ミスコンまじっく!

CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:はな

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.08.25

鏡をみていつも通り
確認する。





黒縁メガネ、
三つ編み・・・よし!





ふたば「いってきまーす!」





いつも通り家をでた。





私は、小松崎ふたば。





ニコラ学園に通っている
中学3年生。





友達は・・・





ハルト「おはよっ」





ふたば「わっ!
びっくりした・・・
お、おはよ・・・」





この人はハルト。
幼馴染なんだ・・・





ふたば「もう・・・
急にしゃべりかけないでよ!」





ハルト「なんでだよ・・・」





ふたば「なんでって・・・」





一瞬言うのを戸惑う。





ふたば「み・・・みんなから
責められるからだよ!
一軍のハルトと三軍の私!
立場が違うの!
しゃべるだけでハブられるんだから!
ハルトが悪いわけじゃないんだけど・・・」





すでにいじめられてるといっても
過言ではないけど・・・





ハルト「ふーん・・・
でも、そんなの関係なくね?」





ふたば「なんで!?
とにかく!
私と話すときは、
ラインか、学校の外!
本当にお願い!!」





ハルト「はいはい
わかったわかった!」





そうこう話しているうちに
学校についた。





・*。・ ロングホームルーム ・。*・





コハナ「今日は、
今度の文化祭について
話していきたいと思います」





学級委員の有坂さんが進める。





前まではいつも
話していたんだけどな・・・





このクラスは一軍がすべて。





私のことをいじめるために、
私の友達を味方につけたんだ。





コハナちゃんも
その中の1人。





仲間外れにされているだけ
まだましだ。





今までにいじめられていた子は
不登校になったり
飛び降りようとしかけて、
別の学校に転校。





これ以上だれかが
いじめられたくはない。





コハナ「次は、ミスコンについてです」





そうこう考えているうちに
ミスコンの話題になった。





うちの学校のミスコンは
全校で1位になったら、
立入禁止の屋上に入れて、
後夜祭の花火を観ることが
できるから、人気なんだ。





好きな人と一緒にみたら
恋が叶うとか叶わないとか・・・





コハナ「だれか、
立候補者はいませんか?」





クラスに沈黙が流れる。





コハナ「・・・では、推薦したい人は
いませんか?」





ゆあ「はいはーい!
あんながいいと思いまーす!」





クラスメイト「えー!」





星乃さんはクラスで
1番の人気者だ。





工藤さんは星乃さんの
1番の友達。





ちなみに、工藤さんが
好意を寄せている西くんも
一軍男子だ。





あんな「えー・・・私ぃ?」





ゆあ「だって~
かわいいじゃん!
美人だしぃ」





あんな「えー・・・」





あんなちゃんが
ニヤリと口角をあげた。





いやな予感がする・・・





あんなちゃんが
立ち上がった。





あんな「はーい!
私よりぃ小松崎さんが
いいと思いまーす!」





ふたば「え・・・!?」





あんな「だって~かわいいから!
ほらぁ他に立候補する人
いないよぉ?」





ふたば「でも・・・」





あんな「大丈夫!
かわいいからぁ!
絶対1位とれるよぉ!」





有坂さんが私に少し
同情の目で見てから
こう言った。





コハナ「では、小松崎さんで
いいですか?」





あんな&ゆあ「さんせーい!」





みんながニヤニヤしながら
私を見ている。





最悪だ・・・
絶対仕組まれていた・・・





コハナ「では、小松崎さんの
責任者の立候補はありませんか?」





ゆあ「責任者? って何?」





コハナ「いわゆる
マネージャーですね。
小松崎さんのサポートに
回ってもらいます」





ゆあ「だってぇ」





笑い声が聞こえる。





立候補するひとなんて、いない。





友達がいないから。





泣きたくなってきた。





ハルト「・・・はい」





沈黙を破ったのは、
聞き覚えのある声だった。





ハルト・・・?





