天国から届く恋の声

CAST小松崎ふたば

作者：WASABI

2024.03.08

ここは、天国。

私が死ぬ前のことを
話します。

＊＊　病院　＊＊

ハルト「フタバ大丈夫か？
体調悪いんだろ！」

フタ「う、うん。でも・・・
せっかくお見舞いに来てくれたし
お出迎えぐらいはしたいなって」

ハルト「無理なんて
しなくていいのに・・・」

フタバ「無理をしてんじゃないの。
これは、私からの歓迎の印！」

ハルト「そっか、よかった！」

＊＊　病室にて　＊＊

フタバ「コハナ元気？
最近忙しいって言って
会えてないから・・・」

ハルト「おぅ、元気だよ！
あれ、あいつ忙しいって
言ってたっけ？」

フタバ「え？」

ハルト「あいつ、今日も
シャノンとどっか
行っていたから」

フタバ「なんで？
家の用事と部活があるって
言ってたのに。
私と会いたくなかったのかな？」

ハルト「わからん！
明日聞いてみる」

フタバ「ありがとう。
みんな来てくんないから・・・」

ハルト「あ、もう２時間たった。
じゃぁ、また明日！」

フタバ「うん、また明日」

＊＊　病室で　＊＊

フタバ「ゴホゴホ！」

看護師「フタバちゃん、
大丈夫だよー。
一回おくすり飲もうね」

フタバ「は、はい」

はー、落ち着いた！

はぁ、暇だな・・・
子ども病棟だから
おじいさんおばあさんはいないけど
同年代の子いないしなー。

＊＊　次の日　＊＊

フタバ「今日も
来てくれてありがとう！
暇だったから嬉しいな」

ハルト「待っててくれて
嬉しいな！」

コハナ「・・・。
今まで来ないでごめんね。
ほんとにこれは理由があるの」

フタバ「何？　私コハナに
捨てられたくなかった」

コハナ「あのね、辛かったの。
どんどん私の知っている
フタバじゃなくなっていって・・・」

フタバ「え・・そうだったの？」

コハナ「ごめんね。
フタバのほうがつらいはずなのに！
私が勝手に辛がって同情して・・・」

フタバ「そうだったんだ。
来たくても怖くて
これなかったんだね。
コハナの優しさは
なくなっていなかったんだ。
良かった」

ハルト「心配する必要
なかったんだよ」

フタバ「そうだったんだね。
ハルト、大切なことを
私に伝えてくれてありがとう」

コハナ「ごめんね。
明日からは来る」

フタバ「・・・。
ごめんね、明日はないの。
私、明日が余命なの」

コハナ「そ、そんな！
私がもっと早く真実を
受け止めることができていたら
もっとフタバとたくさん
過ごせたのに」

ハルト「言ってほしかった。
そしたらもっともっと
話したのにな。
フタバに話せてないこと
たくさんあるのに」

フタバ「私も。ハルトに
話せていないことたくさんある。
だから、今話すね」

ゴッホゴッホ!!

ハルト「大丈夫か？」

フタバ「うん、ちょっとむせちゃっただけ。
伝えられてないことは２つある。
１つ目、ずっとハルトのことが好きでした。
２つ目は、付き合ってください。
言うのが遅くなちゃったから
付き合うのは無理だね」

ハルト「ありがとう、
伝えてくれて。
じゃあ俺もフタバに話せてないこと
たくさんあるけど
その中でも大事なのを２ついうね。
１つ目、俺もフタバのことが
ずっと好きでした。
２つ目、今からでも遅くない、
俺と付き合ってください」

フタバ「もちろん、
ハルトも大事なことを
話してくれてありがとう。
コハナ、来てくれて嬉しかったよ。
私の気持ちも考えてくれてたの
すっごい嬉しかった。
２人とも、大好きだよ。
バイバイ」

ピーーーーーーーーーーーーー

病室に響く
心肺停止の音。

心電図と脳波が映った画面に
視線を移すと直線になっていた。

うァァァ

コハナとハルトは泣いた。

医者「午後３時０３分
小松崎フタバさん
ご臨終です」

＊＊　葬式後　＊＊

ハルト「あぁ、完全にフタバは
いなくなったのか」

コハナ「そろそろ立ち直ろう。
フタバもきっと
それを臨んでるよ」

フタバ（ハルト、大好きだよ）

ハルト「俺も」

―ＥＮＤ―