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意地悪な犬系彼氏と怖がり彼女と親切な友人たちの物語。

CAST松尾 そのま松尾 そのま

作者:まるぱん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.02.21

あたし、ソノマ!
かわいいものが大好きな
普通の中学2年生の女の子だよ!





だけど、怖いものが苦手・・・





リアルなものから、
おばけ、幽霊の類まで・・・





今日はあたしが通う学校、
ニコラ学園の文化祭。





いろんな屋台がいっぱいで
わくわくする!





どこから回ろうかなー。





りんごあめや、あんずあめを
食べたいし・・・





でも、定番のたこ焼きや
焼きそば、お好み焼きも
食べたいし・・・





射的も楽しそうだし、
金魚すくいだって
やりたいし・・・





あ、お化け屋敷は
怖いからやだな。





幼なじみのナツなら、
あたしのこと速攻連れて
行こうとすると思うけど・・・





ナツには、出会わないように
しないと。





だけど、私は風紀委員長。





文化祭での生徒の秩序を
守るため、学園内を
パトロールしなくてはいけない。





つまり、ナツに
出会ってしまう確率が
高まってしまう・・・





でも、他の風紀委員に
仕事を押しつけるわけには
いかないし・・・





ああ、何も考えずに
楽しんでいる生徒たち、
楽しそうだな・・・





あたしもあんな風に
無邪気に楽しめたらなあ・・・





ナツ「よー、ソノマ!」





1番会いたくない人が来た・・・





出会ったんじゃなくて、
「来た」・・・





神様のケチー!





ナツ「何この世が
終わったような
表情してんだよ」





いや、だって、
あなたと出会った時点で
終わったも同然でしょうが・・・





ナツ「じゃ、
お化け屋敷行くか!」





ほらー!
やっぱ終わったわ!





ソノマ「えーっと、ごめんね?
あたし、見回りしなきゃ
いけなくて・・・
お化け屋敷は
行けないなあ・・・」





ナツ「昔っからソノマは
そうやって逃げる!
そんなカタいこと言わずに
行こうよー!」





ソノマ「仕事サボったら
ダメなのー!」





ナツ「すぐ終わるから
だいじょうぶだってー!」





ソノマ「もう無理ー!」





雲ひとつなく
文化祭日和な青空に、
風紀委員長、
松尾そのまの嘆きが
響きわたったのであった。





ナツ「おっ、着いた!」





もうやだよお・・・





ナツ「廃病院の遺体安置室で、
受付でわたされるろうそくを置いて
戻ってくればいいんだって!」





ナツの恐ろしい説明が
耳に届く。





ソノマ「あたし、
外で待ってるね・・・」





ナツ「せっかくここまで
きたんだし、
一緒に行こうぜー?」





ヒナノ「何名様ですかー?」





ナツ「2名でー!」





あたしを数に入れないでー!





ジャジャジャジャーン。
と、どこかで聞き覚えのある
有名な効果音が脳内で鳴る。





ヒナノ「じゃ、行ってらっしゃーい!」





有無を言わさず
連れて行かれるあたし。





ソノマ「目も耳も塞いでるから、
引きずって行って!」





ナツ「無理だよ!
ろうそく置きにいかなきゃ
行けないし!
スポットもコンプしたいしさ!」





ソノマ「ナツはさ、心霊現象だ、
怖いものだ、って
あたしが怖がってるのに
自分のことばっかりでさ、
もう、嫌になっちゃう!」





ダッ





ナツ「ソノマ!」





感情が沸点を突破して、
かけ出してしまった。





ふと我に返って、
絶望する。





ナツは・・・いない。





オワッタ・・・





辺りを見回すと・・・





受付と書いてあった。





その時、受付に
看護師さんの
格好をした人が現れた。





リリカ「うぅーらぁー
めぇーしぃーやぁー!」





ソノマ「ぎゃああああああああ
あああああ!」





そういえば、受付で
「うらめしや」って
言うもんだっけ!?





もう、なんか、
なんでもありな世界線に
なってきていない!?





本日2度目、松尾そのま、
いちもくさんにかけだしました。





看護師の幽霊も
追いかけてくる。





ちょっと、
驚かせるためにスタンバイ
しとかなくていいの!?





死ぬ気で逃げて、
曲がり角を曲がると・・・
放置されていた
車椅子にぶつかって転んだ。





恐る恐る後ろを見る。





良かった、看護師は
まけたみたい。





ふう。
だけど、どうやって
お化け屋敷から脱出しよう。





ルナ「どうしたの?」





ニコラ学園の制服を
着てる子だ。





つまり、あたしと
同じ学校の子?





