もしも運命の人がいるのなら

CAST伊藤沙音

作者：aya

2025.10.01

「みんな、がんばろうね！」

あ、高１の
伊藤シャノンです。

今はね、明日の
ハロウィンパーティーの
準備中。

私は、実行委員長なんだ！　

このニコ学のハロウィンは、
絶対に仮装しなきゃだめなの。

女子は、
魔女とかが多い。

理由はね。

魔女の仮装をして
告白すると、
両想いになれるらしい。

でもね、私は知ってるけど、
逆に、魔女の仮装をすると、
振られるんだって！　

だから私は、
魔女はいや！　

だって、好きな人と
両想いになりたいから。

私にだって好きな人くらい
いるんだよ！　

同じクラスの
安藤イルマ君。

イルマ君も、実行委員だから、
実行委員になったの。

そうと決まれば、
がんばるもん！　

「イルマ君、
手伝ってくれる？」

「いいよ。
ちょっと待ってね」

そのキラキラスマイル、
やばい！　

「ごめん。
で、何すればいい？」

「えっと、まずこれを
お願いします！」

「はい。分かりました！」

可愛いし、かっこいい。

「「あ」」

手、重なった。

ドキンドキン。

「ご、ごめん///」

「ううん。
全然大丈夫///」

超ドキドキした。
ヤバッ。

「シャノン！
仮装グッズ買いにいこ！」

「ミユウ、待って！」

心友の松田ミユウ。
超可愛いの。

「魔女は、やめようね」

「うん。みんな本当のこと
知らないなんて。かわいそう」

ミユウもあのことは
知ってるよ。

「あ、そうだ！　シャノン、
一緒にネコになるぞ！」

「いいね。可愛い！」

「明日、お互いがんばろうね」

ミユウも、
恋してるんだよ。

小澤テルノスケ君。

幼馴染なんだって。

―翌日―

「うわ、魔女多すぎ」

「みんなにあのこと
言いたいわ」

「同じく」

ハロウィンパーティーは、
最後のダンスパーティーが
大切なの。

男子が好きな女子
誘うの。

女子からの立候補は
ルール違反。

だからみんな、好きな人に
誘われるように、
必死でアピりまくるの。

私は、あの日、
手が重なったから、
そのあと、恥ずかしくて、
アピれなかった。

でも、奇跡を信じて
がんばる！　

といっても、イルマ君
モテモテだし。

「今、ネガティブなこと
考えてたでしょ」

「わぁ、ミユウ！」

「大丈夫！　私だって、
テルノスケに誘われたし！」

「スゴッ！
私もがんばる！」

「がんばれ」

＊＊-・．・＊＊＊・．・-＊＊

「あの、イルマ君・・・」

「なんだ、伊藤さんか」

「モテてるね。大変そう」

「そう？
でも、好きな子にモテなきゃ
仕方ないし」

好きな人・・・
いるんだ・・・

「ねぇ、伊藤さん。
僕と一緒に
踊ってくれませんか？」

「ふぇ!?」

「アハハハ！
そういうところ好き」

「え」

「あ・・・
伊藤さんが好きです。
付き合ってください」

「・・・・・」

「ダメ？」

「私・・・こういう奇跡が
起きないかって、考えてたの」

「てことは、」

「イルマ君のお誘い
断ってどうするの！」

「///」

「付き合うほうも、
もちろんＯＫだよ」

ギュ

わ、抱きしめられてる。

こんなうれしいことないよ。

「ねぇ。
シャノンって、よんでいい？」

「いいよ///」

「シャノン、さっき言ったこと
違うよ」

「え？」

「僕たちは、
運命で結ばれたんだよ」

そうだね。

ありがとう。運命の人。

＊ＥＮＤ＊