運命の赤い手袋

CAST伊藤 沙音伊藤 沙音

作者:M

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.10.04

運命の赤い手袋・・・
あなたは、信じますか?





 * * *





それは、伊藤家に
代々伝わる恋の伝説。





運命の糸ならぬ
運命の手袋というものが
存在するという・・・





そして事実、私の手には
物心ついた頃から、





私と運命の人以外には
不可視の、赤い手袋が
はまっていた・・・





というか、
でもぶっちゃけ
私はまるっきり
信じてないけどね!





だって私、もう運命の人
出会ってるし!





さらに言ったら
付き合っちゃってるし!





彼、暖大の手に
赤い不可視の手袋はないけれど、
私は暖大こそが
運命の人だって信じてるから。













・*。・ ニコラ学園 ・。*・





崎浜梨瑚には、
好きな人がいる。





彼の名は、今井暖大。





・・・でも、ダメなのだ。





だって、彼は
親友の沙音の彼氏だから。





今日も今日とて
自分の気持ちを
押しこらす日々。





なんだか最近
彼とよく目が合う気がするのは
きっと気のせい・・・













・*。・ シャノンside ・。*・





「・・・ごめん。
俺ら、別れよう」





いつも通り、
2人で登校する朝。





彼から信じられない発言が
飛び出した。





「他に、好きな人できたんだ」





急な展開に
思考が停止した次の瞬間、





涙で視界が
ぐちゃぐちゃになる。





・・・でも。





「・・・わかった」





彼の心変わりを
知った以上、





私はそれを
受け入れるしかなかった。





だから。





「相手、誰?
応援するね!」





歪(ゆが)む視界で、
精一杯笑顔を浮かべた・・・













・*。・ リコside ・。*・





「好きです」





(・・・嘘っ)





梨瑚は、息を呑んだ。





私の前には、
顔を真っ赤にした
今井くん。





差し出された手。





(うれしい・・・けど)





「沙音とは・・・」





心に引っかかるのは、
やっぱり親友のこと。





「今日、別れた。
その・・・俺が、
崎浜さんのこと
好きになったから・・・」





言いにくそうな彼。





私は沙音の気持ちを思い、
ずきりと胸を傷ませる。





「・・・ごめん、
ちょっと考えさせて」













・*。・ シャノンside ・。*・





結局、梨瑚と暖大は
付き合うことになった。





「はぁ・・・」





2人が幸せそうなのは
いいことだけど、
どこかむなしい気持ちで
私は日々を過ごしていた。





そんなある日。





「危ないっ」





「えっ!? わっ」





飛んできたのは
サッカー部のボール。





「ごめんねっ、
大丈夫!?」





危機一髪スレスレを
通っていたボール。





驚いた私は、尻もちをついたまま
かけ寄ってくれたサッカー部の
先輩を見上げた。





「あ、当たらなかったので・・・
大、丈夫です」





言いながら顔を上げ・・・





「ええっ!?」





差し伸べられた手。





そこには、赤い手袋が
はまっていた・・・





驚いたのは
私だけではなかったようで、
彼も固まっていた。





お互い、見つめ合い数秒。





そして、





「名前・・・
教えてもらってもいい?」





「い、伊藤沙音です」





「沙音・・・
俺、3年の八神遼介」





私は、差し伸べられたままだった
手を取る。





虚しさは、すっかり
消えていた。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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