昼休みの最後の十分

CAST伊藤沙音

作者：まるぱん

2024.09.17

シャノン「みゆーちゃーん！」

ミユウ「シャノンちゃん！」

私は、シャノン。

みゆーっていうのは、
私の最っ高の友達！

私たちは
ずっ友なんだよ！

初等部の頃にあった
学習サポート教室で、
消しゴムを忘れた私に
みゆーちゃんが

「私、消しゴム５つ
持ってるから（笑）」

って、貸してくれたことが
きっかけで仲良くなった。

今は、私たちの大好きな時間。

２人だけの「秘密基地」に
集まっている。

「秘密基地」っていうのは、
私とみゆーちゃんの
溜まり場になっている、
人通りが少ない階段のこと。

昼休憩の最後の１０分は、
私たちの特別なひととき。

いつも会う約束をしているんだ。

なんで昼休みの最後の
１０分しか会えないかというと、
歳が１つ違ううえに、
私は自転車通学で、
みゆーちゃんはバス通学だから。

あと、２人して
給食を食べきるのが遅いから。

なごりおしいけど、
もうすぐ予鈴が鳴るから

「それじゃあ、また明日ね」

と言おうとしたとき、

ハルハ「あれー？（笑）
みゆー？（笑）」

アンナ「こんなところで
なにしてんのー？（笑）」

ハルハ「隣の子は、後輩ちゃん？（笑）」

アンナ「やっぱりお子様は
年下としか
気が合わないんだねー（笑）」

シャノン「私の大切な友達を
侮辱するな！」

ハルハ「もしかして、
言わされてる？（笑）」

アンナ「かわいそー」

みゆーちゃんは
とっても優しいから、
自分が怖くても
私を後ろに隠して
かばってくれてる。

みゆーちゃんも
手とか足とか
震えてるのに・・・

どうしよう・・・

？「星名ハルハ、星乃アンナ、
生徒に意地悪を言うことは
校則上ダメだぞ！」

ハルハ、アンナ「生徒会長!?」

生徒会長なんだ・・・！

優しい人だったな・・・

それからは、
生徒会長さんのことが
気になって
仕方がなかった。

これは、恋？

みゆーちゃんに
相談してみると、

ミユウ「私も生徒会長さんのこと、
好きなんだ・・・
でも、シャノンちゃんと
もめたくないから、
一緒に告白しよう！」

シャノン「そうだね！
そうしよう！」

ミユウ、シャノン「生徒会長さん！
私たち、生徒会長さんのことが
好きです！
付き合ってください！」

生徒会長「俺は、松瀬太虹。
ごめんな。伊藤さん。
俺は、ミユウのことが好き」

私の名前、
覚えてくれてたんだ・・・

でも、ちょっぴり悲しい・・・

シャノン「私は、みゆーちゃんの恋を
応援するよ！
だから、気にしないで！」

この気持ちは、嘘じゃない。

ずっ友が大事なのは、本当。

ミユウ「シャノンちゃん・・・
ありがとう！」

だけど、へこんじゃったから
自分の教室でみゆーちゃんに
心配かけないようにこっそり
泣いていたら、岬が

「泣いてんの？　大丈夫？」

シャノン「んっ、泣いっ、うぐっ、
てっ、ひくっ、ないっ、うっ、もん！」

ミサキ「嗚咽ばっかじゃん（笑）
とにかく、俺についてきて」

ついていったら、
「秘密基地」に着いた。

ミサキ「泣いてたら
可愛い顔が台無しだぞ？」

そういって、
涙を拭ってくれた。

ミサキ「何があった？」

これまでのいきさつを
話すと・・・

ミサキ「生徒会長じゃなくてさ、
俺と付き合わないか？」

えっと・・・
今、なんて言った？

嘘だよね？

私が告白されるなんて・・・

生徒会長さんに
振られたのに・・・

ミサキ「何やってんだよ（笑）」

ほっぺ、つねっても
ちゃんと痛い。

ミサキは、進学当初から
よく話しかけてくれたし、
今日だって、私のささいな変化に
気づいて声をかけてくれて、

「恋」に近いぐらいの
好感度を抱いている。

だから、・・・

シャノン「よろしくねっ！」

告白を受けることにした！

ミサキ「マジうれしい！
こちらこそ、よろしく」

みゆーちゃんに
彼氏ができたことを
報告すると、

ミユウ「お互いに
彼氏ができてよかったね！
彼氏同士も仲良くなれたらいいね！
でも、私がシャノンちゃんのこと
大好きなのは
変わらないからね！」

シャノン「私もみゆーちゃんのこと
大好き！
一生ずっ友でいようね！」

ミユウ「うんっ！」

彼氏のことも、ずっ友のことも
全力で愛する私、シャノンは
とーっても欲張りなんだ！

＊ｅｎｄ＊