笑顔と涙の境界であなたは笑った。

CAST髙橋 快空髙橋 快空

作者:ハニオレ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.12.31

『もし、私が死んでしまったら・・・』





私の名前は、髙橋快空。
私は世界に数十人しかいない
難病を抱えてる。











《病院》





看護師「髙橋さ~ん。
髙橋快空さ~ん」





カイラ母「はい。
快空、行こ?」





カイラ「うん」





私はお母さんと
待合室で待っていた。





カイラ「お母さん。
私、死ぬの・・・?」





私はお母さんに
聞いてしまった。
私の運命を。





カイラ母「快・・・空?
どうしてそんなこと聞くの?」





カイラ「だって、
週に何回も病院に通ってるし・・・
学校も全然行かせてもらえない。
最後に学校に行ったの、
3年生の始業式と5日だけ」





カイラ母「大丈夫よ。
快空の病気は、
快空も知ってるように難病でね。
その原因とかを調べるために
病院に通ってるの。
快空は死なない」





カイラ「・・・・・」





看護師「髙橋さん。
お待たせしました。
中へどうぞ」





カイラ母「はい。
快空、行こ?」





カイラ「うん・・・」





私は立った。





バタッ・・・





立った瞬間、目の前が
真っ暗になった。





カイラ(体が・・・動かない)





だんだんと
意識が遠のいていった。













・ ・ ・ ・ ・ ・





しばらく経って
私は目を覚ました。





カイラ母「快空?
お母さん、
看護師さん呼んでくるね」





カイラ「お母さん・・・」





その声は届かなかった。





お母さんが看護師さんと
一緒に戻ってきた。





看護師「快空ちゃん、
大丈夫?」





カイラ「私・・・
何があったんですか?」





看護師「検査の前に
倒れちゃったの」





カイラ「ごめんなさい・・・」





看護師「ううん。大丈夫」





カイラ母「検査は・・・?」





看護師「今日はもう遅いので、
今日は一旦入院してもらって、
明日検査を行います」





カイラ母「よろしくお願いします」





お母さんはそう言って
病室を去った。













::* 次の日 *::





看護師「快空ちゃん、
おはよう。
昨日は寝れた?」





カイラ「ちょっと
寝不足かな・・・?」





看護師「ちゃんと寝ないと。
じゃあ、検査行こっか」





カイラ「はい」





私は検査に向かった。





看護師「結果は
お母さんに伝えるね」





カイラ「はい」





検査が終わって
病室に戻ったら、





カイラ「優行・・・?」





ユアン「快空!
会いたかった」





この人は
私の幼馴染の西優行。





家が隣で、よく部屋から
お話をしてる。





カイラ「なんでここにいるの?」





ユアン「快空こそ。
俺は快空のことを
快空の母ちゃんから聞いて」





カイラ「けど、学校は?」





ユアン「もう冬休み」





カイラ「そっか」





ユアン「っていうかお前、
死なないよな」





カイラ「分かんない。けど」





ユアン「けど?」





カイラ「もし私が死んでしまったら・・・」





ユアン「言うな!
それ以上は、言うな。
快空は絶対死なない」





カイラ「優行?」





ユアン「じゃあ」





カイラ「優行! 待って」





私の声は
聞こえてるはずなのに。





優行は私の前から
去ってしまった。













《快空の母》





医師「快空さんは、後2か月しか
残されていません。
今は12月。
快空さんは2月まで―――」





カイラ母「なんでそんなに
短いんですか・・・?
快空をもっと生きさせて
あげたいんです!
卒業式のある3月まで
生きさせてあげられないんですか?」





医師「こちらも最善を尽くします。
お母さんは、快空さんの
サポートをしてあげてください。
ストレスは敵ですから」





カイラ母「はい・・・」





病室にお母さんが
戻ってきた。





カイラ「おかえり。
検査結果、どうだった?」





カイラ母「大丈夫だった・・・よ。
安心して、だって。
けど、まだ入院は
してほしいって」





カイラ「本当に大丈夫だった?」





カイラ母「うん。
あっ、じゃあお母さん
夕飯作らないといけないから。
お父さんが待ってるの。
じゃあね」





カイラ「うん」













::* 1月中旬 *::





カイラ「今頃みんなは受験かぁ~。
私も受験したい・・・
高校行きたかったな」





ピコンッ!