あんな「ちょっと! ハルト!
なんで・・・!」





ハルト「男女関係ないよな」





コハナ「はい・・・
そうですが・・・」





あんな「ねぇ! ハルト!」





ハルト「他に立候補するひと
いるのか?」





全員「・・・・・・」





コハナ「では、今井くんで
いいですか?」





ユアン「いいよ~」





コハナ「ふ・・・小松崎さんも
いいですか?」





ふたば「あ・・・はい・・・」





なんで・・・





キーンコーンカーンコーン♪





ちょうど授業が終わった。





6校時目だったから
ぞろぞろみんなが帰っていく。





あんな「ねえ、ハルト!!
なんで!! なんで小松崎さんの
マネージャーやるの!?」





ハルト「別にいいだろ。
ちょっと話してみたかったし」





あんな「そんな理由で・・・!?」





ハルト「ふた・・・
小松崎さんちょっと来て」





とそう言ってハルトは
屋上のほうへ手招きをした。





ふたば「あ・・・はい」





あんな「ちょっと!!!」





それ以上は星乃さんも
来なかった。





ふたば「ハルト・・・なんで?」





屋上は入れないから
屋上近くのベランダのベンチで
私はハルトに問いかけた。





ハルトは少し黙ったあと、
言いづらそうに口を開いた。





ハルト「・・・ふたばはさ、
うちのクラスの
グルラ知ってる?」





ふたば「あることは知ってる・・・
私は入ってないけど」





ハルト「ロングホームルームの
前にさ、あんなから
ラインが来たんだよ。
ふたばをミスコンに推薦するように」





ふたば「そんな・・・」





仕組まれていたとは思ったけど、
クラス全員だったとは・・・





ハルト「ふたばの醜態
さらしてやろうって・・・
でもさ」





ハルトは
私のメガネをとった。





ふたば「ちょっ・・・」





ハルト「ふたばは、かわいいじゃん」





ハルトは満面の笑みで言った。





ハルト「あいつらを
見返してやろうぜ!!」





正直考えられなかった。





ふたば「・・・・・・うん」





でも自信はない。





うちの学校のミスコンは
様々な有名人を叩き出している。





そんなミスコンで
1位を取れる自信なんてない。





そんな私の気持ちを察したのか
ぽんっとハルトが肩を叩いた。





ハルト「大丈夫! 俺に任せて!」





ふたば「・・・うん」





ハルトなら・・・信用できるよ。
とは、言えなかった。













・*。・ 別の日の放課後 ・。*・





ハルト「ふたばっ!」





ふたば「しっ!
名前で呼ばないで!」





人がまだいるクラスで
名前をよばれた。





ハルト「いいじゃん、
俺、ふたばのマネージャーだし」





ふたば「でも・・・」





ハルト「それより
今日家に来てよ!」





ふたば「は・・・
今井くんの家?」





ハルト「そ!
助っ人連れてきた!」





そう言ってハルトは
私と手を繋いで教室をでた。













・*。・ 帰り道 ・。*・





ふたば「ねえ、ハルト・・・」





ハルト「? どうしたの?」





ふたば「・・・手は、まだ
繋いだままなの?」





教室から1回も離さず繋いだ手。
しかも恋人繋ぎ。





ハルト「え? あ!!
ごめん!!!」





ハルトは少し顔を赤くしながら
手を離した。





ふたば「え・・・ううん、
気にしないで」





たぶん私の顔も赤くなってる。





なごり惜しげに
ハルトの手を見た。





いつの間にかハルトの手、
大きくなったんだな。





そこからハルトとは何も話さず、
ハルトの家についた。





ハルト「ただいま~」





ふたば「お・・・お邪魔します」





久しぶりにハルトの家に来た。





あったかい感じは
何も変わっていない。





ひより「おかえり・・・って
・・・あああ!!!」





ふたば「えっ?」





見覚えがあるような美少女が
飛び込んできた。





ひより「ふたばちゃん?
だよね?
うわ久しぶり~!」





ふたば「もしかして・・・
ひよりちゃん!?」





ひよりちゃんは
ハルトの5つ上のお姉さん。





ひより「相変わらず、
三つ編みと黒縁メガネは
変わっていないな~」





ハルト「だろー?
小さい頃から変わんねーよなー」





ハルトに、
頭を撫でられた。





ふたば「ちょっと~!」





照れるんですけど・・・





ひよりちゃんは
そんな私達を見て言った。





ひより「でも驚いたよ~
2人が付き合ってたなんて」





ハルト&ふたば「えっ!?!?」





ひより「だってこんなに仲良しで
こんな距離の近さは
付き合っている以外
考えられないでしょ」





ハルト&ふたば「つつつつつ
付き合ってないよ!!!!!」





ひより「あははっ!
息ぴったり!」





顔が赤くなるって・・・





私はうつむいた。





ハルトは・・・
どう思っているのかな?





