ずっと前から

CAST伊藤 沙音伊藤 沙音

作者:りんりん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.01.27

?「ねーねー、
次は何する~?」





シャノン「んー、
あ、見て、この紙」





?「んー?? 何ソレ」





シャノン「・・・?
何だろう?
ママ~・・・」





シャノン「これね、なんか
『こうこう』っていう学校の
ちらしだって。
私たちもいつか行くらしいよ」





?「へぇー・・・
ねぇねぇ、この
『こうこう』っていうところに
行くときはさ、
このこうこうにいこうよ。
そしたらまた会えるよ」





シャノン「いいね!
やくそくだからね!」





?「うん!」













・*・*・*・*・*・*・*





こんにちは。
私は伊藤シャノン。
中3です。





私は、普通のクラスの
女子って感じ。





さっきのは、私の昔の話。





幼稚園の頃だっけ。





ママと寄ったカフェで、
同い年くらいの男の子と
2人で遊んだの。





ほら、私、中3だから
次、高校でしょ?





だからあの時
チラシで見た高校に
入れるように頑張ってるの。





なんでそんな
幼稚園の頃に知り合った、
名前も知らない人と
約束したことを
守ろうとしてるんだって
思うでしょ?





それはね、あの人と
一緒に撮った写真を見ると
なーんかドキドキするの。





だから絶対、
また会いたいなって
思ったから。





シャノン「ふぅぅ~」





あ、実は今学校なんだ。





放課後1人で
勉強をしてるの。





だってあそこの高校、
すっごい偏差値
高いんだもん。





はぁぁ、って、
全然分かんないですけど!





この数学の問題とか・・・





シャノン「ん~、もうっ!
意味不明! 諦める!」





ユアン「もー、
諦めちゃダメでしょ?」





こいつは、西ユアン。
小学生の頃から仲良しなの。





シャノン「あ~、ユアン、
そんなこと言うなら
教えなさいよぉ!」





ユアン「はぁ?
なんだその言い方は!」





シャノン「え?
あぁ、はい、
教えてください。
これでいいでしょ?」





ユアン「しょーがないなー
どこが分かんないの?」





シャノン「え~、ここ全部!」





ユアン「はぁぁ?
お前馬鹿か!
ここはね~・・・・・・」













○●○●○●○ 試験日 ○●○●○●○





よし!





ほとんど
全部解けるように
なってきたんだもん。





大丈夫だよね、きっと。





ふぅ。始まった。





あれ、なんか・・・
すごいスラスラ書ける。





ここ、ユアンが
教えてくれたところ。





ここは、過去問のところ・・・













・*。・*~*~*~*~*~*~*・。*・





シャノン「終わったぁ~!」





もうすぐママが
迎えに来てくれるな。





ママ「シャノ~ン!」





シャノン「あ、ママ~」





ママ「シャノン。
どうだった?」





シャノン「あのね、ママ!
すっごいできたの!
期待しといて」





ママ「分かった」













・・・・・ 合格発表の日 ・・・・・





シャノン「よし、ママ、見るよ」





ママ「うん・・・」





シャノン「23番・・・」





ママ&シャノン「あったぁ~~~!!!!!!」





受かった!! 受かった!!
私、受かった!!





シャノン「ママ!
受かった!!
私、受かったの!!」





ママ「シャノン!
良かったね!
ママも嬉しいよ!」





私・・・受かった。
受かったんだ。





会える・・・
会えるかもしれない。





嬉しい・・・嬉しい!





早く会いたい・・・!













△▼△▼△▼ 入学式 ▼△▼△▼△





えーと、
私のクラスは・・・
1年1組!





ガラッ。





あの子、
おんなじクラスかな?





どんな子かな?





ところで私の隣は・・・?





シャノン「は~~~?!」





え、ちょ、ちょっと・・・
待って・・・?





いや・・・
そんなはずは・・・





み、見間違いだよね?