優行から
LINEが送られてきた。





『快空!
1階のロビーに来て』





私はそのLINEを見て
1階のロビーに行った。





「快空! こっち!」





呼ばれて振り向いたら
優行がいた。





ユアン「快空。大丈夫?」





カイラ「優行こそ。
受験大丈夫なの?」





ユアン「うん。
俺は私立の推薦だから。
もう終わった。合格した」





カイラ「おめでとう。
私も受験したかったなぁ~」





ユアン「快空」





カイラ「ん? 何?」





ユアン「やっぱなんでもない。
じゃあな!」





カイラ「えっ、それだけ?」





優行は帰った。





私は病室に戻ったけど、
記憶がない。





気づいたら私は
ベットで横になっていた。





カイラ「私・・・また?」





看護師「うん。
お母さんは
さっきまでいたけど、
仕事に戻っちゃった」





カイラ「私、生きれますか?」





看護師「えっ?」





カイラ「だって私、倒れるし、
病名が分かんないし、
お母さんも検査の結果、
本当のこと教えてくれないし。
私、生きれなかったら
それなりに生活するし。
だから、本当のこと、教えてほしい」





看護師「分かった。
けど、覚悟はできてる?
聞かなきゃよかった、
って思わない?」





カイラ「分かんない。
けど、聞きたい。
お母さんも一緒に」





看護師「分かった。
お母さんに来てもらうよう、
連絡しとく」













::* 1時間後 *::





看護師「快空ちゃん。
お母さん来たから行こっか」





カイラ「うん」





医師「快空さん。ごめん」





カイラ「なんで?」





医師「快空さんはあと、
3週間しか残ってない」





カイラ「3週間・・・?」





医師「そうだ」





カイラ「分かった」





私は泣きそうになったけど、
その場で我慢した。





カイラ母「快空、ごめん。
本当のこと言えなくって。
本当に・・・ごめんなさい」





カイラ「ううん。
私なりに残りの3週間を
過ごすよ」













::* 2週間後 *::





私は優行にLINEで
私の余命を伝えた。





『優行、私あと1週間』





ユ『1週間?』





『1週間しか
生きれないっていうこと』





私たちのLINEは
そこで途切れた。





?「快空・・・」





名前を呼ばれて
振り向いたら
泣いてる優行がいた。





カイラ「優行?
なんで泣いてんの?」





ユアン「なんで今まで
黙ってたんだよ!
俺に教えてくれても
よかったじゃん・・・」





カイラ「ごめん」





ユアン「快空、
なんか1週間のうちに
やりたいこと。ある?」





カイラ「・・・卒業式」





ユアン「分かった。
明日か明後日やろう」





カイラ「いいの?」





ユアン「医者には
もう許可はとってある。
うちのクラスだけで、
プチ卒業式、やろう」





カイラ「ありがとう」













::* 次の日 *::





ユアン「快空。お待たせ」





優行は私を迎えに来た。





私は優行が来る前に
制服に着替えておいた。











《学校》





学校の体育館までは
車いすで行った。





ユアン「快空、立てる?」





カイラ「うん」





私は優行に支えられながら
立ち上がって歩いた。





そして、
卒業式が始まった。





「今から3年2組
プチ卒業式を始めます」





卒業証書はみんなからの
メッセージ入り色紙を渡された。





私は舞台の上でこう叫んだ。





カイラ「みんな~!
ありがと~!
大好きだよ~!」





舞台の上からは
みんなの笑顔が見えた。





優行が色紙をもらって
私たちのいるほうを向いた。





優行は深く息を吸って





「快空~!
お前が好きだ~!
付き合ってくれ~!」





そう叫んだ。





私は舞台まで歩いた。





舞台の上にのぼって
優行の前に立った。





カイラ「私、あとちょっとしか
生きれないよ?」





ユアン「それでもいい。
俺は快空に気持ちを
伝えたかった。返事は?」





カイラ「はい、
よろしくお願いします!」





みんなに祝福された。





私は初めて思った。





『もっと生きたい』





卒業式が終わって
みんなとの写真撮影が終わって
私は病院へ戻った。





私は残された時間で
クラスのみんなへ手紙を書いた。





手紙を書き終えたとき、
私は最後の朝を迎えた。





最後に書いた手紙は
優行宛の手紙。





―――――――――――――――――――――――

優行へ

まず、今までありがとう。
そしてごめんなさい。

ありがとうは私を元気づけてくれたこと。
勇気をくれたこと。
私のことを好きになってくれたこと。
私のためにプチ卒業式を開いてくれたこと。

ごめんなさいは私の命が残り少なくなってることを
1週間前に伝えたこと。本当にごめんね。

私は優行のことが大好きです。
死んでも大好き。
一緒に遊園地とかお買い物とか行きたかったな。

ありがとう。ごめんなさい。
もっと言いたかった。
けど、もういかなきゃいけないの。
最後に、これだけは覚えといて。
生きてるって奇跡みたいなことだから。
生きてることを奇跡だと思って。
私の分まで幸せになってね。

                髙橋快空
―――――――――――――――――――――――





こう書いて
私の人生に幕が下りた。





私の病室の机の上の手紙を
みんながとって読んでる。





みんなは
目に涙を浮かべながら
笑ってた。





幸せそうな顔をしていた。





優行も私に誓ったように
うなずいてる。





私の人生は
笑顔であふれていた。





笑顔の大切さ、
すごさを教えてくれた。





ありがとう。







::*END*::

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