ソノマ「透けてる!
あなた、人間じゃない!?」





ルナ「うーん、内緒ー!
何かあったの?」





ソノマ「あたしね、怖がりなの。
でも、幼なじみの男子に
無理やりお化け屋敷に
連れてこられて・・・
幼なじみの男子とは
はぐれてしまって、
出口が分からないの」





ルナ「出口はこっちだよ!
私についてきて!」





ソノマ「ありがとう!
あ、でも、
ろうそくどうしよう!」





ルナ「あなたを送ってから
私が置きにいってくるよ!」





ソノマ「本当にありがとう!
そういえば、あなた、
名前はなんて言うの?」





ルナ「ルナだよ!
あなたは?」





ソノマ「ソノマだよ!」





そんなことを
話しているうちに
出口に着いていた。





ソノマ「また会ったら
話そうね!」





ルナ「うん!
・・・会えたらね」





ルナに送ってもらって
外へ出ると、
ナツとヒナノが驚いた顔で
あたしを見ていた。





ヒナノ「リタイアの出口は
あたしのクラスの子たちしか
知らないはずなのに、
どうして別のクラスのソノマは
リタイア口から出てきたの?」





ソノマ「ルナって名乗る子が
助けてくれたんだ!」





ヒナノ「ルナ?
うちのクラスにルナって
子はいないわよ?」





ナツ「ルナ・・・
俺のクラスにいるかも。
黒髪のロングヘアで色白な・・・」





ソノマ「そう、その子!」





ヒナノ「ルナがナツのクラスにいても、
お化け屋敷には1組ずつしか
入場させてないから、
お化け役の子以外いないはずだけど・・・
ましてや他クラスの子はいないはず・・・」





ルナって何者!?





ナツ「あのさ、ルナは
事故にあって、
今は新潮病院に入院してて、
まず学園内に
いるわけないんだが・・・」





ソノマ、ヒナノ「ええっ!?」





えっと、ルナは、幽霊・・・?





えーっ!?





そんな感じで
波乱の文化祭は幕を閉じた。





ナツ「なあ、ソノマ」





ソノマ「何よ!
お化け屋敷、
本当、怖かったんだからね!」





ナツ「ごめん。
今ソノマのこと呼び止めたのは
お化け屋敷でのことあやまることと、
もう1つ言わなきゃいけない
ことがあって」





ソノマ「何かあったっけ?」





ナツ「ソノマのことが好きだ。
笑ってるとこも、
怒ってるとこも。
お化け屋敷では、
怖がってるソノマもかわいくて、
ついついからかってしまった。
本当にごめんな」





ソノマ「ナツ趣味悪っ!
ナツとつきあってくれる
女子なんて、あたししか
いないんだからね!」





ナツ「て、ことは、
つきあってくれるのか!?」





ソノマ「って、
言ってるでしょ!」





めでたく、松尾ソノマ、
交際を開始しました!













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





数日後。





ルナ「ねえ、あなた、
ソノマじゃない?」





誰?





ソノマ「ルナ!?
ルナなの!?」





ルナ「そうだよ。
文化祭の日に
お化け屋敷で出会った
ルナだよ」





ソノマ「生きてたの!?」





ルナ「もー、勝手に
死んだことにしないでよー(笑)」





ソノマ「どうして私が
ソノマだって分かったの!?」





ルナ「だからさ、
お化け屋敷で会ったじゃん。
あの時の私は
幽体離脱? な感じ
だったみたい」





ソノマ「幽体離脱!?」





ルナ「うん。
病院でヒマだなーって
思っていたら、
気づいたらニコラ学園にいた。
で、文化祭やってるじゃん、
楽しそう! って感じで」





ソノマ「幽体離脱って
本当にできたんだね」





ルナ「私もびっくりだよー」





ソノマ「またルナに会えて、話せて、
うれしかったよ!」





ルナ「私も!」





リリカ「やっほーソノマ!
・・・と、誰?」





ルナ「白尾留菜です。
あなたは?」





リリカ「梨里花だよー!」





ルナ「リリカかあ、
かわいい名前だね!」





リリカ「ありがと!
ルナっていうのも
かわいい名前だと思うよ!」





ルナ「ありがとう!」





リリカ「いやー、
文化祭のお化け屋敷では、
ソノマ、
驚かしがいがあったよー」





ソノマ「どこのお化け役だったの!?」





リリカ「受付」





ソノマ「しつこく
追い回してきたよね」





ルナ「そうだったよねー。
必死で半泣きで逃げてたソノマが
車椅子に激突して転んで、
私が助けたってわけ」





リリカ「しつこいは、余計!」





ソノマ「半泣きは、余計!」





リリカ「でもあの時さ、
私とソノマしかいなかったよね。
ルナ、いなかったよ?」





言っていい?





ルナにアイコンタクトを送ると、
ルナがうなずいた。





リリカにも
話していいみたい。





ソノマ「ルナは事故にあって、
病院に入院していたの。
で、入院生活が退屈になって、
ヒマだなーって思っていたら
ニコラ学園にいたんだって。
ルナは幽体離脱していて、
幽霊みたいな状態でいたみたい」





リリカ「えーっ!?」





ソノマ「そういえば、
あの後、病院に戻れた?」





ルナ「戻れたよー!」





ソノマ、リリカ「良かった!」





ルナ「そういえばさ、
あそこの廊下の角から
男の子がずっとのぞいてるけど、
ソノマかリリカの彼氏?」





ナツ!?





リリカ「私、彼氏いないよ・・・
ってことはソノマ、
彼氏いるの!?」





ソノマ「うん・・・
ナツとおつきあいしています」





瞬間、
あたしとナツの顔が
発火する。





ルナ「2人とも照れてるー」





リリカ「私も早く
彼氏欲しいなー」





ソノマ「ルナもリリカも
かわいいんだから、
候補は山ほどいると
思うけどなあ」





ルナ「ってことはともかく!」





ルナ、リリカ「早く彼氏のとこ
行けーっ!」





ソノマ「きゃーっ!」





キラーン!
あたし、松尾そのまは、
親切な2人の友人によって、
彼氏のところへ
ぶっ飛ばされましたとさ。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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