魔法の香り

CAST髙橋 快空髙橋 快空

作者:あめのしずく

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.08.28

私の名前は
髙橋快空(カイラ)。





オシャレとか
メイクが好きな、
中学2年生。





実は私、最近ある人が
気になっています。





あれは
先週の金曜日のこと・・・







***





カイラ(そろそろ帰らなきゃ)





放課後の誰もいない廊下に、
正面から男子が走ってきたの。





その人の名前は
内田蓮(レン)。





同じクラスなんだけど、
まだ喋ったことがないんだ。





それで、
すれ違ったとき
気づいたの。





カイラ(すっごい、
いい匂いする!
なんで?)





花みたいに
いい匂いがしたの。





男子からこんなに
いい匂いがすると思わなくて、
びっくりしたんだ。





それから恋とは
別の意味で、
気になってるの。













***





アキ「おーいカイラ?
どうしたの
真剣な顔して」





この子は親友の
近藤藍月(アキ)。





カイラ「実はね」





私はこの出来事を話した。





アキ「えっ、そうなの?
今度嗅いでみようかな?
ひひひ」





女子力が
すっごく高いのに
面白いから、
一緒にいると
ホントに笑っちゃう。





そう言って、アキは
教室に早足で
向かっていった。





カイラ(まさかアキ、
ほんとに嗅ぐ気!?)





教室に向かうと、





アキ「ちょっとごめんね~
内田君」





レン「え、ちょっと・・・」





カイラ「アキー!!」





アキ「わっ、いい匂い!」





カイラ「ちょっと、
内田君
困ってるじゃんっ」





アキ「でもいい匂いだよ。
みんな嗅いでみて!」





それからしばらく、
内田君は大変そうだった。





アキ「なんかお花みたいな
香りだったね」





カイラ「柔軟剤が
いいやつなのかな」





アキ「あれ、でも待って。
私あの香り、
メアリ先輩からも
したことある」





メアリ先輩は、
この学校一の美少女。
私たちの憧れ!





アキ「こうなったら、
内田の家まで尾行しよう!
行くよカイラ」





カイラ「え、ちょっと待って!」













***





・放課後・





アキ「ここって・・・
お花屋さん?
なるほど、花の香りがするのは
そういうことね。
あれ?
メアリ先輩も入っていく・・・、
もしかして、あの2人って」





カイラ「付き合ってるの!?」





メアリ「あれ、
うちに何か用かな」





優しい笑顔で
問いかける先輩。





カイラ(あれ、でも
うちってまさか・・・?)





アキ「も、もしかして、
内田君とは姉弟ですか!?」





メアリ「まさか違うよ(笑)
レンはいとこなんだけど、
うちに居候してるだけ」





レン「・・・あれ、なんでここに?」





アキ「あっ、えっとその!
内田君の香りの秘密を
探りに来たっていうか・・・?」





カイラ「ちょっとアキっ」





メアリ「ああ、香りね。
実は私の家、
花を売ってるだけじゃなくて、
ハーバリウムも売ってるの。
ハーバリウムって
すごくいい匂いがするんだよ。
ポケットに入れて
ミニサイズで持って行ってるんだ」





カイラ「なるほど・・・!」





メアリ「そうだ、
良かったら2人も
作ってみない?
作るのは無料だよ!」





2人「やりますっ!」





私はアジサイ、アキは
ミニシルバーデイジー
っていう花を使った。





カイラ「いい匂い~」





レン「それじゃ早く作るよ。
まずは・・・」





そして、花を瓶に入るように
切る作業に入った。





カイラ(あれ、切れない?
ぐぬぬ・・・)





レン「貸して」





私の背後から腕を伸ばして、
代わりに切ってくれた。





ドキッ





カイラ(心臓がっ・・・
もたない・・・)





アキ「おやおや~
カイラもしかしてー?」





カイラ「違うからね!」





でも、どうしてこんなに
ドキドキするんだろう。





レン「これで終わり。
お疲れさま」





アキ「いい匂い~!」





カイラ「綺麗だねっ!」





アキ「私インスタに
載せようかな~!」





カシャ





こうしてアキは
インスタに載せた。





アキも結構モテるから、
男子は結構な人数が見てる。





でも、次の日
これがきっかけで、
あんなことが起こるなんて、





この時は誰にも
分かってなかった。













***





カイラ(何この負のオーラ!)





