文化祭マジック

CAST伊藤沙音

作者：にこらぶ

2024.09.29

こんにちは！
私、伊藤シャノン！

２週間後は、まちにまった
文化祭！

私達中学３年生にとっては
最後のイベントだから
思いっきり楽しむぞー！

リリカ「なにシャノン
ニヤニヤしてんのよ？」

そう話しかけてきたのは
私の親友のリリカ！

シャノン「だってもうすぐ
文化祭だよ？
思いっきり楽しまないと！」

リリカ「ま、そうだね」

シャノン「てか、なんでそんなに暗いの？
なにかあった？」

リリカ「だって、私の彼氏が
文化祭見に来る！　って
言ってたんだもん！」

そういえば
そう言ってたな。

リリカ「舞台でのダンス発表
見られるんだよ？
恥ずかしすぎるんですけど！」

リリカはダンス部に
所属してるんだよね。

シャノン「リリカなら踊れるよ！
いつもレッスン頑張ってるし」

リリカ「そうだね！
ポジティブにいこ！」

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

そんなある日・・・

シャノン「あれ？　リリカは？」

ミサキ「あ、シャノンじゃん。
帰ったんじゃない？」

そう教えてくれたのは
同じクラスのミサキ君だ。

シャノン「いつもなら
昇降口で待ってるのに・・・」

ミサキ「じゃあ一緒に帰る？」

シャノン「え？　悪いよ・・・」

ミサキ「全然。
気にしてないから」

こういう状況って
気まずいな・・・

ミサキ「そういえばリリカって
何部だっけ」

シャノン「えっと、ダンス部だよ？」

ミサキ「そっか・・・・」

シャノン「なんで？
何かあったの？」

ミサキ「いや、さっきダンス部内で
練習中に怪我人が出たって噂が
流れてるんだよ」

シャノン「え、そうなんだ・・・」

まさか、
そんなことないよね・・・

うん。

リリカがこんな状況で
怪我するわけないし・・・

・　・　・　・　・　・　・

シャノン「ただいま～」

家に帰ると、真っ先に
妹のソノマが近づいてきた。

ソノマは中１で
リリカと一緒のダンス部に
入ってるんだよね。

ソノマ「あ！　お姉ちゃん
聞いた?!」

シャノン「なにが？」

ソノマ「リリカ先輩が
怪我したって！」

え、嘘・・・・

シャノン「電話しよ・・・」

プルルル・・・

カチャ
誰か出た！

シャノン「リリカ?!
大丈夫なの?!」

リリカ「シャノン・・・
ごめんね・・・」

シャノン「今、体は
どんな感じなの？」

リリカ「足をくじいちゃって、
１週間以上安静にだって・・・」

シャノン「嘘・・・・
じゃあ文化祭は？」

リリカ「もしかしたら
出れないかも・・・」

そんな言葉を聞いた瞬間、
涙があふれそうになった。

リリカ「それで、
できたらシャノンが
私の代わりにダンスの
発表出て欲しいんだけど」

シャノン「え?!　私が？」

リリカ「シャノンも５年間
やってたんでしょ？
できるよ！」

シャノン「急に言われても困るよ・・・
踊れるっちゃ踊れるけど・・・」

リリカ「私達中１の頃
約束したでしょ？
ネガティブに考えずに
ポジティブに考えようって！」

シャノン「うん、そうだね！」

リリカ「シャノンは、やればできる！」

・＊。・　翌日　・。＊・

ソノマ「ってことで、みんな
仲良くしてあげてね！」

シャノン「よろしくお願いします・・！」

パチパチパチ・・

ってことで、
今日のレッスン終了！

シャノン「疲れた・・・」

ソノマ「お姉ちゃん
めっちゃうまいね！
なんかやってたの？」

シャノン「小１から５年間
やってたんだよね」

コハナ「だからそんなに
シャノン上手いんだ！」

そう話すのは、隣のクラスの
コハナちゃん！
部長なんだって！

コハナ「シャノンなら踊れるよ！
リリカの分も背負って！」

シャノン「うん！」

ミサキ「あれ？　シャノンじゃん。
リリカは？」

シャノン「リリカは怪我して
文化祭出れなくなって