ひより「さ、上がって上がって!」













・*。・ ハルトの部屋 ・。*・





ハルト「なんで俺の部屋・・・」





ひより「ところで、ふたばちゃんって
ブルベ? イエベ?」





ハルトの話なんか
聞いていないように
私に話を進めてくる
ひよりちゃん。





ふたば「イエベ・・・だけど
それを聞いてどうするの?」





そして、もう1個質問する。





ふたば「ひよりちゃんって
今何してるの?」





普段なら家にはいないけど、
ミスコンのことで来たなら、
何かしら関係があるはず。





ひより「あー言ってなかったっけ?
私今・・・」





ハルト「雑誌とかの
ヘアメイクやってるんだよ」





ひより「ちょっと!」





ふたば「えー!!!!!!!!
そうなの!?」





ひより「ハルト、
私のセリフ取らないでよ!
・・・まあそんな感じかな。
雑誌とかテレビとか。
大学と両立しながらやってるよ・・・?」





ふたば「すごーい!!」





私はひよりちゃんが
そんなことをやっているなんて
全然知らなかったから
とても驚いた。





ひより「てことで!」





ひよりちゃんは隣の部屋から、
スーツケースを取り出した。





ひより「ふたばちゃんを
さらに可愛く大改造します!」





ふたば「ふぇ・・・!!!!!!!!???????」





ひより「ハイハイ動かないで~」





ひよりちゃんに
動きを制限されている横で、
ハルトは私をじっと見ている。





ふたば「ちょ・・・ハ、ん゙ん゙っ」





ひより「はいストップ、静かにね~」





ハルト「説明するから」





目をつぶって
メイクされている私の横で
ハルトは話しだした。





ハルト「ふたばかミスコンでるって
姉貴に話したら
飛んで来たんだよ」





ひより「そうそう・・・
かわいい弟の頼みならねぇ・・・
はい、目開けて」





ハルト「事情話したら
会いたいって言ったから、
無理やり連れてきた」





なるほど・・・





私は動けないから
心の中で納得した。





ひより「はい!
軽くベース整えたよ~
あとは私の部屋で着替えよ!」





ふたば「え! はやっ!」





ひより「ハルトは
のぞかないでね~」





ハルト「ハイハイ」





ひよりちゃんの服に着替えると
またハルトの部屋に来た。





ひより「ハルトお待たせ~!
かわいいかわいい
ふたばちゃんの登場で~す!」





ふたば「あっ、ちょっと!」





ひよりちゃんに
背中を押されながら
部屋に入る。





ハルトの顔を見ることが
できずに、下をみる。





ふたば「変・・・かな?」





ハルトがどんな表情してるか
分からない。





ハルト「変・・・
じゃないんじゃない?
むしろ・・・」





ハルトは、ぼそっと
つぶやいたけど
私には聞こえなかった。





後ろでひよりちゃんが
ニヤニヤしながら
こっちを見ている。





ひより「うーん・・・
やっぱりリップは
こっちのほうがいいかな?」





ふたば「あのぉ・・・もう」





ひより「よし! もういっちょ!」





ふたば「えええ!」





このあとも、私は
振り回されるのであった。













・*。・ 翌日 ・。*・





昨日は、ほんっと疲れた・・・





昨日は今井姉弟に
振り回された・・・





フラフラした足取りで
学校に向かう。





教室につくと、
提出物等の準備をして・・・





ハルトはまだ来てないし・・・





読書でもするかな・・・





ゆあ「小松崎さぁん!
ちょぉっといい?」





ふたば「・・・」





あんな「ちょっと
小松崎さんってばぁ!」





ふたば「・・・わっ!」





集中モードに入ってたから
全然聞こえなかった・・・





星乃さんと工藤さんが
話しかけてきた。





ふたば「なんですか・・・?」





普段話しかけてこない2人に
話しかけられ、
何事かと身構える。





あんな「ちょっとこっちきてぇ」





ふたば「わっ・・・」





工藤さんに背中を押されながら
移動する。











・*。・。*・*。・。*





ついた先は
近くの空き教室だった。





ドンッ





ゆあ「ねえ!
一体どういうこと!?」





工藤さんに壁に追いやられ、
逃場がなくなる。





いや、まだ何もされてないから、
逃場はいらないかもしれないけど。





ふたば「えっ!?
・・・なんのことで」





ゆあ「だーかーらー!
ハルトくんのことよ!
いくらマネージャーと
代表だからといっても
仲良過ぎじゃない!?」





なんことですかと
聞こうとしたら
さえぎられた。





ふたば「私は、ハル・・・
今井くんとは
必要最低限の会話しか
してるつもりはないですが・・・」





ゆあ「今、ハルトくんって
言おうとしてたよね?」





思わずギクッという効果音が
出そうな反応をしてしまう。





ゆあ「それにハルトくん、
あんたのこと『ふたば』って
下の名前で言ってたよね?
あんなのことも星乃としか
言ってないのに
図々しいと思わない?」





一気に話され、
頭が追いつかなくなる。





あんな「・・・ねえ、小松崎さんは
ハルトのことどう思ってる?」





ずっと黙っていた星乃さんが
口を開いた。





ふたば「どう思っているか・・・?」





あんな「そう。小松崎さんは
ハルトのことどう思ってるの?」





復唱するように、
星乃さんが問いかける。





ハルトのことか・・・





小さい頃は
いつもいっしょにいて・・・





だんだん話せなくなって・・・





寂しくて・・・





あんな「私は、ハルトのことが好き」





わかっていたけれど、
星乃さんははっきり言った。





あんな「ハルトと
付き合うことができるなら、
どんな手でも使う。
それぐらい好きなの」





いやな予感がする・・・





星乃さんが近づいて来る。





その手には、
ハサミが握られていた。





あんな「ねえ、小松崎さん・・・」





じわじわと汗が噴き出る。





あんな「ハルトと関わるのを
やめてくれない?」





ふたば「え・・・」





ハルトと関わるのを
やめる・・・?





