桜の花びら、舞う日
作者:さちたん
「追いかけるよ。必ず」
桜が舞うなか、遼介とふたり
涙をこらえながら
違う方向へ歩き出す。。
・*・―――・*・―――・*・
いつも変な夢を見る。
幼なじみの、
遼介が居なくなる夢・・・
そんなわけないのにね。
私と遼介は小さい頃から
仲のいい幼なじみ。
ケンカすることも沢山あったけど、
まぁ、仲良くやってます!
って、時間やばっ!
遅刻じゃん!
遼介「おー、優等生のクルミちゃんが
遅刻ですか?」
「はー? てか、
遼介は完全な遅刻魔でしょ!」
遼介「バレちゃった?」
「もう、行くよ!」
遼介の腕をとって走り出す。
キーンコーンカーンコーン。
「なんとか間に合った。。」
遼介「はぁ。はぁ。速いんだよ!
陸上部の部活バカが!」
「酷くない?
私のおかげで遅刻せずに
済んだんだからね?」
リリカ「今日も仲いいね。
幼なじみ同士」
親友のリリカが
いつもどおりイジってくる。
「仲よくないから。こんなヤツ」
リリカ「そう?」
そんな感じで
1時間目が始まった。
先生「高校1年生だからって
甘く見てはならない。
この先、どの大学に行くのか、
もしくは就職するのか、
そういうことも決めなきゃならない。・・・」
この先か・・・
リリカは確か
モデルになりたいって
言ってたよな。。
私の将来か・・・
考えたことなかったな・・・
この高校もリリカに
ついてきた感じだし。。
そろそろ決めなきゃな。。
そういえば、
遼介はどうなんだろ。
聞いたことないな・・・
決まってないとか?
リリカ「この先か・・・」
「リリカは、モデルだもんね!」
リリカ「無理だよ。。
売れる売れないの世界だし、
私以上に可愛い子なんて
いくらでもいるからさ」
「じゃあ、何にするの?」
リリカ「裏方だけど・・・
モデルを輝かせてるのって
お洋服だと思うんだよね。
だから、スタイリストになりたいなって」
「いいね! それ!」
リリカ「クルミは?」
「私は・・・」
何になりたいんだろう。。
遼介「俺は、スーパーの店員だな」
リリカ「スーパーの店員?笑」
遼介「スーパーの店員って
意外とすげーんだぜ」
私の夢か・・・
家に帰っても、
将来のことをずっと考えた。
「私、一体何やってるんだろ。。」
*。・ 次の日 ・。*
「先生。私には夢がありません。。」
先生「そうか。
でもな。気づいてないだけで、
実は、夢があったってこともあるんだ。
今、稲垣が好きなことや、やりたいことを
夢にしてもいいかもな」
好きなことか・・・
リリカ「ねぇねぇ! クルミ!」
「どうしたの?」
リリカ「遼介くん、2年生になったら、
東京行くんだって」
「は・・・?」
リリカ「11月ぐらいに
芸能事務所にスカウトされたんだって。
そこ、沢山のアイドルグループを
出してるところなんだよ!
すごいよね。・・・」
リリカがしゃべってくれてたが、
そんなの耳に入らなかった。
遼介はなんで
秘密にしてたの・・・?
なんで・・・?
遼介「おー、クルミ!」
「なんで??」
遼介「はっ?」
「なんで東京行くこと
黙ってたの・・・」
遼介「それは・・・」
「遼介の嘘つき!
もう、知らないから・・・」
遼介「まって! クルミ!」
・*・―――・*・―――・*・
それから、数ヶ月たち、
今日は終業式。。
明日、遼介は東京へ行く。。
あれから、私は
遼介を無視し続けた。
終業式が終わって家に帰ってからは、
モヤモヤした気持ちが
ずっと頭の中を回っていた。。
このまま、お別れでいいの?
仲直りしなくていいの?
やっぱり・・・
ピーンポーン。
ガチャ。
遼介「クルミ・・・」
「久しぶりだね・・・」
近くの公園に行ったものの
話は全然できなくて
がんばって話しかける。。
「遼介・・・」
遼介「んっ?」
「明日・・・だよね。
頑張ってね・・・」
遼介「うん。あのさ・・・」
「?」
遼介「あの時、黙ってたのは、
クルミを傷つけたくなかったんだ。
2年生になったら
東京に行くって言ったら、
クルミ、絶対泣くだろ」
「そうだね・・・泣」
遼介「泣くなって!」
「ごめんね。
私の勘違いで・・・」
遼介「俺さ、クルミのこと
好きだった」
「えっ・・・」
遼介「ずっと前から。
アイドルになったら
恋愛できなくなるから、
ほんとは断るつもりだったんだ。
だけど、アイドルとか夢だったし。。」
「いいんだよ!
だったら、私、芸能界に
遼介追いかけに行くから!
絶対に!」
遼介「それって・・・」
「私も好きだよ!
遼介のこと。
何年たっても必ず
遼介追いかけるから!」
遼介「ありがとう」
・*・―――・*・―――・*・
次の日、遼介は
東京に行ってしまった。
でも・・・
必ず芸能界に行ってみせる。
何年たっても。。
追いかけるよ。いつまでも。
・*・―――・*・―――・*・
そして今、私は
カメラの前にいる。
カメラマン「いいね。
クルミちゃんと遼介くん
もうちょっと近づいてみようか。
OK。ありがとね」
君を追いかけて5年・・・
やっと追いついた。。
その日も5年前と同じ、
桜が美しく舞う日だった。
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
稲垣 来泉

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