季節外れの転校生はヴァンパイア!?

CAST小松崎ふたば

作者：りっちゃん

2025.03.10

私、小松崎ふたば。
なんてことない
学校生活を送っている、
中学２年生で～す。

クラスの女子たちは、
恋愛したり、
彼氏できたりとかしてるけど、

私、あんまそういうの
興味ないんだよね～。

今日もクラスの１番端っこの席で
ファンタジーの本を読んでる。

現実世界の退屈を
紛らすために。

しかし、そんな私に
ありえないことが
起こってしまったのだった・・・

・＊。・　放課後　・。＊・

（ふたば、屋上に行く）

ふたば「ん～～!!
やっぱりここで小説読むのが
１番落ち着く～!!
さて、読むか～・・・」

りょうすけ「ねぇ・・・」

ふたば「え!?
いつのまに!?」

この人は、今日
私のクラスに転校してきた
八神遼介っていう人。

白い肌。

長身。

長い手足。

モデルみたいな体型。

めちゃくちゃかっこいい。

隣に来たとき、
運命かって思ったくらい。

まあ、私がそんな気もちに
なるなんて
ありえないと思うけど。

りょうすけ「ここで何してるの？」

ふたば「小説読んでるだけだけど、、」

りょうすけ「小説って、何？」

ふたば「知らないの!?　あ！」

〈ふたば、本で
指をすりむいてしまう〉

ふたば「痛～！」

りょうすけ「手貸して」

〈りょうすけ、傷口から出る血を
指でふく。
傷口からの出血がなくなる〉

りょうすけ「・・・君の血って甘いね。
だから俺、君のところに
引き寄せられたんだ」

ふたば「・・・あのさ。
一体何者なの？
あと、それってどういうこと？」

りょうすけ「実は、、（ヒソヒソ・・・）」

ふたば「え!?」

りょうすけ「・・・（こくん）
俺たちだけの秘密な」

ふたば「・・・うん」

りょうすけくんは、
ヴァンパイアと
魔法使いのハーフ。

魔法のおかげで、
昼間でも平気なんだって。

ヴァンパイアの世界では、
私の血は「甘い」。

それは、そばにいるヴァンパイアを
引きつける力を持つ
めずらしい血なんだって。

それが、私たちだけの秘密。

その秘密のおかげで、
私たちは毎日屋上で会って、
話す関係になった。

そんな単純な関係でも
彼と話す関係が
１番楽しかったし、
一生続いてほしいと思った。

りょうすけくんが好き。

初恋だった。
いま自覚した。

現実世界ではじめて─────。

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

そんなある日。

私はいつものように
屋上への階段を急いでいた。

屋上のドアを開ける。

―――――そこにはりょうすけくんと、

あれ？　誰あの子？
この学校にいたっけ？

りょうすけくん同様
白い肌に、細い手足。

髪は、肩につくくらい。

白のボウタイブラウスに、
黒のミニスカート、
黒いマントまで羽織っていて、
いかにも吸血鬼という恰好だった。

友達・・・かな・・・

私は、ドアの後ろにかくれて、
聞き耳を立てた。

？「ねぇ、りょうすけ～。
なんで、人間界に
引っ越しちゃったのよ～。
しゃのん悲しくて、
しょうがないよ～」

りょうすけ「何回言わせるんだよ。
親の都合だから
しょうがないだろ」

しゃのん「じゃあさ、
１つだけわがまま聞いて～。
私とつきあって」

ふたば「!?」

りょうすけ「・・・」

しゃのん「だって、私たち
ヴァンパイア界では、
婚約者（フィアンセ）でしょ～」

りょうすけ「・・・っ。
そんなの親が決めたことだろ」

しゃのん「りょうすけ？」

りょうすけ「俺には
心に決めてる人がいるんだよ」

しゃのん「な!?　いつから？」

りょうすけ「ふたば、
そこにいるんだろ。
匂いでわかるよ」

ふたば「りょうすけくん!!」

〈りょうすけ、
出てきたふたばを
抱き寄せる〉

しゃのん「りょうすけ・・・」

りょうすけ「俺がヴァンパイアでも、
ふたばが人間であっても、
この気もちは変わらない!!
誰が何と言おうと、
俺はふたばを愛してる」

ふたば（ドキッ）

りょうすけ「ふたば、好きです。
俺とつきあってください」

ふたば「もちろん。
私も好きです。
こんな私でよければ」

しゃのん「うそだろ～～!??」

──────
　　────私の初恋。

それは、超美形の
ヴァンパイアの転校生。

私、もう怖くないよ。

私のことを１番に想ってくれる
りょうすけくんがいるから。

大好きだよ。りょうすけ。

＊ｅｎｄ＊