それは・・・できない。





私も・・・





私だって、ずっと
黙っているわけにはいかない。





でも、凶器が握られていることが
何よりも怖かった。





息が荒くなる。





なにも言えない。





あんな「できないなら・・・」





ふたば「!」





あんな「わからせてあげないとね?」





星乃さんに手首をつかまれ、
工藤さんも私を抑えている。





メガネもはずされてしまった。





ハサミを開き、
私の髪へ向かう。





だめだ・・・抗えない。





動きがゆっくり
スローモーションに見えた。





ぎゅっと目をつぶる。





ガラッ





コハナ「・・・あ」





星乃さんでも、
工藤さんでもない声が聞こえる。





目を開けると、
そこにはコハナちゃんがいた。





あんな「なに?」





星乃さんがハサミをおろした。





コハナ「いや・・・西くんが
工藤さんのこと探していましたよ」





気まずそうな顔で
有坂さんが言った。





ゆあ「えっ! ユアンが!?
私を・・・?」





工藤さんが目を輝かせる。





星乃さんがため息をつき、





あんな「せっかく潰せる
チャンスだったのに・・・」





とつぶやいたあと、





あんな「ゆあ、行こう」





ゆあ「うん!」





どうやらもう
危害を加える気はないみたい。





2人は空き教室から出ていった。





私は緊張が途切れたのか、
その場に座り込んだ。





そしてメガネをとってつけた。





ふーっとため息をつく。





その前に
コハナちゃんが座った。





コハナ「ふたば、大丈夫?」





ふたば「有坂さん・・・」





コハナ「・・・ごめんね」





ふたば「えっ・・・」





急にあやまられて驚く。





コハナ「ずっとふたばのこと
無視して・・・」





ふたば「そんなこと・・・」





コハナ「星乃さんたちが怖くて・・・
私っ、ふたばのこと
無視しちゃったっ・・・」





そう言いながら
コハナちゃんは
泣き出してしまった。





ふたば「コハナちゃん
泣かないでっ」





コハナ「ごめん・・・
ごめんね、ふたば・・・
本当にごめん!
ごめんなさい!」





コハナちゃん・・・





ふたば「大丈夫・・・
気にしないで」





コハナ「でも私、ひどいこと・・・」





ふたば「いいの!
私がいじめられればいい話だから!
コハナちゃんに何も
被害が来なくてよかったよ!」





コハナちゃんは
大きな目をさらに開いた。





コハナ「・・・ふたばは
変わらないね、優しいところ」





ふたば「優しくないよ、
コハナちゃんがやさしいだけ!
ほらっさっきも
あやまってくれたでしょ?」





コハナ「・・・」





ふたば「ねっ!
・・・そろそろチャイムなるね、
教室もどろ?」





そう思って立ち上がって
手を差し出した。





コハナちゃんは、手をとって
立ち上がった。





私はさきに歩き出して
空き教室の出口へ向かう。





コハナ「・・・ふたば!」





ふたば「?」





コハナ「こんな私だけど、
また仲良くしてくれる?」





ふたば「え!」





コハナ「また、ふたばと話したい!
・・・ダメ、かな?」





その言葉に私は驚いたけど、
すぐに首を縦に振った。





ふたば「うん! もちろん!
私もコハナちゃんと仲良くしたい!」





そう言うと、コハナちゃんは
うれしそうに微笑んでくれた。





コハナ「ありがとう・・・!」





ハルト「ふたば!」





ほぼ同時にハルトが
空き教室に入ってきた。





後ろには西くんがいる。





ふたば「ハルト!」





ハルト「大丈夫だったか?」





ふたば「?
なんのこと・・・ですか・・・」





西くんがいたことに
その時気づいて敬語にする。





ハルト「どうして敬語?」





ユアン「?
・・・ああ大丈夫、ため口で」





どうやらハルトが
説明したらしい。





ふたば「で、大丈夫かって
何のこと?」





コハナ「ふたば、
星乃さんと工藤さんに
呼び出されたことじゃない?」





ハルト「やっぱり何か
あったじゃんか・・・!」





ふたば「あったといえば
あったけど・・・大丈夫だよ!
コハナちゃんがいたから!」





ユアン「コハナ、大丈夫か?」





コハナ「大丈夫だよ!
ユアン、ありがと!」





あれれ?





ふたば「西くん、工藤さんを
呼んだって言ってなかった?」





そう言うとコハナは
気まずそうに目線をずらした。





コハナ「あー・・・あれは・・・
私のうそ」





あれっ?
そうなの!?





