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余命半年の私と君が結ばれるまで

CAST松尾 そのま松尾 そのま

作者:あんバターねこトースト

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.09.25

「・・・余命半年だって
お医者さんが・・・」





え? 私、死んじゃうの?







* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





松尾そのま。14歳。
中学2年生。





持病を持っており、
小学6年生で
体調が良くなったため退院。





去年、中学1年生で
ニコラ学園に入学。





入学式の最中に
突然倒れてしまい、
大きな病院に運ばれた。





原因は、持病の悪化。





それからずっと
病院で入院している。





なので、学校には
まだ1日というか
半日しか行っていない。





そのま「早く入院生活
終わらないかなー」





先生「なに言ってんの。
そのまさんは、入院しないと
危ないの!」





そのま「ケチー」





先生「コラ!
そんなこと言わない!」





そのま「はーい」





入院生活は、ひまだ。





この病院では、
言い伝えがあるらしい。





屋上から流星群を
大切な人と見ると、
奇跡が起きるって。





前に、助からないと
されていた人が
今でも生きているって噂。





私はとにかく早く
退院したい。





でも先生や、同じように
病気を持っている子との
会話は楽しい。





ひめの「ほーらー、
からかわないのー!
安静にしなきゃ
退院できないよ?」





そのま「それはやだわ~」





ひめの「だと思った笑」





ひめのは、たまたま
私の向かいにいて、





それから少しずつ
仲良くなって、
今では親友!





実は、ひめのは
私が病院に来る前から
この病院にいる。





大きな病気を持っていて
長いこと入院しているんだ。





でも最近は
体調が良くなってきて、





あと少しで
退院ってところまできてるの!





そのま「ひめのが退院したら
寂しいわ~」





ひめの「ちょっとまだ
全然先の話でしょ?」





そのま「案外近いかもよ~」





ザワザワッ





そのま「な、なに!?」





ひめの「多分誰か
運ばれてきたね・・・」













― 1時間後 ―





そのま「だいぶ静かになったね」





ひめの「そうだね」





先生「はーい、入るよー」





ガラガラッ





先生が、車椅子に乗った男の子を
連れてきた。





誰だろ。





先生「はい、ベットに横になって」





男の子が
私の隣のベットに
横たわった。





顔の形が
すごく凛としてる・・・





先生「この子、新しい子ね。
名前は、ゆあんくんね。
仲良くしてあげて」





ガラガラッ





そのま「えっと、
先生いなくなったし、
気軽に話そ!」





ひめの「私は、ひめの!
で、こっちがそのま!
よろしく!」





ゆあん「・・・よろしく」





シーン・・・





そのま「話題話題!
えーとー、なんで
この病院に来たの?」





ひめの「ちょっと!
それは、今聞くタイミング
じゃないよ!」





ゆあん「ねぇもし、突然
病にかかって
余命半年の宣言されたら
どうする?」





そのま「えっ・・・えっと」





ゆあん「このまま
病院にいるだけの生活で
人生を終える。
俺にとっては苦痛だよ。
学校にも行けない、
友達とも会えない」





ひめの「そ、それは・・・」





そのま「いや、違うでしょ」





ゆあん「は?」





そのま「だって、こんなにも
可愛い女の子たちがいるんだよ!?
ポジティブに考えないで
どうすんのよ!?」





ゆあん「・・・ぶはっ 爆笑」





ひめの「爆笑」





え? え?
なんで笑ってるの?





ゆあん「ありがと。
なんか元気でた」





そのま「それはそれは
どういたしまして!!」





ひめの「・・・」













― ある日 ―





そのま「おはよー、ひめのー」





シーン・・・





あれ? いない?





ゆあん「あいつなら
もういないぞ」





そのま「え?」





私の中で
嫌な予感がする。





ゆあん「これ、手紙。
渡してほしいって」





そんなわけないよね。
そんなわけ・・・





―――――――――――――――――
そのまへ

勝手にいなくなってごめんね。
そのまにはどうしても
伝えたくても伝えれなくて。

実は、親の仕事の都合で
引っ越すことになったの。
しかもこの病院からは遠いところ。

深夜に体調が悪化して、
そこにはいい病院もあるから
いますぐに行った方がいいって言われて。

多分、そのまが起きたころには
もう私は遠う病院にいると思う。
体が治ってもないのに
勝手にいなくなってごめんね。

さよならも言わなくてごめんね。
ずっと親友だよ。
よかったら連絡してね。

           ひめのより
―――――――――――――――――





そのま「・・・だぁ・・・嫌だぁ」





謝らないでよ。
私はもっとひめのと
しゃべりたかったよ。





寂しいよ・・・





ゆあん「・・・なぁ、
それは違うだろ」





そのま「え?」





ゆあん「ひめのは行っても
俺はいるだろ?
ひとりじゃない分いいだろ」





ドキッ





そのま「もう! なんなの?
決め台詞?笑」





なんなの!
最近ゆあんと話すと
ドキドキ? する。





ゆあん「そうだとも」





そのま「笑 ありがと」





なんか初めてゆあんと
会ったときを思い出すなー。





あれっ





そのま「なんで最初きたとき、
ゆあんって退院したかったの?」





なんか微妙に
友達に会いたいとかとは
違う気がする。





ゆあん「あー・・・実は
人を探してて。
一目惚れっていうか」





ズキッ





そのま「うわぁー
青春してんねー」





ゆあん「入学式初日なんだけど、
教室がどこか分からなくて
迷子ってて。
そのときに女の子が通りかかってさ、
『あっ! 君、もしかしてゆあんくん?
探したよ! 教室はこっち!』
俺がいないことに気づいた先生が
その子に頼んで一緒に探してたらしくて。
教室まで連れて行ってくれたんだ。
それでもう一回会いたいなって」





