ハモリ魔

CAST髙橋快空

作者：夏風

2024.03.16

私は、カイラ！
私は中学受験を経て
憧れのニコラ女学園に
入ることができたの！

電車で冷房がつき、片手に
扇風機を持った人が増えた時期、
優雅に読書を、、、

という妄想をベッドの中で
していたら、寝坊！

ママの怒鳴り声を無視しながら
ドタバタと用意して
パパが準備してくれている車に
乗り込む。

「タブレット、スマホ、
体操服、忘れ物なし?!
イエス or ノー」

お決まりの言葉を聞いて
大声で私は

「ノー!!!」

見慣れた景色を横目に流しながら
友達のニコスタをチェック。

そうこうしているうちに
駅に到着！

『まもなく列車が参ります。
危ないですから
黄色い線の内側にお下がりください。』

ヤバいやばい
アナウンスがなった!!

50メートル走の時ぐらいに
全力疾走をして改札を抜け
地獄の階段祭りを抜けた。

ホームに着いた瞬間
目の前を電車が通り過ぎて行った。

『あ、遅刻確定』

誰かと息ぴったり声が出た。

パッと振り向くと
ニコラ女学園のライバル
ニコラ大学附属高校の制服を着た
背の高い人が立っていた。

よく見ると、目がパッチリ開いてて
マッシュが似合っている顔をしていた。

「ハモったな」

優しく笑いかけながら
言ってきた言葉は
私の鼓動を早くした。

（うげ、やっば
イケメン来たー!!）

ニヤつくのをこらえて、

「で、ですね～」

と、何とか口を動かした。

その時、フワッと大きな手で
私の頭を撫でながら

「お前、小動物みたいだな」

と、言ってきた。

男性慣れしていない私は
顔を真っ赤にしながら
うっかりスマホを落としてしまった。

イケメン君が
ナイスキャッチしてくれたおかげで
スマホに傷はつかなくて安心していると、

「お、ニコスタしてんの？
繋げようよ」

と、またもや急接近。

このイケメン女慣れしてるなと
思いながら
イケメンに勝てず、

「あ、はい!!」

ちゃっかり
ＯＫしてしまった。

教えてくれたアカウントを
検索すると、すぐに出てきて
相互フォローした後、

好きな歌や好きな本など
いろいろ話していると
あっという間に電車が来て
電車の中でもおしゃべりした。

この時間がずっと
続けばいいのにと思いながら
時計を見ると
大遅刻をしていることを
再確認してしまい、
またへこんでしまった。

なんだかんだしゃべっているうちに
私の降りる駅に着き
猛ダッシュでイケメンに謝りながら
電車から出た。

そして学校に着くと
説教タイム、授業、
昼ごはん、授業、
とあっという間に
時間は過ぎていき、
下校することに大喜びで
るんるんで歩いていた。

すると後ろから

「お、小動物」

どっかで聞いたことのある声がし、
振り向くとイケメンが立っていた。

「あ、そういえば
俺の名前、遼介」

それから一緒に帰る日が何日も続き、
私は「好き」という感情を
持っていることに気づいた。

そして、告白しようと決めた。

・＊。・　次の日　・。＊・

ふー。大丈夫。
心配なし。

初めての告白を
受け入れてくれるか心配で
胸が爆発しそうなのを実感しながら
できるだけいつも通り遼介に接した。

告白１分前

いつも通りの横断歩道を
通りながら

「遼介！
つたえたいことがありまぁすぅ」

サイアクサイアク
噛みまくった！

遼介は笑いをこらえながら

「はい！」

と返事をしてくれた。

すぅーはぁー。
深呼吸をして

「私、遼介のことが、、、」

『好きです！
付き合ってください!!』

私と遼介の言葉が
ピッタリくっついて
告白から返事へとなった。

・＊。・　帰り道　・。＊・

その日以来、私たちは
横断歩道を通るたびに
ニコニコ笑ってしまうのだった。

＊ｅｎｄ＊