ユアン「やっぱりか・・・」





コハナ「ごめんなさい・・・
今度クレープおごります」





キーンコーンカーンコーン♪





コハナちゃんがそういったとき
チャイムがなった。





ハルト「あ、やべ!
急いで教室戻るぞ!」





ふたば&コハナ&ユアン「急げっ!」





廊下を走りながら、考える。





星乃さんたちは
怖かったけど・・・





コハナちゃんと
仲直りできてよかった。





これからの学園生活が
楽しくなる予感がして
思わず微笑んだ。













・*。・ 数日後 ・。*・





ふたば「えー!
ユアンくんとコハナ、
付き合ってたの!?」





コハナ「しーっ!
声が大きい!」





ふたば「あっ、ごめんごめん」





ハルト「ふたば、知らなかったの?」





文化祭まで後2日となった。





あれから私は、
星乃さんたちに
巻き込まれることなく、
学園生活を送っている。





クラスでも、コハナやハルト、
ユアンくんのおかげで
1人ぼっちにならずに済んでいる。





今は4人で中庭で
お弁当を食べている。





ちなみにうちの学校の中庭は
あんまり人が集まらないから気楽だ。





ふたば「知らなかったよ!
だって2人と仲良くなったの
ほんの数日前だよ!」





ユアン「もうそろそろで
1週間たつけどな」





ふたば「たしかに・・・
いつから付き合ってたの?」





ハルト「あ、俺も聞きたい」





コハナ「私たち、幼馴染だから」





ふたば「えっ、そうなの?」





ユアン「なんとなく
好きになった・・・感じ?」





コハナ「今年久しぶりに
同じクラスになったから、
それがはっきりしたかな?」





ユアン「夏祭りで俺が告った」





2人はお互いの顔を見ながら
説明してくれた。





ふたば「いいなぁ・・・
そういう恋、憧れるなぁ」





コハナ「私たちの話ばっかりしないで、
ふたばはどうなの!?」





照れながらコハナは
勢いある感じで質問してきた。





ふたば「えっ!」





コハナ「好きな人はいないの?」





ふたば「い、いないよ!」





思わず即答してしまう。





ちらっと隣に座っている
ハルトを見る。





その横顔を見て
はずかしくなって
すぐにそらしてしまう。





コハナは察した感じでハルトに
「ハルトくんはいないの?」
と聞いた。





ハルト「えっ! いないよ!」





これまた即答。





焦った感じの答えだから
ハルトのことをもう1回見た。





その時、ハルトもちょうど
私のことを見てたのか、
視線がぶつかる。





また恥ずかしくなって
視線をそらした。





ユアンくんとコハナは
ニヤニヤした視線で
私たちを見ていた。





恥ずかしすぎて、
穴があったら入りたくなった・・・













・*。・ 翌日 ・。*・





明日は、ついに文化祭。





今日は1日中
文化祭の準備だ。





私とハルトも
ミスコンの説明、
リハーサルを受けた。





コハナとユアンくんは
クラスの出し物の
用意をしている。





ちなみに、うちのクラスの
出し物は、フルーツ飴屋だ。





タンフル屋って
ゴロ悪いから
こうなったらしい。





他にも準備することが
たくさんあって
みんな校内を走り回っていた。





ずっと黙っていた2人が
なにか企んでいたことにも
気づかず・・・













・*。・ 放課後 ・。*・





疲れたーーーー。





このあとは
ハルトの家に行って
最終調整だ。





ちなみに今日は
このままハルトの家に
泊まる予定だ。





昇降口でハルトを待とう。





ハルトは先生たちに
つかまってるらしい。





一応ハルトにLINEを入れて
昇降口で待つ。





あんな「あれれ~?
小松崎さん?」





ゆあ「ついにみんなから
見捨てられちゃった?(笑)」





ふたば「・・・ハルトを
待ってるんです」





あんな「ハルトを待ってるんだ?」





ふたば「そうです」





あんな「ふーん」





沈黙が続く。





こんなこと言えないけど、
早く帰ってくれないかな・・・





絶対に口にできないけど・・・





私もあのときのことが
フラッシュバックして怖くなる。





あんな「小松崎さん?
ハルトとどういう関係?」





今更なんでこんなこと
聞くんだろう。





ふたば「・・・幼馴染です」





ゆあ「えっ、そうなの?」





工藤さんは驚き、星乃さんは
やっぱりというような
表情をしていた。





あんな「ねえ小松崎さん、
ハルトと、かかわらないでくれない?
私、ハルトのこと好きなの。
前も言ったよね?」





少し体がこわばった。





やっぱり怖い・・・けど





ふたば「いや・・・です」





星乃さんは
眉をぴくっと動かした。





ふたば「最近やっとハルトと
一対一で話すことができた。
ハルトと話すと安心できる。
私の唯一の居場所だったんです。
ずっと」





少しずつ空気が
重くなるのを感じた。





口を開けるのをためらう。





でも、私も言うんだ!





ふたば「だから・・・
私はハルトと
かかわらないなんて嫌です!」





ゆあ「なに口答えしてんの!?」





工藤さんは
私の胸ぐらをつかんだ。





ふたば「ん゙っ」





くるしいっ





ゆあ「あんたなんかが
一軍に口答えしていいわけ?
あんたなんか別にいらない。
クラスの和を乱してる、
あんたなんか必よ・・・」





ハルト「なにしてんの?」





工藤さんが、わたしの胸ぐらを
つかんでいることを
はっきり認識したハルトは
私のところへすぐ来た。





ふたば「はると・・・」





ハルト「ふたば!」





そのことに気づいた
工藤さんは、すぐに手を離した。





私は、そのまま倒れ込む。





立ち上がろうとすると
ハルトが支えてくれた。





ハルト「ふたば! 大丈夫か!」





ふたば「・・・大丈夫・・・行こ?
ひよりちゃんが待ってる」





平気なフリをして
進むよううながす。





ハルト「・・・ああ」





納得のいかない顔をしながらも
ハルトは歩き出した。





ハルトは後ろを向いた。





どんな顔をしてるのかは
わからなかったけど・・・





星乃さんたちを
にらんでいるように見えたのは
気のせいかな・・・













・ ・ ・ ・ ・ ・ ・





しばらく歩いてから
ハルトは口を開いた。





ハルト「・・・本当に大丈夫か?」





きっと、さっきのことだと思う。





ふたば「うん。大丈夫だよ」





ハルト「本当は?」





ゔっ。
そう言われると、ほんとのこと
言わなきゃな気がする・・・





ふたば「本当は・・・怖かった」





ハルト「・・・」





ふたば「この前、ハサミを
向けられたことが
フラッシュバックして・・・
泣きそうになっちゃった」





ハルト「ふたば・・・」





ふたば「恥ずかしいよねっ
中3なのに・・・」





ごまかすように
笑顔を向けた。





ハルト「泣くのは
悪いことじゃないよ」





ふたば「えっ?」





ハルト「自分を強くするものだと、
俺は思ってる」





急に真面目なこと
言い出すから
拍子抜けしちゃった。





ハルト「明日、あいつらを
見返すぞ!」





ハルト・・・





ふたば「うん!」





私達は、ハイタッチをした。













・*。・ 文化祭当日 ・。*・





今日は、文化祭!





私とハルトは
ミスコンに専念するってことで
午前中は用事なし!





ってことで、今ハルトと
校内で文化祭を楽しんでいます!





といっても
1時間ちょっとしか
まわれないんだけどね・・・





でも、うれしいっ!





だって、ハルトと
文化祭まわれるのは
はじめてなんだもん!





