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CAST小松崎 ふたば小松崎 ふたば

作者:あみぃ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.11.20

「あと5分で
特典会だからね」





マネージャーに言われ、
急いでメイクを直す。





私、フタバは
「Fantasia」(ファンタジア)
というグループで、
地下アイドルをしている。





「ルミ、ポーチ変えた?」





イエロー担当のメンバー、
ルミのコスメポーチに
目を落とす。





「これ、
ハイブランドのじゃない」





ブルー担当のリミも
私の質問に重なる。





「そうなの?
ファンにもらった~」





その言葉に鼓動が
唐突に跳ね、
私は黙り込む。





そこでリミが





「ファンって、
最近よく来る
ルミ推しの大学生?」





「そ~そ~、
なんかいろいろ
くれるんだよね~」





「やだわ、金づる?」





「そんなこと
言わないでよ~!
親切でくれてるんだし~!」





「じゃあ・・・
まさかとは思うけど、
付き合ってないでしょうね?」





そこで、また私の心臓が
バクバクする。





「まさか~!!」





ルミの明るい声。
めちゃくちゃホッとした。





「本当、気をつけてよ?
地下アイドルとファンが
個人的な関係になると、
ろくなことにならないから」





リーダーの忠告。





でも・・・ごめんなさい、
私、恋しちゃってます。
ファンに、しかもルミ推しの。





私達は特典会のため、
再びファンの前に
姿を表した。





ちらっとルミ推しの
列に目をやる。





いた。





真ん中位に彼がいた。





目が合わないよう
すぐに目を自分の列に戻す。





ルミが終わったら、
私の列にも
来てくれないかな。





彼はファンの間でも
目立っている。





名前はレン君って
いうらしい。





この人がアイドル
なんじゃないかというほど、
綺麗な顔立ちをしている上、
成人男性ばかりの間に1人、
大学生。





最初は、珍しいなとか
目立つなと
思っていただけだった。





あの日までは……。





──────────
──────
──





あの日、特典会の途中で
私の足元にリボンが落ちた。





やばい、髪の後ろで
ハーフアップにして
留めていたのが
落ちたっぽい。





急いで直そうとしたけれど、
焦れば焦るほど、
上手く結べない。





このリボンありきの
衣装だから
早くなんとかしなきゃなと
思いつつ、





どうしようもなくて
リボンのないままファンの
相手をしていた。





でもその時、





「えっ!?」





びっくりした。





彼が、私の目の前にいた。





ルミの列にいないから
もう帰ったのかと・・・





「リボン、貸して」





まさか、私が
困っているのに気づいて
わざわざ抜けて
来てくれたの・・・?





「後ろに付けたらいい?」





彼が私の髪に
リボンをつけてくれた。





「これでいい?」





「うん、ごめんね、
ありがとう」





「気にしないで」





そう言って彼は
すぐにルミの列に
並び直しに行った。





一瞬の出来事、
それだけ。





本当にそれだけだった。





でも、自分でも
笑ってしまう位、
私は単純だった。





これだけのことで
彼に落ちてしまったんだから。





仕方なかったと思う。





アイドル以外の場所では、
地味な私。





今まで男の子に
優しくされたことなんて
なかったんだから。





ちなみに、あのリボンは
直してもらった形のまま
家に保存している。





それにしても、恋なんて
やっかいなものだ。





いくつもの
矛盾が生まれる。





そしてどんどん
わがままになる。





ルミは呼び捨てなのに
私はちゃん付けなの嫌だな、





でも、ちゃん付けも
可愛いから
このままでもいいなとか、





目を合わせたいけど
合わせたくない、
また話したい、
でも話したくない、





自分でも
よくわからない思いが
溢れ出す。





結局、彼は
来てくれなかった。





まあ、そうですよね、
と思いつつ
やっぱりきつい。

















*...・・・*...・・・*





そして、
事件が起きたのは翌日。





「彼氏できたんで
アイドル辞めま~すっ!!」





明るい声で
宣言したルミ。





すかさずリミが





「は?」





最悪の展開が
頭をよぎる。





違うよね?





「まさかとは思うけど、
あのファン?」





リミ、それは
聞きたくない質問・・・





「ピンポーン!!
正解!!」





ああ、やっぱり・・・





「やっぱり
付き合ってたんじゃない!」





「違うって~!
昨日たまたま帰りに会って
告白されたんだし~」





「あんたそれ、待ち伏せ
されてたんじゃないの?
本当に大丈夫? その男」





2人の声がどんどん
遠ざかっていくような
感覚がする。





「ごめん、
私ちょっと・・・」





私は楽屋を飛び出して、
非常階段の踊り場で泣いた。





わかってたはずなのに。





彼と私には
あの一瞬の
出来事しかない、





彼にとっては、ただの
親切のつもりだったんだろう。





私推しでもない。





彼が私を
好きになるはずもない。





いつかこの恋は終わる。





そしてそのいつかが
きてしまったのだ。





・・・全部全部
想定内のことなのに





涙が止まらない。





「フタバ」





気がついたら
私の後ろにリミがいた。





「好きだったんでしょ、
あの男のこと」





バレてた?





「本当にあんた達は
アイドルをなんだと
思ってるの?」





「ごめん・・・」





「それで?
あんたも失恋したから
辞めるの?」





「まさか!
続けるよ!?」





「それじゃ、こんなところで
泣いてられないでしょ?
私達にはどんな時も
ステージにたち続ける
使命があるんだから。
それに、この一件で
強くなれたんじゃない?
私は、フタバが可愛いのも、
頑張ってるのも
全部知ってるから」





「リミ・・・ありがとう」





私は、楽屋に
戻ることにした。





ルミはまだ
いるのだろうか、
どう接しよう。





今日のライブは
どうなるんだろう。
わからない。





花びらのように散った
私の恋。





でも、この経験で
私は強くなれたはず。





彼のおかげで得れたものは
これからも大切にしていく。





私はこの先も
ステージに立ち続ける。











*...・・・*...・・・*





階段の踊り場、
フタバの後ろ姿を
見つめながら、
リミは不敵な笑みを浮かべた。





嬉しくて仕方ない。





「やっと消えてくれた。
あの男も女も」





今日からメンバーは
私とフタバの2人になる。





これで、邪魔者はいない。





「フタバのことを
1番好きなのは
私なんだから」





自分の失恋で
リーダーがめちゃくちゃ
得をして喜んでいる。





そんなこと、フタバは
夢にも思わないだろう。







*end*

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