「私」を見つけられた日

CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:フラワーブーケ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.07.07

私は、小松崎ふたば。
中学3年生。
受験の年なんだけれど・・・





実は、中学1年生の時から
学校に行けていない、
つまり不登校なんです。





1年生の最初に
病気で長くお休みしてたら、
クラスになじめなくなっちゃって。





それから毎年、
始業式の日は教室に
行けているけれど、





それ以外は保健室登校か
家に引きこもり。





家でガリ勉してるわけでもないし、
高校でも友達出来なかったら
最悪だし、
受験なんてしたくないよ~。





そんな私にも、1つだけ
自慢できることがあるんです。
それは、字。





小さいころから習っていて、
賞もたくさんとったことがあるんだ!





字を書くのは
もちろん楽しいけれど、
私が字を書く理由は
もう1つある。





それは、書道教室に
大好きな人がいるから!





名前は、輝之介くん。
とっても字がうまくて、
かっこよくて、
大好き・・・なんだ。





学校も同じで・・・
私が不登校だってことも
知ってる。





だから、私のことは、
「変わってる」としか
思ってないと思う。





きっとモテてると思うし、
私はきっと彼女圏外。





最近は、輝之介くんは部活で
なかなか会えないし・・・





行くだけ、
それだけのことが
私にはできない。





なんでなんだろう、
情けないな・・・





今日は月曜日、
習字の日。





教室に行ったら、
今日は輝之介くんがいた。





「久しぶり、元気?」





「う、うん。
輝之介くんも
元気そうだね」





「うん、もうすぐ引退だし、
後輩にいろいろ
教えることがあって、
大変だけどやりがい感じてる」





「部活かぁ」





私も入学したときは、
入りたいと思ってたなぁ。





希望に満ちあふれていた。





もう一回、中学校生活を
やり直せたらなぁ・・・





「フタバはさぁ、
もう、卒業まで
学校来ないの?」





ぎくっ。





「い、行けるかなぁ・・・」





だって、





「いまさら」





「いまさら?」





「だって、もうほとんど
私いないも同然だし。
私のこと覚えている人なんて、
先生くらいしか
いないんじゃないかな・・・」





「違う!」





いきなり輝之介くんが
叫んだ。





「俺は、ずっと覚えてた。
考えてた。
いつフタバが
来てくれるのかなって」





え、それって





「どういうこと?」





「俺は、フタバが好き。
話すこと、会うことが
どんなに少なくても、
ずっと好きだった」





「わ、私も!」





言っちゃった~!!





「輝之介くんに会いたくて、
字も書いてた。
ずっと好きだったけど、
だめだと思ってたよ・・・」





「フタバ、俺に会いに、
学校に来てほしい」





そうだ、わたしは誰かに
必要とされたかったんだ。





「俺の彼女として」













・*。・ 翌日 ・。*・





私は、学校に
行くことにした。





ドキドキするな。





制服を着るのも
ぎこちないよ。





「行ってきます」





お母さんに昨日
学校行くって伝えたら、
びっくりしてた。





「ひとりで大丈夫?」って。





でも、今日の私は
ひとりじゃない。





大好きな大好きな、
自慢の「彼氏」がいるから!!







*end*

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