ハルト「ふたば、
何したいとかある?」





ふたば「えっと・・・あ!
美術部のフォトスポットに
行きたい!」





ハルト「あ! それさ、
ミスコンのあとがよくない?」





ふたば「あっ、たしかに!
じゃあハルトは
どこに行きたいとかある?」





ハルト「俺は・・・」





ちょっと気まずそうに
私を見た。





ふたば「えっ・・・と、ここって」





ハルトが行きたいと言った場所は
お化け屋敷だった。





ハルト「そう・・・
高等部のクラスが、クオリティの高い
お化け屋敷やってるって聞いて、
行ってみたかったんだよね・・・」





そう言いながら、
心配そうな顔で聞いてきた。





ハルト「本当に大丈夫か・・・?」





ふたば「だっ、大丈夫だよ・・・」





たぶん・・・





お化けが大嫌いな私は
びくびくしながら
お化け屋敷に入った。





うぅ・・・
真っ暗だ・・・怖いっ。





生徒「ううぉぉぉ!!!!!!」





ふたば「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」





血まみれのお化けがでてきて
思わず叫んだ。





ハルト「ふたば・・・
本当に大丈夫か?」





ふたば「だだだだ大丈夫だ・・・」





生徒「ヴヴヴォ゙ォ゙ォ゙!!」





ふたば「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」





ミイラがでてきて
また叫んだ。





ふたば「・・・うう・・・
ごめん、ハルト
無理だった・・・」





ハルト「だよな・・・ごめん・・・」





ふたば「ハルト
先行っていいよ・・・
私、このままだと
時間かかるし・・・」





ハルト「いや並んでるだけで
30分たってるから・・・」





たしかに人気のお化け屋敷
だったから
時間かかったなぁ・・・





ハルト「ふたば、目つぶって?
俺が手を引くから」





ふたば「あ・・・うん」





私は目をつぶって、
ハルトの手を握った。





うぉぉ! とか、助けてとか
声が聞こえるけど、
ハルトと手を繋いでるという状況に
私の胸はドキドキだった。





ふたば「こ、怖かったぁ・・・」





ハルト「再現度、高かったな。
それよりふたば、大丈夫か?」





ふたば「うん、なんとか・・・」





ピンポンパンポーン♪





私が言い終わった後
放送があった。





放送『ミスコンに出場する生徒の
責任者は、今すぐ校庭ステージ裏に
集まってください。
繰り返します・・・』





ハルト「なんだろ・・・?」





ふたば「さあ・・・?」





2人で顔を見合わせた後、





ハルト「じゃあ俺、行くわ!
ふたば気をつけてこいよ!」





ふたば「う、うんわかった!」





手が離れたことに
罪悪感を感じながら、
ハルトを見送った。





スマホが揺れて、
ひよりちゃんから連絡が来た。





ひより『今学校つきました!
久しぶりで場所わかんないから
迎えに来てくれる?』





すぐ了解のスタンプを送って、
ひよりちゃんのもとへ向かう。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