モヤモヤ





そのま「ゆあんって
迷子になる系男子なんだ~
意外だわ~」





ゆあん「うるせぇ笑
ここだけの話、
雰囲気がすっごい
そのまと似てるんだよなー」





そのま「まさか。
私はニコラ学園だよ?
ありえない」





ゆあん「待って!!
ニコラ学園?
俺もなんだけど?」





そのま「え?」





誰かを助けてあげたような
記憶はあるけど・・・
本当に?





だとしたら・・・





ガラガラッ





先生「そのまさん、ちょっといい?」





そのま「はーい。
ちょっと行ってくるね」





先生「すごい言いにくいんだけど
体調が良くないの」





そのま「そんなわけないよ!
こんな元気だし!」





先生「それで・・・
余命半年だって
お医者さんが・・・」





え?
私、死んじゃうの?





そのま「な、なにかの
間違いだよ!」





先生「あ、ちょっと待って!」





そんな
私がそんなわけ・・・





ひめの・・・





・・・プルルップルルッ・・・
ガチャ





ひめの「そのま・・・ごめんね」





そのま「全然いいよ!
ひめの自身のことだし」





ひめの「ありがとう・・・そのま?
ねぇ、顔色悪いよ?
どうしたの?」





そのま「実は・・・」





私は余命半年のこと、
ゆあんと話すと
ドキドキすること・・・





とにかくたくさん話した。





ひめの「そっか・・・
私なんかじゃ力になれないね・・・」





そのま「こっちこそ!
力になれなくてごめんね」





ひめの「全然!
あ! ひとつだけ
力になれるよ!」





ひめの「ドキドキするのは
もうそれは恋だよ!!
ゆあんに告っちゃえ!」





はぁ!? 私が恋!?
ゆあんに!?





そのま「えぇ無理無理」





ひめの「言い伝えを試してほしいの。
私が力になれるのは
これしかないし・・・」





言い伝えを試す・・・





簡単そうで
簡単じゃない。





病院の先生に
見つかってもいけない、





そして、自分の体調面も
心配しないといけない。





しかも、私たちの部屋は5階。
屋上は7階。





そこまで階段で
のぼるしかない。





そのま「けっこう難易度高いよ・・・
ありがと、考えとく」





ひめの「ゆあんとの恋
叶うといいね!!
じゃあね」





そのま「じゃあね」





告白・・・
いきなりは無理かな・・・





ガラガラッ





ゆあん「遅い。
心配させるなよ」





そのま「ごめん。
率直にいうね、
隠すのは嫌だから」





ゆあん「ん? あ、うん」





そのま「・・・余命半年だって」





ゆあん「・・・そっか・・・」





そのま「・・・」





ゆあん「なぁここって
言い伝えあるよな?
一緒にみないか? 流星群」





そのま「え?」





ゆあん「俺、そのまのこと
好きだし」





そのま「!」





ゆあん「俺と付き合ってください」





そのま「うん//」





ゆあん「明日は流星群だって」





そのま「決行は、明日の夜一択だね」





そのま「私もゆあんも
余命半年の力で
階段のぼれるのかな・・・」





ゆあん「のぼろう。
俺たちで未来をつかもうぜ」





そのま「また決め台詞?笑
私もそう思ってた!」













― 次の日 ―





ふわぁ、眠い。





ゆあん「おは」





そのま「うわ!?
びっくりした~!」





もう、昨日のことがあってから
心臓バクバクだよ!!





ゆあん「今日の夜、頑張ろーな」





そのま「もちろん」













― 午後6時半 ―





先生に見つかったら
全てが水の泡。





そのま「こっちいないよ」





ゆあん「こっちも」





先生もいなかったし
あとは階段を登るだけ!





フラッ





ゆあん「あぶね」





そのま「あ、ありがと」





あとちょっとで屋上!





絶対に生きるんだ!
半年よりももっと!





ガチャ





そのま・ゆあん「お、屋上だあー!」





や、やっと登れた・・・





そのま「ねぇ、見て!」





空に広がる流星群・・・





そのま「綺麗・・・」





ゆあん「流星群もきれいだけど
そのまの方がきれい」





そのま「ちょっと!
恥ずかしい//」





ザワザワッ





ゆあん「そろそろ
戻らないとやばいな」





そのま「そーだね」





ガラガラッ





ゆあん「よし、だれもいない」





そのま「また明日、
おやすみ」





ゆあん「おやすみ」













― 3日後 ―





そのま「ゆあん!」





ゆあん「そのま!」





そのま・ゆあん「退院!」





なんと3日後、





余命半年としかない
私とゆあんが





普通の人と同じ生活に
戻れるようになった!













― それから半年後 ―





ひめの「そのま、ゆあん!
聞いて!
退院することが
決まりましたー!」





そのま「ほんと!?」





ひめのの退院が決定。





そして、ニコラ学園に
転校してくることに!





ひめの「ひめのです!
よろしく!」





そのま「会いたかったよぉー!!泣」





ゆあん「笑笑」





今、本当に私は幸せです//







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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