キューピッドだって恋をする

CAST稲垣来泉

作者：まるぱん

2025.03.16

ハルト「俺、ユアのこと
好きなんだよね」

クルミ「ええええっ!?」

ハルト先輩と同い年の
ユア先輩!?

あたし、クルミ！
ただいま、幼なじみのハルト先輩の
好きな人を知りました！

あたし、人の恋愛事情が
大好物だから、
いまのでお腹いっぱい！

あたし、ハルト先輩の
恋のキューピッドしよう！

ハルト「ずっと片想いしてたんだよね」

クルミ「告白、
がんばってください！」

ハルト「告白？
そんなのしないよ？」

クルミ「なんでですか!?」

ハルト「え・・・だって、
恥ずいじゃん」

クルミ「ハルト先輩、
かっこいいんだから、
成功すると思うんですけど・・・」

あたしは上目遣いで
ハルト先輩を見あげる。

ハルト「そういうクルミは
やったことないんだろ？」

クルミ「あたしは
２回ありますよ！」

ハルト「クルミが!?　意外だな！」

クルミ「２連敗ですけどね（笑）」

ハルト「そうなんかい！」

そんな感じで、
あたしとハルト先輩は
よく恋バナをしていた。

男子と男子、女子と女子の
恋バナをしているのは
よく見かけるけど、

男子と女子の恋バナって
レアだよね（笑）

それからもハルト先輩と
恋バナをしていたけど、
ハルト先輩が告白しそうな
素振りはなかった。

ハルト「俺、ユアに告った」

クルミ「結果は、どうだったんですか!?」

ハルト先輩の表情がくもる。

ハルト「振られた。
俺のことは、恋愛対象として
見れないってさ」

やっぱり聞かない方が
よかったかな・・・

気まずい雰囲気で
その日は別れた。

ハルト先輩の
告白の結果を聞いた日、
あたしが無神経な質問をして
ハルト先輩とは
気まずくなってしまって、
あれから話せていない。

ハルト先輩、
振られちゃったんだ・・・

面白くて、やさしくて、
かっこいいハルト先輩の魅力が
ユア先輩には伝わらなかったのか・・・

ハルト先輩のいいところなら、
あたし、いくらでも
思いつくのに・・・

ハルト「クールーミッ！」

クルミ「ハルト先輩!?
どうしたんですか？」

ハルト「俺さ、新しく
好きな人ができた」

クルミ「よかったですね！
誰なんですか？」

ハルト「クルミだよ」

クルミ「クルミですかー！
もしかして、
あたしですか!?」

冗談めいた口調で
問いかけてみる。

ハルト「そうだよ」

冗談じゃなかったー!?

ハルト「俺の恋、
自分の恋でもないのに
真剣に応援してくれたし、
俺にかっこいいって言ってくれたの、
クルミだけだから。
つきあってほしい」

クルミ「はい！
あたしも、口では告白するの
恥ずかしいーって言いながらも
ちゃんと告白したハルト先輩を
尊敬すると同時に
好意も抱いていたので・・・
よろしくお願いします！」

キューピッドだって
恋をするんだね！

＊ｅｎｄ＊