイバイ。
もう・・・
私に構わないでね」





私はユアンにそう告げ
大雨の中その場をさった。





きづいたら
傘をさしてない。
ずぶ濡れだ。





けどそれでいい・・・
私は涙を出していたから。





・・・?
あれ雨やんだ?





確かめるために上を見ると
傘と太陽君の姿が映った。





太陽くんとは、
犬飼太陽君のことで、
私のクラスメイトで
バスケがとっても上手。





「大丈夫・・・?」





「あっ・・・えと・・・」





私は急いで涙を拭き
無理やり笑顔を作った。





「なんでもない!
ちょっと傘なくて・・・」





「この傘使って!」





「えっ・・・?
太陽くん濡れるよ?」





「俺は・・・
折り畳み傘あるから」





「でも・・・」





「いいから!」





「バイバイ!!」





そういって
大雨の中走っていった。





「折り畳み傘・・・ないじゃん」





ちゃんと会ったら
謝らなきゃ。





けど、傘を貸してくれて・・・
嬉しかった。













・*。・ 次の日 ・。*・





コハナが学校に来たので
昨日のことを話した。





「えっ!
そんなことがあったの?」





「うん・・・まぁ」





「それで折り畳み傘と合わせて
ガトーショコラを作ろうかと(小声)」





太陽くんは、この前
誰かと話していたときに
ガトーショコラが大好物って
言ってたので
ガトーショコラを作ろうと思う。





(盗み聞きじゃないよ。
たまたま聞こえただけ)





「なにそれ!
めっちゃ喜ぶじゃん!
フタバ、
お菓子作るの上手だし」





「ちょ! 声大きい!
でも・・・迷惑だよね、
お菓子とか・・・」





言われてもないのに
お菓子なんか渡されたら
絶対引く・・・





でも、昨日のお礼の方法
これしか思いつかなかったし・・・





「嬉しいと思うけどな・・・」





「そっかな・・・」













・*。・ その週の土曜日 ・。*・





コハナ情報だと
土曜日に公園に現れるそうなので
行くことに。





いるかな・・・
時間とか分かんないけど・・・、





「あっ・・・」





太陽くん
バスケの練習してる。





本当にいた。
コハナありがとう!





「あのぉ・・・太陽くん・・・」





「あ。小松崎さん、」





「えと・・・この前の傘・・・
返せてなくてごめん。
あと・・・これとか・・・」





「・・・?
ガトーショコラ?
俺の好きなやつ!」





「ゴメン! 実は、
ガトーショコラ好きとか、
聞こえた時があって・・・
迷惑だよねコレ・・・」





「ううん。
めっちゃ嬉しい。
もらっていいの?」





無邪気な顔で笑う
太陽くん。





その笑顔に少し・・・
いや、かなり
ドキドキしてしまった。





「うん。
この前はありがとう」





「うん・・・、
なんで泣いてたか
聞いてもいい?
イヤ・・・なんでもない」





「ううん。あれはね、」





何故だか太陽くんには
話してしまった。





話していると
肩が軽くなったような・・・
そんな気がした。





「・・・だからね、雨が嫌いで、」





「・・・そっか。ゴメン。
嫌なこと聞いて」





「ううん。嬉しかった。
傘を貸してくれて」





「じゃあ・・・バイバイ」





「うん。バイバイ」













・*。・ 1週間後 ・。*・





あれから
太陽くんのことばっかり
考えちゃって・・・





コハナに相談してみた。





「それってさ・・・
恋・・・かもね」





「そっかな・・・」





太陽くんのこと
好きなのかな?
私って・・・





「自分の気持ちに素直に」





「えっ・・・?」





コハナが真剣な目で言う。





「・・・うん」





今日は、午後から
私の嫌いな雨が降った。





あのことを
思い出してしまう。





「フタバといると
ツマンナイ」





そう冷たい目で
言われたあの日のことを
忘れられない・・・





あっ・・・そう言えば
今日傘忘れた・・・





コハナは家の用事で
早く帰ってちゃったし・・・





もぅ・・・最悪だ・・・





もう濡れてイイヤとおもって
外に一歩踏み出す。





雨が私に降りかかる。





一瞬思い出して・・・
しまった。





あっ・・・
太陽くん・・・





すると、こっちに
近づいて来て・・・





「突然でゴメン。
あの、言いたいことあって」





「うん・・・?」





「好き。
だから付き合って」





太陽くんが、
そんなことを口にした。





「えっ・・・」





急なことで
私の動きが止まる。





その時
コハナの言葉を
思い出した。





「自分の気持ちに素直に」





私・・・
太陽くんのことが好き。





今までユアンのことを
理由にして逃げてた。
この気持ちから。





「私も太陽くんのこと
好きだよ!」





「ありがとう!
ってか、濡れるよ」





そう言って、
私を太陽くんの
持っていた傘に入れた。





これって・・・
相合傘じゃ・・・!





「うん。
ありがとう!
大好き」





そう言った瞬間
雨が止んだ。





そして
心の雨も止んだ。







~END~

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