夏に芽吹く私たち

CAST松尾 そのま松尾 そのま

作者:くりくり

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.04.01

梅雨が終わり、本格的に
夏になり始める頃のこと。





キーンコーンカーンコーン





先生「はい、
じゃあ松尾さん
入ってきてー」





先生がそう言った後、
クラス中にざわめきが響く。





そのま「はい」





私は教室に入った。





先生「じゃあちょっと
自己紹介してくれる?」





そのま「大阪から来ました。
松尾そのまです。
今日からよろしくお願いします」





私は中学1年生。
4人家族で
姉のあんながいる。





父の転勤が決まったため、
大阪から引っ越してきた。





先生「じゃあそこの
黒澤くんの隣空いてるから
座って」





そのま「はい」





私は、窓側の
1番後ろの席に座った。





先生「はい、じゃあ
授業始めるよ~」





そうして授業が始まった。













・*。・ 下校中 ・。*・





今日、学校であったことを思い出す。





小説では転校生は
話しかけられるのが定番だけれど、
現実はそんなことないのかな。





それとも私に
興味がないだけなのかな。





なんてことを思いながら
1人寂しく下校していた、





その時だった。





??「あの、すいません」





そのま「はい」





思わず声が裏返ってしまった。





??「これ落としましたよ」





いつのまにか、リュックに
つけていたキーホルダーが
落ちてしまったらしい。





そのま「あっ、
ありがとうございます」





??「あ、じゃあ」





そう言って
名前のわからない彼は
そそくさと行ってしまった。





家に帰ってもずっと
彼のことを考えていた。













・*。・ 家 ・。*・





あんな「今日、学校どうだった?」





あんなが突然言ってきた。





そのま「うん」





あんな「友達できた?」





そのま「うんー」





あんな「じゃあ好きな人できた、とか?」





そのま「まぁー」





あんな「やっぱり!」





そのま「えっ!?
・・・・・えっ!?
・・・・何?」





あんな「いや、好きな人が
できたんでしょ?」





どうやら私は
彼のことを考えてたら
知らずに返事をして
しまったらしい。





あんな「だって、
私が何を言っても上の空だし、
急ににやけてたもん!」





そのま「え!
私、そうだった?」





あんなは頷いた。





あんな「もしかして一目惚れ?」





そのま「うん・・・」





あんな「いーなー。
私もしたーい!」





あんな「明日、その彼に
話しかけてみなよ!」





私は姉に押されて
話しかけてみることにした。











・*。・ 学校 ・。*・





そのま「あっ、おはよ」





??「おはよー」





そのま「あっ、もしかして
昨日キーホルダー
拾ってくれた?」





??「うん」





そのま「ありがとう」





??「たしか・・・・
松尾さんだよね?」





そのま「はい」





??「わからないことあったら
なんでも聞いてね!
ちなみに俺は、黒澤諒。
呼び捨てでいいよ」





そのま「うん、ありがとう」





そんなこんなで私たちは
仲良くなっていった。





でも、まだ自分の気持ちを
伝えられていない。





もちろん友達もできた。





ひなのという親友がいる。













・*。・ 学校 ・。*・





・4時間目終わり・





キーンコーンカーンコーン





諒「テスト勉強どう?」





そのま「んー、まあまあかな」





諒「ね、今日放課後
勉強会しない?」





そのま「うん! やろう!」





私の前の席の りりかが
不敵な笑みを浮かべていることを
わたしはまだ知らなかった。





ひなの「そのまー!
屋上でご飯食べよー!」





教室のドアから
顔をのぞかせて言った。





そのま「うん! 今行く!」













・*。・ 放課後 ・。*・





りりか「松尾さん、、」





そのま「あっ、はい」





りりか「ちょっと来てくれる?」





そう言って私を
体育館裏に呼び出した。













・体育館裏・





りりか「ねー、私の諒くん
取らないでくれる?」





そのま「え・・・・」





りりか「転校生だからって
気取ってんのか知らないけど、
私が諒くん好きなの知ってるよね?」





そのま「・・・・」





りりか「今度から諒くんに
近づかないでね。
今日の勉強会も断って」





えっ、なんで勉強会のこと
知ってるの・・・・





私はただただ
うなずくことしか
できなかった。





そのときだった。





諒「そのま!」





そのま「あっ、諒くん」





りりか「諒くん?!」





諒「さっきから聞いてたけどさ、
りりか何やってるの?」





りりか「いや・・・・
あの・・・・
これは・・・・」





諒「もう、りりかのことはいいから、
そのま教室戻ろう」





りりか「待って、諒くん!」





りりかは呼びかけたが
諒は振り向きもしなかった。













・*。・ 教室 ・。*・





諒「ごめんね。
大丈夫だった?」





そのま「ちょっと怖かったけど、
全然大丈夫。
あっ、なんで私があそこにいるって
わかったの?」





諒「俺がそのまを勉強会に誘うとき
りりかがなんか変で・・・・
前にもこういうことが体育館裏で
あったから、
もしかしたらって・・・」





そのま「ありがとう」





諒「気にしないで」





そのま「じゃあ勉強会始めよっか!」





諒「待って」





そのま「ん?」





諒「俺と付き合ってください!」





そのま「もちろん」





諒「ホント? よっしゃー!」





私にとって最高の
中学校生活がスタートした。







*end*

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