七夕の夜に誓った恋

CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:るんるん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.04.21

私、小松崎ふたば。
中学3年生。





わたしの地元は
結構な田舎で、
きれいに晴れていれば
天の川や流星が
見られることもある。





そんなこの街に伝わる
都市伝説。





それが、
「雨上がりの流星」





七夕の日に、雨が降って、
夜までに止んで、





その日に天の川と
流星が見られると、
その流星を一緒に見た人と
永遠に一緒にいられる、
というもの。





でも、こんなシチュ
なかなかないし。





てか、ほとんどないし・・・





でも、もし今年の七夕、
こんなシチュが実現したら、
私はその時、誰と
流星を見るんだろう。





「ねえ、ふたば!
今年の七夕の天気予報が
わかったんだよ!!」





この子は、コハナ。
私の親友で、話の語尾に
いつも「!」がついている
感じがするの。





まあ、つまり、
話してて
すごく楽しいんだ!





「ふうん」





「そんな!! だって、
やっぱり七夕の日は
雨のち晴れに限るでしょ!」





「え、もしかして
ほんとに・・・?」





「うん! そう!
私もびっくりしたんだけど、
今年の七夕は、
雨のち晴れ予報でした!」





「そっか・・・」





「ねえ! ふたばいる?
一緒に夜空を見上げたい人!」





「え~、特には・・・」





本当は・・・、いる。
同じクラスの犬飼タイヨウ。
私の好きな人。





「え~! ほんとにい?
実は私だったりして!
なんちゃって!
いやいや冗談冗談!!
でも、私もいないかな~。
強いて言うならお母さん?
でも、ふたばとも
ずっと一緒にいたい!」





コハナには
恥じらいってものが
ないのだろうか・・・?





でも、私もコハナとは
ずっと一緒にいたい。
口にはもちろん出さないけど。





「ふふ、ありがと」













・*。・ 七夕の前日 ・。*・





犬飼君・・・、どうかな。
人気だし、家族思いで優しいから、
家族と一緒に過ごすのかな。





「なあ。小松崎。
明日の午後8時からって
空いてるか?」





え・・・!
えええー!!





びっくり!
だってその時間はちょうど、
流星が見られる時間と
丸かぶりだったから・・・





「いや、まあ、空いてるけど、
なんで?」





「なんでって、
決まってるだろ。
俺は・・・、
小松崎と一緒に
流星が見たいんだ!!」





「そんな・・・私・・・
私も、犬飼君と一緒に
流星が見たい! ・・・です」





「じゃあ決まりだな。
明日の午後8時、
校庭の1番でかいけやき。
いいな」





「う、うん」













・。・:・°・。・:・°・
 翌日午後8時
 校庭、けやきの木の下
・。・:・°・。・:・°・





はあー、
あんまりこういう約束事
慣れてなくて・・・





めっちゃ緊張する・・・





というか、よくお母さん
許してくれたな。
夜間外出なんて・・・





やっぱり、七夕だし、
相手が幼稚園の頃からの
付き合いである
犬飼君だからかな?





「小松崎!!
なあ、まさかのほんとに
雨が降って
晴れるなんてな」





「何? 天気予報
信じてなかったの?
だから誘ってくれたんじゃ」





「もちろん、
そりゃそうだけどさ。
正直半信半疑だよ」





「まあ、私も犬飼君のこと
言えないかも」





「なあ、思ったんだけどさ~、
名前で呼び捨てにしね?」





「え? なんで?」





「俺ら、幼稚園の頃からの
幼馴染だろ。
同じく幼稚園の頃からの
幼馴染の有坂とは
呼び捨てなのに」





「いや、コハナと犬飼君は、
やっぱ、女子と男子じゃ
違うし・・・」





「なんだよ。嫌なのか?
呼び捨て」





「いや、嫌じゃ、
ない、けど・・・」





「ならいいだろ。
ふたば」





「タ、イヨウ?
なんか、
呼びなれないな」





「そりゃそうだろうな。
初めてだから。
正直俺も呼びなれねえし」





「うん。だよね~。
っあ!! 見て!!」





「あ!! やべー!
すげー」





私達が見上げた夜空には、
満天の星の中に光る
一筋の光・・・流星・・・





「ふたば」





「何?」





「改めて、
俺と付き合わない?」





「うん、いいよ~」





「なんか、軽いな」





「そちらこそ」





「そういえば、
誕生日おめでとう」





「あ。そうだった。
忘れてた。
七夕のことばっかりで」





「今朝誕プレ
もらってただろ」





「そうだっけ?」





「有坂に明日チクるぞ」





「それはやめて」





「冗談だよ。
でもありがとう。
そんなに緊張してくれて」





「うん、
どういたしまして?www」





なんか、いいなあ。
青春って。





私、小松崎ふたば。





タイヨウとずっと
仲良くいられますように。





この七夕の夜に
静かに心の中で、
恋の誓いをした。













・*。・ 15年後 7月7日 ・。*・





「あなた達は、いかなる時も、
お互いを大切にすると
誓いますか」





『誓います。』





私とタイヨウは、
結婚することになりました。





雨上がりの流星の噂、
どうやら本当だったみたい。







私は、この恋を、
七夕の夜に誓った恋を、







一生大切にします。







*end*

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