夢の中の王子様

CAST小松崎ふたば

作者：クリームシチュー

2024.01.25

この世界では
恋なんてできない────

そう思っていたのに
恋をしてしまった。

そんな願い
かなうわけがないのに。

学校の人間関係も最悪、

男子なんて苦手な私が
恋なんてできるわけないと
思っていたのに、

恋をしてしまった。

だけどその恋は
許されるわけがない世界で・・・

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

私、小松崎ふたば。

学校生活や人間関係も最悪で、
そんな私が恋なんて
できるわけないと
思っていたんだけど・・・

そう、
あの人に会うまでは・・・

ふたば「ハアー
今日も学校疲れたー。
そろそろ寝ようかな」

・＊。・　夢の中　・。＊・

ふたば「うーん。もう朝？
って、えー!!　何ここ!?」

そう、私がたどり着いたのは
メルヘンな夢の国だったの。

シャノン「あ！　もしかして
お客さん？」

なつみ「え？　珍しー」

太陽「ここ最近は
来てなかったもんな」

ふたば「だっだれ？」

太陽「俺は夢の国の住人、
犬飼太陽」

わあーかっこいい人だな。

でも、男子だから
ちょっと怖いかも。

シャノン「私も夢の国の住人。
伊藤シャノンだよー」

なつみ「私も夢の国の住人。
佐藤なつみでーす」

ふたば「よ、よろしく」

シャノン「よかったら一緒に遊ぼ？」

ふたば「いいの？」

なつみ「もちろん」

ふたばが転ぶ。

太陽「大丈夫？
ケガしてない？」

ふたば「うん、
全然大丈夫だよ」

ふたば（あれ？
太陽君は大丈夫なんだ。
怖くない）

シャノン「・・・」

・＊。・　あれから１週間後　・。＊・

私はあれからずっと
太陽にひかれていった。

優しいところ、
すぐに助けてくれるところ、
まるで私の王子様みたい。

だけど私の恋は届かない、

だって、ここは夢の国。
現実ではないのだから

ふたば「ヤッホー」

シャノン「いらっしゃい」

なつみ「もうすぐ
太陽が来るよー」

ふたば「そっか（照れる）」

なつみ「もしかして、ふたば
太陽のこと好きなの？」

シャノン「え？」

ふたば「実は」

なつみ「そっかー。
応援するよー」

シャノン「・・・私も！」

ふたば「ありがとう」

シャノン「あ！　太陽」

なつみ「今日はみんなで
ファッションショーしよ？」

シャノン「いいねー」

太陽「じゃ、俺、カメラマンな」

ふたば「どう？」

なつみ「うんうん。
ふたばに似合うガーリーな服。
ちょっとドレスっぽくていいよー」

シャノン「うんうん。似合ってる」

なつみ「そういうシャノンも。
ガーリーな服似合ってるよ」

シャノン「そういうなつみもねー」

太陽「こっち向いてー」

カシャ、カシャ

ふたば「バイバーイ」

シャノンの様子が
おかしかったけど
まあいいや。

今日も楽しかったなー。

・＊。・　次の日　・。＊・

ふたば「こんにちは」

シャノン「大変だよー、
明日この世界がなくなる」

なつみ「そうなると
ふたばとはもう会えない」

太陽「・・・」

ふたば「そんな」

太陽「ちょっとふたば
来てくれ」

ふたば「うん」

太陽とふたば
「「俺、私、あの日から
あなたのことが好き」」

太陽「そっか、良かった」

ふたば「もう会えないけど、
また会いたいね」

・＊。・　学校　・。＊・

ふたば「ハアー。
いつも通りに戻っちゃった」

先生「転校生を紹介するぞー」

ふたば「んー」

太陽「犬飼太陽です」

シャノン「伊藤シャノンです」

なつみ「佐藤なつみです」

ふたば「え？　みんな!?」

太陽「これからよろしく。
そして、付き合ってください」

ふたば「うん。嬉しい」

シャノンとなつみ「よかったねー」

私に恋なんて
無理だと思ったけど

勇気を出してよかった。

＊ｅｎｄ＊