ふたば「え・・・っと
どういうことですか?」





ゆあ「だーかーらー!
ミスコン出場を
あんなに変われって
言ってんの!」





向かってる際、工藤さんと
星乃さんにつかまった。





ふたば「今更変われって・・・
もう本番まで
後2時間しかないですし・・・」





ゆあ「優勝するために
あんなに変わったら
絶対優勝確定でしょ?
今から変えれるでしょ?」





ふたば「で、できないです!」





これに関しては、
本当にできない。





書類も出してるし、
衣装だって・・・





それに・・・





あんな「わかった」





ふたば「えっ?」





星乃さんがあっさりと
オッケーをくれた。





あんな「ただ、1つだけ答えて?」





ふたば「はっはい・・・?」





あんな「前にも聞いたけど
小松崎さんはハルトのこと、
どう思ってるの?」





ふたば「・・・」





この前、聞かれたときから
ずっと考えていた。





ハルトといっしょにいると
安心感を得られた。





私のことも尊重してくれて、
いつも優しくて・・・





ハルトといっしょにいると
ドキドキして・・・





そうか・・・





ふたば「私は・・・」





どうしてこんなに
ハルトといっしょじゃないと
嫌だったのか・・・





ふたば「私は、ハルトのことが好き。
ずっと私のことをまっすぐ見てくれる
ハルトが好きなの」





やっと言えた。





工藤さんが私に向かって
なにかしそうだったけど、
星乃さんがそれを止めた。





ふたば「ごめんなさい!
行ってきます!」





そう言って、
その場を急いで
立ち去った。





あんな「あんな、まっすぐで素直な子が
ハルトは好きなのかな?」





一瞬、星乃さんが
ぼそっとつぶやいた気がしたけど、
私には聞こえなかった。





ひより「あ! ふたばちゃん!」





ふたば「ひよりちゃーん!」





ひより「行こ! 時間やばいよ!」





ふたば「うん!」





私達は急いで
ステージの裏へ向かった。













・*。・ ミスコン会場裏 ・。*・





ミスコンの課題は、
制服でのランウェイと
白いシンプルなワンピースでの
ランウェイの2つだ。





制服は、うちの学校の校則を
破らない程度に





といっても、うちの学校は
薄いメイクならオッケー。





白いワンピースは
自分に合うメイクで。





私は今、スクールメイクを
ひよりちゃんにしてもらっている。





いつもより少し短い
スカートに着替え、
私の骨格に合う制服の着方をする。





メガネを外し、三つ編みをほどくと
ゆるいウェーブの髪になった。





このぐらいがいいと
髪はハーフアップにして
ウェーブの髪はそのままになった。





白いワンピースは
これにピンクメイクをして、
ベルトをつけて歩く予定だ。





ミスコンが始まった。





1年生から
順番に歩いていく。





今、2年生が
ランウェイを歩き終わった。





私達は3年4組だから
もうそろそろだ。





準備万端とはいえ、
やっぱり心配だ・・・





ハルト「大丈夫?」





ハルトが緊張している私を
察してきてくれた。





ふたば「うん・・・
心配になってきたし、
緊張してきた・・・」





やっぱり星乃さんに
変わったほうがいいのかもと
思ったら、





ハルト「大丈夫だよ」





ハルトは、私の肩に
手を置いた。





ハルト「ふたばは、
めちゃくちゃかわいいから!
自信持てよ!」





ふたば「ちょっ・・・」





急にクリティカル
くらわされた。





ハルト「大丈夫。俺がついてる」





ふたば「・・・うん!」





3年3組が歩き終わった。





次は、私の番だ。





ハルトに最後に笑顔で言った。





ふたば「ありがと! ハルト!
私、行ってきます!」





ハルトの表情をみることはせず、
そのまま歩き出した。





モニター前に立って
ポーズを決め、
制服のまま歩きだす。





後ろのモニターに
“小松崎ふたば”と名前が出た瞬間
周りが騒ぎ出した。





クラスメイト「本当に小松崎さんか?」





クラスメイト「ありえないよな・・・」





ゆあ「うそでしょ・・・?」





あんな「あんな美人だとは
思わなかったなぁ」





星乃さんは
苦笑いを浮かべていた。





工藤さんは驚きのあまり
口がふさがらない。





でも、声は聞こえなかった。





ユアン「すげーな・・・」





コハナ「もともとふたばは
美人だしね、
昔から誘拐事件とかに
巻き込まれてたから。
両親に心配されて、
あんな格好させられてたらしい。
メガネも伊達だし」





ゆあ「そうなの!?」





あんな「この前メガネはずしたとき
思ったけど、やっぱり
かわいかったんだよねぇ」





2人とも本心隠さず
話していた。





ゆあ「てゆうか、ユアン、
有坂さんとどういう関係なの?」





コハナ「ああ・・・(気まずい)」





ユアン「俺ら、付き合ってるけど?」





ゆあ「は、はああ?」





コハナ「ちょっと!」





あんな「やっぱり・・・」





奥で4人が
何か話しているみたい。





ユアンくんに関しては
コハナを後ろから抱きしめている。





なにも聞こえてないけど・・・
愉快なみんなに
思わず笑ってしまった。





制服でのステージは終わった。





5分後には
第2ステージが始まる。





急いで着替えて、
ひよりちゃんの
ヘアメイクを受ける。





また印象が違って見えた。





次はハーフアップではなく、
ポニーテールだ。





ハルト「ランウェイ、
堂々としてたな」





ふたば「あ! ハルト!」





ハルト「みんな驚いてたな」





ふたば「ひよりちゃんの
ヘアメイクのおかげだよ!」





3年2組が今歩いている。





ふたば「でもやっぱり・・・」





ハルト「?」





ふたば「ハルトのおかげ!
ありがと! 自信ついた!」





ハルトは驚いた顔をした。





若干顔が赤くなっているのは
気のせいか・・・





3年3組が
歩いて帰ってきた。





ふたば「よし! 行ってきます!」





ハルト「ふたば!」





ふたば「?」





ハルト「ミスコン終わったら
言いたいことがある!
後夜祭、いっしょに見ようぜ!」





私は急にハルトが
そんなこというから驚いた。





ふたば「うん! 待ってる!」





私はさっきよりも
堂々と立ってられた。





ポーズも
自然にできたと思う。





なにも考えず、
ただランウェイを楽しんだ。





そう思うと、すぐに
ランウェイが終わった。





緊張がとけて、
どっと疲れがでた。





ひより「すごかったよ、
ふたばちゃん!」





ふたば「うわっ!」





急にひよりちゃんが
後ろから抱きしめてきた。





ひより「ふたばちゃん
すごかった・・・!
うちの妹になって!」





ふたば「えええ・・・?」





スタッフ「結果発表を行います。
出場者は整列してください」





一同「はい!」





私達はさっきの
ランウェイに立った。





モニターの前に立つと
スポットライトが暗くなった。





司会「結果発表を行います」





みんな結果を待っている。





この際、全校で
1位になるとかは考えてない。





でも、私のことを
支えてくれたみんなのためにも、
良い結果を残したい!





ぎゅっと目をつぶる。





司会「全校で
1位になったのは・・・」





会場に緊張と
期待が入り混じる。





デデンッと音楽がなる。





1位のスポットライトを
浴びたのは・・・





司会「3年4組、
小松崎ふたばさんです!」





私だった。





会場に拍手が響き渡る。





その中には、もちろん
不満があったと思う。





でも、ちゃんと私のことを
祝福してくれた。





全員に認められた気がして、
私は礼をした。





礼をした後、
ハルトと目があった。





ハルトは笑顔で
ガッツポーズをしていて、
私も微笑んだ。













・*。・ 後夜祭 ・。*・





ハルト「もう大丈夫なのか?」





ふたば「うん!」





あの後、いろいろな
部活のスカウトを受けて、
ついでに、
事務所のスカウトまで!





テレビカメラまできてて
インタビュー受けたりとかしてたら
後夜祭の時間になっていた。





一応、インタビューだけ受けて、
それ以外は全部断ってきた。





事務所のスカウトは
お母さんと相談予定。





制服に着替えられないかと
思った・・・





フォトスポットは
なんとか写真撮れた。





ハルトとツーショット撮れて
うれしいっ!





そんなこんなで
今は学校の屋上にいる。





一応私、ミスコンで
1位になったからね!





