近くにいすぎて

CAST伊藤沙音

作者：ゆっきん

2025.05.22

はろー！
私は、シャノン！
好きな人はいませーん！

バシッ

？「おはよ。バカシャノン！」

シャノン「うるさい！
アホイルマ！
ていうか、頭痛いし！」

イルマ「わりぃわりぃ」

こいつはイルマ。
私の幼なじみ。

恋愛対象？
絶対にない!!

・＊。・　教室　・。＊・

？「おはよー！　シャノン」

シャノン「おはよっ！」

この人は、八神リョウスケ！

同じクラスの男子で
めっちゃモテる。

リョウスケ「そうだ！
今日、放課後残れる？」

シャノン「残れるけど・・・なに？」

リョウスケ「ちょっと話があるんだ！」

シャノン「そっか。わかったよー！」

このときは
思いもしなかった。

あんなことが
起きるなんて・・・

・＊。・　放課後　・。＊・

シャノン「話ってなにー？」

ギュッ

シャノン「え？」

リョウスケ「好きだ。つきあって」

まさかリョウスケに
告白されるなんて・・・

私はこう口にしていた。

シャノン「いいよ」

・＊。・　翌日　・。＊・

イルマ「シャノン、おはよ」

シャノン「おはよ！　イルマ」

イルマ「やけにテンション高いな」

シャノン「聞いてよ～！
リョウスケと
つきあうことになったの！」

イルマ「は？　お前、
リョウスケはやめとけ！」

シャノン「ちょっと怒鳴んないでよ！
なんでイルマにやめとけなんて
言われなきゃいけないの？」

イルマ「それは・・・
ともかくリョウスケだけは
やめとけ！」

シャノン「うるさい！
ほっといてよ！」

朝からイルマと
ケンカしちゃうなんて・・・

・＊。・　教室　・。＊・

教室に浮かない顔で入ると
すぐにイルマとケンカしたことなんて
忘れていた。

リョウスケ「シャノン、おはよ！」

リョウスケの笑顔に
いやされたんだもん。

・＊。・　放課後　・。＊・

シャノン「リョウスケ！
一緒に帰らない？」

リョウスケ「ごめん！
今日は無理だわ」

シャノン「そっか・・・了解！」

１人かー。

シャノン「あっ!!!」

ノートを忘れてしまった。

私はしぶしぶ教室へ戻った。

「あははは！」

誰だろう・・・

リョウスケ「ちょーウケるわ！
だってさ、俺はゲームで
つきあってるんだぜ？
なのにシャノンは、
まんまとだまされてんの！」

「ぶはははは！」

悔しい悔しい
悔しい悔しい！

ガラッ！

中にリョウスケたちがいることも
関係なしに、
私は思いっきりドアを開けた。

リョウスケは・・・

目をまんまるくして
こっちの様子を伺っている。

シャノン「さいてー。ばいばい」

なんで私はあんなやつに
だまされたんだろう。

悔しくて涙が止まらない。

泣きながら歩いていたら。

？「シャノン？」

シャノン「イル・・・マ・・・」

イルマ「なんで泣いてるんだよ」

私は全部話した。

イルマ「だから
リョウスケはやめとけって
言ったんだ」

シャノン「え？」

イルマ「リョウスケは昔から
あんなやつだから
やめとけって言ったの」

シャノン「そうだったの・・・」

イルマ「ばか」

シャノン「ごめん・・・」

ギュッ

シャノン「えっ？」

イルマ「俺だったら
お前を幸せにする。
うそなんかでつきあわない」

シャノン「ちょっ・・・
話が読めない・・・」

イルマ「好きだ！　つきあって」

シャノン「うそっ・・・」

イルマ「ほんと」

シャノン「いいよ。つきあって！
私を幸せにして・・・？」

イルマ「もちろん」

道を間違えても
私にはもとの道へ
戻してくれる人がいる。

どうして近くにいたのに
気づかなかったのかな？

あなたも、もしかしたら
近くに大切な人がいるかも・・・

＊えんど＊