そうだ、名札、
名札を見よう。





えぇっと・・・『西』





シャノン「は、はぁ~??
に、にに西ユアン?!」





ユアン「・・・?
なんですか?
・・・って!
シャノン?!」





私の隣にいたのは
ユアンだった。





シャノン「ユアンって
ここの高校、
受けたんだ・・・」





ユアン「シャノンこそ」





なんか・・・
なぜか嬉しい。





仲良しだもん。





そりゃあ嬉しいよ。





でも・・・
なんか違うんだよね。





“友達だから。”





自分で思ったことなのに、
なぜか胸がチクリとする。





なんで?





・・・じゃなくて
私はあの男の子を
探さなきゃなんだから。





探して
絶対告白するんだから。





あの男の子に告白・・・





まただ。
胸がチクッとする。





でもっ!
私は、絶対見つけるんだから。





絶対告白するんだから。





絶対、絶対!





それから私は、
1年の男子に聞き回った。





幼稚園の頃、カフェで、
同い年くらいの女の子と遊んで、
この高校に入る約束を
したことはないかって。





でも・・・





シャノン「んんん~!!
なんでぇ~?!」





そんな人は、
誰1人いなかった。





なんで?





絶対会えると思ってたのに。





裏切られた。





裏切られた。





・・・なんで私はこう、
人のせいにしちゃうんだろう。





私が悪いだけなのに。





この高校に入れれば
あの子に会えると
思ってたなんて。





大体、あの時の約束を
守ろうとしてたのだって、
私だけなのかもしれない。





全く知らない、小さい頃に
知り合った人に
会いたいなんて思う人が、
いるはずない。





忘れてるのが
当たり前なんだよ。





そう、当たり前なんだよ。





当たり前のことなのに・・・





こんなところに
いるはずがないのに・・・





目がうるむ。





涙がこぼれる。





私は走った。
ここにいたくなかった。





誰も通らない階段についた。





私の足はここで止まった。





なんでここで止まるの?





誰にも見られたくない
っていうの?





そんな弱虫な人に
会いたいなんて・・・
そんな人、
いるはずないじゃん。





会えなかっただけで
こんな・・・





馬鹿じゃん。





会えるはずないじゃん。





馬鹿。





馬鹿。





ただただ泣いて。
何もできなくて。





そんな自分が大嫌い。





1人じゃ
何もできないなんて。





「シャノン?」





声がする。
私を呼んでる。





振り返ると、
ユアンがいた。





ユアン「シャノン?
どうしたの?!」





ユアンは
すぐに駆け寄って、
隣に座ってくれた。





ユアン「シャノン、
どうしたの?
俺でよければ話聞くから。
何があったの?」





ユアンって、優しいな・・・





シャノン「ユアン・・・
ユアンはなんで
この高校入ったの・・・?」





ユアン「え?
あ・・・俺は・・・
ちょっと昔の話になるけど・・・
小さい頃に知り合った子と会うため。
その子と約束したんだよね。
またここで会おうって」





私は、ユアンを見つめた。





じっと・・・





シャノン「ユアン・・・
それって・・・それって・・・
誰?」





私はあの子との写真を
ぎゅっとつかみながら聞いた。





もしかしたら・・・
と期待しながら。





ユアン「え・・・
誰って言っても
シャノンは知らないと───」





そこでユアンは
息をのんだ。





私の持っている写真を
見ながら。





ユアン「シャノン」





シャノン「ん? 何?」





ユアン「そうじゃなくて・・・」





暖かいものに
包まれたと思ったら
ユアンが私を抱きしめていた。





シャノン「ユアン・・・?」





ユアン「俺が会いたかったのは
シャノン。
俺が昔知り合ったのは
シャノン」





・・・全ての謎が
解けた気がする。





私が・・・
私が昔知り合ったのは
ユアン。





告白するって決めたとき、
胸がチクっとしたのは
ユアンが好きだったから。





写真を見て
ドキドキした人はユアン。





会いたかったのは・・・
ユアン。





今度は私が
ユアンを抱きしめた。





シャノン「大好き」





ユアン「俺も」





シャノン「・・・違う。
私は・・・
ユアンのことが
恋愛的に好き」





ユアン「・・・俺も」







*~end~*

Like

この物語に投票する

伊藤 沙音が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

おススメ!おススメ!

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!