一応・・・
今でも実感わかないけど





今、17時50分。





花火が上がるのは、
18時からだ。





そこで、私は
あることを思い出した。





ふたば「そうだ!」





ハルト「?」





ふたば「ハルトさ、ミスコンのとき
私に話したいことがあるって
言ってなかった?」





ハルト「ああ・・・あれね・・・」





ハルトが気まずそうに
目をそらすから、





ふたば「ねえなぁに?
教えてよ~!
ハルトが言ったんでしょ?」





ハルトが目をそらすから
なんとか顔を合わせるように
ジャンプする。





ずっとジャンプしてたら、





ふたば「うわっ!」





いつもよりちょっとだけ
ローファーのヒールが高いから、
後ろにコケてしまった。





そこで、まずいと
気づいたのは遅かった。





私の後ろは屋上の柵が
低いところで
規制線が張られていた。





後ろの柵は簡単に外れて、
私は4階から落っこちそうになる。





ただ、落っこちることは
なかった。





ハルト「危ない!」





ハルトが私の後ろに
手を伸ばして
私の背中をガッチリキャッチした。





私はそのまま
ハルトの方へ倒れ込む。





ふたば「危なかった・・・
ありがと・・・」





ん? まてまて?





今、さらっとハルトに
抱きしめられてない!?





そう考えると急に
顔が熱くなってきた。





ふたば「ご、ごめん!」





とっさに離れようとすると





ぎゅっ





ハルトがさっきより強い力で
抱きしめてきた。





ふたば「は、ハルト・・・?」





私がハルトの名前を呼ぶと、
ハルトはハッとした表情になって
すぐに私から離れた。





ハルト「ごめん!」





そこから私達は
ようやく立ち上がった。





ふたば「やっぱ私、
ハルトに助けられてるな・・・」





ハルト「えっ?」





ふたば「だってハルト、
ミスコンのときも、ぼっちだった私を
助けてくれたじゃん?
それに、コハナとも
また仲良くなれたし・・・
工藤さんたちからも
守ってくれたでしょ?」





ハルト「・・・」





ふたば「ほんとに・・・
ハルトがいてくれなきゃ
この景色も見れなかった。
ほんっとにありがと!」





ハルト「お礼を言うのは
こっちのほうだよ」





ふたば「えっ?」





ハルト「ふたばがどんどん
前向きになるのがうれしかったし、
ふたばのそばにいられたのが
何より幸せ。ありがとな」





ふたば「ううん、こちらこそ!」





ハルトがお礼を言うことじゃ
ないのに・・・





すると、後夜祭が始まる
アナウンスがなった。





ふたば「文化祭終わったね・・・」





ハルト「ああ・・・」





ふたば「またハルトと
話せなくなるのかなぁ・・・」





ハルト「えっ・・・?」





ふたば「さびしいなぁ・・・」





ミスコンまでが、私とハルトが
仲良くなることが許された教室だ。





明日以降は関わることは
許されないだろう。





コハナとはまた
仲良くなれたけど・・・





『私、ハルトのことが好き。
ずっと私のことをまっすぐ
見てくれるハルトが好きなの。
ごめんなさい!』





こんなこと、星乃さんの前で
堂々と言っちゃったもんな・・・





もう私のクラスでの
立ち位置はないだろう。





ふたば「やだなぁ・・・」





ハルト「・・・」





空がだんだん暗くなる。





『好きな人といっしょにみたら結ばれる』
なんて嘘なのかな・・・





今からハルトに告白したら・・・
なんて





ハルト「ふたば」





ふたば「?」





ハルト「俺は・・・」





ひゅ~ばんっ!





花火が打ち上がった。





ハルト「ふたばが好きだ」





ふたば「・・・え?」





えっ?





ハルトが
ワンテンポ遅くいった。





ここは普通
花火と重なるのでは?





ハルト「ふたばが好き」





ふたば「え?」





もう一度ハルトは言った。





ふたば「今、好きって言った?」





わたしは聞き返すと、
ハルトはハッとした表情になって
顔をそらした。





ふたば「えっ・・・と・・・」





その反応は・・・





ふたば「ほんとに・・・?」





ハルト「・・・うん」





嘘でしょ・・・?





私も返事しなきゃだよね・・・





ほんとに私でいいのかな?





ふたば「私も・・・」





花火が鳴り響く校内で、
私の声はハルトに届かない。





言葉と行動で動かなきゃっ!





でもどうすれば・・・





一瞬思い出して、
すぐに行動してしまった。





ぎゅっ





ハルト「・・・えっ?」





顔が赤くなっている状態で
ハルトの体に抱きついた。





そしてすぐに離れた。





ふたば「こ、これが私の気持ちっ・・・」





ハルト「・・・ほんと?」





うつむきながら
こくっとうなずいた。





ハルト「やったっ!」





ふたば「うわっ!」





ハルトに
また抱きしめられた。





その後2人で
ベンチに移動して、
花火を2人で見た。













・*。・ 数日後 ・。*・





ふたば「ハルト、おはよっ!」





ハルト「ふたば、おはよう」





あれから私は、ひよりちゃんに
スクールメイクを教えてもらって
ハーフアップで登校している。





コハナとユアンくんと
休み時間に雑談したり、
一軍とか関係なしに
仲良くしている。





星乃さん・・・
あんなちゃんとも
仲良くなれた。





工藤さん・・・
ゆあちゃんは
ユアンくんにフラレたから
コハナに嫉妬の視線を
向けているけど・・・





ハルトと付き合ってから
クラスにいるのが楽しくなった。





今日もハルトと一緒に
歩いて登校する。





ハルト「ほらっ」





ハルトが手を出す。





ふたば「うん!」





今日も、ハルトと
恋人繋ぎをして登校する。





これからもハルトと
手を繋げますようにっ!







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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