私が代わりに」

ミサキ「そっか・・・
でも、シャノン
踊れそうだもんな！」

シャノン「は？
勝手に想像しないでよ！」

ミサキ「だって、今日の練習
のぞいてたからね～」

シャノン「ずっと私
見てたんじゃないでしょうね？」

ミサキ「ずっとは見てないよ。
みんなすごいな～って」

シャノン「そうだよね、
私、全然踊れないし・・・」

ミサキ「そんなこと
言うんじゃないよ、
ポジティブ思考だろ？」

シャノン「それ、もしかして
リリカから聞いた？」

ミサキ「きっとシャノンが
寂しくなるだろうからって
リリカが教えてくれたんだよね」

シャノン「そうなんだ」

ミサキ「ま、無理はしないようにな！」

シャノン「ありがとう！
頑張る！」

・＊。・　文化祭前日　・。＊・

コハナ「今日で練習は最後です。
全力で頑張りましょう！」

シャノン「はい！」

シャノン「もう明日、文化祭か・・・」

ソノマ「早いね！」

コハナ「そういえば、シャノンって
好きな人いるの～？」

シャノン「え、いないけど～？」

コハナ「その反応
絶対いるじゃん！
教えてよ～！」

シャノン「実は・・・
ミサキ君が気になってて・・・」

コハナ「確かにミサキ
かっこいいよね！
分かるわ～」

ソノマ「お姉ちゃん
告白しないの？」

シャノン「まだ告白は
考えてなかったな・・・」

コハナ「文化祭を機会にして
告白してみたら？」

ソノマ「ポジティブ思考でしょ！
やればできる！」

シャノン「・・・うん。
頑張ってみる」

・＊。・　文化祭当日　・。＊・

コハナ「みんな
盛り上がってる～？」

全員「イェーイ！」

コハナ「これからダンス部の
発表なので
楽しんでください！」

シャノン「やばい・・・
緊張してきた・・・」

ソノマ「お姉ちゃん
頑張ろ！」

シャノン「うん！」

そう言い、私達は
舞台に出た。

そのとたんに会場内は
歓声でいっぱいになった。

そんな中
聞こえてきたのが・・

「シャノン最高！」

この言葉を聞いた私は、
改めてポジティブ思考って
大事なんだなと思った。

コハナ「いやーみんな最高！
本当にありがとう！」

そうコハナちゃんが
言ったとたんに

「アンコール！
アンコール！」

あ、アンコール?!
これは聞いてないよ！

コハナ「じゃあフリーで
踊ってみよう！
みんな、自由に踊って！」

フリーダンスは
昔、私がよく踊ってたな・・・

そう考えた瞬間、
私はいつの間にか
全力で踊っていた。

「え、あの子すごくない？」

「ホントだ！
かっこよすぎる・・」

ソノマ、コハナ「すごいな・・・」

シャノン「はぁ、終わったー！」

コハナ「てか、さっきの何?!
すごすぎる！」

ソノマ「ね！　やばかった！」

シャノン「いや本気出しただけ
なんだけど・・・」

ミサキ「シャノーン！
ちょっといい？」

シャノン「あ、ミサキ君・・・」

コハナ、ソノマ「シャノン頑張れ！」

シャノン「私も話したいことがあるの！」

ミサキ「じゃあ、シャノンから
話してよ」

シャノン「あの、私、実は・・・
ミサキが好きなの！」

ミサキ「え、俺もそう言おうと
してたんだけど」

シャノン「え？」

ミサキ「俺もシャノンのことが
好きなんだ」

こんな奇跡ある？

シャノン「じゃあ私達・・・」

シャノン、ミサキ「両想い?!」

パーン！

ソノマ、コハナ、リリカ
「２人ともおめでとー！」

シャノン「え、みんな、
それに・・・リリカ?!
なんで?!」

リリカ「怪我治ったよ！
だからサプライズで！」

シャノン「私ずーっと
心配してたんだよ！
よかった、治って・・・（泣）」

リリカ「泣かないでよ～
でもシャノンこそ、ミサキと
付き合えてよかったじゃん！」

コハナ「２人が結ばれて
安心だよ～！」

リリカ「シャノン、
ポジティブ思考守れた？」

シャノン「もちろん！」

それからみんなが
ポジティブに過ごせたのでした・・・

～おしまい♪～