いつもは元気な
男子みんなが
どんよりしてる。





アヤカ「なんか、
アキのインスタに載ってた
ハーバリウムの写真に、
ニコ学の男子の制服が
映ってたんだって」





カイラ「ハーバリウムの
写真って・・・!」





ダッ





アヤカ「た、髙橋さんっ?」





カイラ「アキーっ!」





アキ「どうしたのカイラ、
大丈夫!?」





カイラ「アキが投稿した
ハーバリウムの写真に
その・・・内田君の制服が
映ってたって男子が
負のオーラ出してるよ!」





アキ「えっ?
ほんとだ、
映っちゃってる!」





教室では、男子が
昨日アキといたか
1人1人に聞いてまわってる。





そして内田君も
聞かれてしまった。





男子「なあ内田ぁ、お前、
昨日近藤さんと
一緒にいたぁ・・・?」





レン「いたよ。
それがどうしたの?」





男子「おいみんな!
昨日近藤さんといたのは
内田だ!」





レン「は? 何っ」





女子「意外とあの2人って
お似合いじゃない・・・?」





カイラ(嘘・・・
でもたしかに2人は
お似合いだよね・・・)





アキ「・・・カイラ?
ごめん、もしかして、
内田君のこと好き・・・?」





カイラ「・・・うん」





アキ「ごめんね、
ほんとに私のせいで・・・」





それから私たちは、
お互い避けるように
なってしまった。













***





月日は流れ、
明日はクリスマス。





でもまだ気まずくて、
クリスマスの気分には
全然なれない。





カイラ「仲直り、
したいなぁ・・・」





レン「すればいいじゃん」





カイラ「う、内田君?」





レン「近藤、気まずくて
話せないだけで、
気にしてると思うよ」





カイラ「そっか・・・
そうだよね、
アキは悪くないし、
傷つけちゃダメだよね。
ありがとう、
仲直りしてくる!」





レン「頑張れ」





カイラ「アキっ!」





アキ「カ、カイラ・・・」





カイラ「こめんっ・・・
私、アキに嫉妬してた。
アキは悪くないのに・・・
ごめん」





アキ「私もずっと
避けててごめんねー!」





カイラ「これらも
友達でいてくれる?」





アキ「もちろん。
よし、仲直りもしたし、
後は告白するだけだね」





カイラ「む、無理だよ。
そもそも気にもされてないよ、
私なんて」





アキ「え~、ならいいや。
・・・内田君前に、ハーバリウム
人から貰いたいって
メアリ先輩から聞いたけどな~」





カイラ「やります」





アキ「よしきた!
私に任せて!」













***





・クリスマス当日・





内田君への
ハーバリウムの
プレゼントを持って、
呼び出した。





目の前には、
駅の大きなツリー。





キラキラ輝いて、
とってもキレイ。





レン「髙橋!」





私は笑顔で
手を振った。





本当はガチガチ
だけどね。





レン「今日は何すんの」





カイラ「私ね、
言いたいことあるの。
内田君が、好きです。
私と付き合って、ください!
これ、作ってみたの。
見てみて・・・」





レン「ハーバリウム・・・」





カイラ「欲しがってるって
アキが言ってたから、
作ってみたの。
もしら答えがイェスなら・・・
貰って欲しいです」





レン「ありがとう。貰う」





カイラ「それって・・・」





ぎゅっ





抱きしめられた。





レン「俺も髙橋が好きってこと!」





ハーバリウムって
すごいな。





彼のポケットからの
ハーバリウムが
今日も匂う。





それは、とても甘い
恋の香り。







*end*

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