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鈴の音がきこえたから。

CAST伊藤 沙音伊藤 沙音

作者:あやの

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.30

私には、大好きなペットの
ダイがいた。





でも、突然・・・









・・・・**・・・・**・・・・*





私、伊藤しゃのん。





親は海外に仕事の都合で
行かなきゃいけなくなったけど、
私は日本に残った。





だから、私は高校1年で
1人暮らし。





その時、お母さんが
さみしくないように、
怖くないようにって
オスの犬を飼ってくれたんだ。





一目見て、
「ダイ」って名前にした。





理由はない。
ただ、直感。















・・・・**・・・・**・・・・*





しゃのん「おはよ。ダイ!」





ダイ「ワンッ!」





首輪についている鈴を
シャンシャンと音を立てながら、
走ってくる。





これが、私とダイとの
朝の会話。





しゃのん「ごはん置いとくよ?
じゃあいってくるね!」





そう言って、
頭を撫でてあげる。





ダイとゆっくりしていたいけど、
部活の朝練があるから
早く行かなきゃいけなかった。





しゃのん「あー遅れる!
急がなきゃ!」





急いで自転車のペダルをこぐ。





その日はなんとか
間に合った。















・・・・**・・・・**・・・・*





キーンコーンカーンコーン。





先生「気をつけて帰れよー。
さよならー」





生徒「さよならー」





しゃのん「早く帰らなきゃ、
ダイが待ってる」





いつも放課後は練習がないから
早く帰れる。





でも、今日は違った。





先生「伊藤、このプリント整理するの
手伝ってくれるか?」





伊藤「え・・・でも、ダイ・・・
ペットが家に1人で待ってるんです!」





先生「そんなこと言われても困るな~。
たまってるんだよね。
頼むよ、委員長さん!」





この人は私のクラスの担任、
西ユアン先生。





若くてイケメンだけど、
実は中身が黒い。





ユアン先生に捕まったら、
もう逃げられない。





しょうがなく
プリントの整理をする。















・・・・**・・・・**・・・・*





しゃのん「はあ。やっと終わった!
帰ろっと」





時計をみると、
もう6時だった。





いつもより2時間も
遅れてしまった。





急いで自転車で家に帰る。





しゃのん「ダイ?! ごめん!」





ここでいつもなら、
鈴を鳴らしながら
玄関まで迎えにきてくれる。





でも、今日はこない。





しゃのん「あれ? ダイ???」





家に上がっても
ダイはいない。





庭に出て探してみる。





すると、あることに気がついた。





しゃのん「庭の門が開いてる・・・?」





いつもは閉まっている庭の門。





この日はなぜか開いていた。





ここから逃げ出したのかも。





不安で涙がこみ上げてくる。





しゃのん「探さなきゃ! ダイ?!」





スニーカーとスマホをもって、
庭の門から家を出る。





ちょうど門を出た時に、
誰かから声をかけられた。





?「しゃのん・・・?」





しゃのん「へ?」





そこには、今まで
会ったことないはずの男の子が
座っていた。





しゃのん「あなたは・・・?」





?「ダイジとでも
言っておこうかな」





ダイジと名乗った男の子は、
服も顔も泥だらけで
まるで野良犬のようだった。





しゃのん「あの・・・家は・・・?」





ダイジ「・・・・・」





しゃのん「なんかごめんなさい。
よかったら、うちあがる?
お風呂もあるし、
ご飯も食べていったら?」





ダイジ「本当!? ありがとう!」





ダイのことが気になったけど、
この、泥だらけの傷ついた男の子を
放っておくことはできなかった。





それに、ダイジの目がなぜか、
ダイに似ているような気がした。





しゃのん「ここがお風呂。
入っていーよ」





ダイジ「ありがと。借りるね」





そう言って服を脱ごうとした彼は、
何かを思い出したようで、
ズボンのポケットに手を突っこんだ。





そして、それを取り出すと同時に、
あの、シャンシャンという
愛おしい鈴の音が聞こえた。





しゃのん「ダイ・・・?」





ダイジ「もうバレちゃった」





ダイジはそう言って、
いたずらっ子みたいに
舌を出して笑った。





ダイジ「そう、僕がダイだよ。
正式には、ダイジなんだけどね。
しゃのんがつけてくれたから
ダイの方がお気に入り」





しゃのん「え? ダイなの?
本当に?」





ダイ「うん。しゃのん、
毎日お世話してくれてありがとう」





初めてする、ダイとの会話。
なんでだろう、緊張する。





しゃのん「・・・うん!
無事でよかった!」





突然、手首を引っ張られて、
気づいたら
ダイの胸の中にいた。





ダイ「僕さ、毎日しゃのんが
やさしくしてくれるから、
好きになっちゃったんだ。
ダメだって、わかってたのに」





ドクンドクン。





ダイ「そしたら、ある日、
好きな時に人間になれるように
なっちゃったんだよね」





ドクンドクン。





ダイの心臓の音と、
私の心臓の音が重なる。





しゃのん「ダイ・・・」





ダイ「僕さ、犬だけど、
しゃのんのこと
好きでいていいですか?」





悲しかった時も、さみしかった時も、
いつも一緒にいてくれたダイ。





ダイのおかげて私は
1人でがんばってこれた。





そんなの答えは決まってる。





しゃのん「うん!
私も、ダイのこと
好きでいていいですか・・・?」





ダイ「・・・うん!」















・・・・**・・・・**・・・・*





こうしてダイは私の彼氏になって、
人間の姿で
同じ学校に行くようになった。





名前は、正式名のダイジ。





ダイっていうのは
2人だけの秘密。





2人で、前と同じように
一緒に暮らしています。











― おまけ ―





ダイ「そーいえば、
お父さんとお母さん帰ってきたら
どうしたらいい!?」





しゃのん「その時は、また、
犬にならなきゃね!」





ダイ「えーー!
ずっと犬はいやだぁ!」







・・・終わり・・・

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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