転生したら恋で忙しかった件。
作者:あんバターねこトースト
・・・あれっ、
ここ・・・は?
・・・家?
誰の部屋?
???「朝だよ、起きな!」
そのま「え? だれ?」
朝?
昼じゃなかった?
たしか・・・
イタタっ・・・
頭痛がひどい。
???「遅刻するぞ!
早くしろ!!」
バンッッ!!
そのま「はあぁい!?」
──────────────
──────────
──── 回 想
私は地味で、友達もいない
中学2年生だった。
松尾そのま、14歳。
授業では手を挙げず集中し、
休み時間は本を読み、
ひとりぼっち。
だれかと一緒に遊ぶ子が
うらやましかった・・・
友達が欲しかった。
コミュ力もない、
人見知りの私に
できるはずがなかった。
そんなある日、
だれかに
声をかけられた。
『変わりたくないか?』
男の人、
年寄りでもない、
若くもない普通の男性。
でも、ひとつだけ違った。
・・・角が生えていた。
その男性の言葉に
私はうなずいた。
警戒もせず、
その男性について行った。
光が見えてきた。
見えないくらいの
まぶしい光。
『新しいあなただよ。』
私はその言葉を
最後に聞いて
光の中へ入って行った。
回想終了 ──────────
────────
──
そして、今に至る。
そのま「はあぁい!?」
でてきたのは親でもなく、
知り合いでもなく、
角が生えた化け物!?
そのま「ぎゃあァァァァァァァ!
バケモノぉぉー!!」
母親(らしい)「何言ってんだ、
母親に!!
とっとと準備しな!」
この人が母親?
準備?
そもそもここどこ?
あっーもう! なに!?
そのま「・・・ちなみに
準備って・・・?」
母親(らしい)「はぁ!?
あんた自分で
ニコラ学園行きたいって
言ったじゃないの?」
にこら学園?
なにそれ?
母親(らしい)「もういいわ、
お遊びはいいから
ささっとしな!!」
そのま「すみませんでしたァァァァァ!」
だいぶ怒ってるっぽい・・・
やばい。
なんでもいいから
早く準備とやらしよー・・・
???「そのま~行くよぉ~」
だれ?
一緒に行く人かな?
母親(らしい)「ほら、ふたばちゃん
待ってるよ! 早く!」
そのま「は、はい!
行ってきますぅぅ!」
ふたば「そのま遅い~」
そのま「すみません・・・
ところであなた、誰?」
ふたば「そのま、大丈夫そ?
ふたばだよ、
ふわふわ・きゅーと・ふたば!」
ながくね?
名前、外国人?
とりあえず
呼び捨てでいーや。
そのま「ふたば、
私の名前は?」
ふたば「すまいる・はっぴー・
そのまでしょ?
急にどうしたの?」
ここは、
正直に言うべきか・・・
そのま「実は、記憶がなくて・・・
これまでの経緯? みたいなの
教えてくれない?」
ふたば「そのまは、ドジだな~、
いいよぉ~。
うーんとね、・・・」
話をまとめると、
今から行くのは
ニコラ学園という
超有名な名学園。
ある日、少し遠くに
住んでいた私が
ニコラ学園に行くために
引っ越してきた。
ふたばは近所で
特に仲が良い友達で
他にも私には
すごい人数の友達がいるらしい。
ふたばは
隣のクラスだけど
休み時間で
毎回会うぐらいの仲。
ふたば「って、感じだよ~」
そのま「あ、ありがとー」
ど、ど、どうしよお!?
私コミュ力ないし、
そもそも全然ここについて
知らない。
もしやのもしや、私・・・
転生した?
(今さら気づくいた)
そのま「うええぇぇぇぇ!?」
まじで?
あの陰キャから卒業したの?
ふたば「ど、どうしたの!?
もう着いたよ?」
えっもう・・・
そのま「うええぇぇぇぇ!?」
でででかすぎない?
にしてもピンク、ピンク
・・・ピンク多いな。
そのま「めっちゃ
ピンクじゃない?」
ふたば「だって
恋を叶えるための
学園だもん!
当たり前だよ!」
なぜかしら、ふたばは
興奮してる・・・
とりあえず、がんばろ・・・
・*。 in the classroom 。*・
ついに嫌いな自己紹介。。
ふたば「いい?
自己紹介はね、明るくだよ!
じゃないとモテないし
卒業できないから!」
ふたばが言ってた通りに
がんばろ。
変わるって決めたの
私だし。
そのま「すまいる・はっぴー・
そのまです!
よろしくお願いしますっ!」
みんな「おおぉぉ!」
パチパチッ!
すんごい拍手・・・(照)
先生「そのまは、
はるとさんの隣ね」
はると「よろしくっ、そのま!」
そのま「よろしく!」
はると(良さそうなのがきたきた)
先生「じゃ、授業やるよー」
・*。・ 昼休み ・。*・
ふたば「どう?
初めての授業?」
そのま「・・・全然分かんない。
国語とか数学とかないの?」
ふたば「こくご? すうがく?
なにそれ?
ニコラ学園の教科は、恋だけだよ」
嘘・・・
みんな分かるかい?
男子に興味がなく、
勉強に集中していた子が
急によく分からない教科
1科目に集中しろという
状態になった気持ちが・・・
ふたば「そーいえば明日
恋テストだよ?」
そのま「こいてすと?」
説明しよう!!!
恋テストとは、
ニコラ学園で行われる
週に1回
1000問あるテスト。
学園内でのモテ度、
恋愛理解、恋技術の
3分野が順位にだされる。
優秀者の1~3位には
恋を叶えるための
特典があるらしい。
なので、学園のみんなは
ガチモード・・・らしいです。
そのま「私には1位なんて
夢のまた夢よ」
ふたば「そう~?
目の前に3位いるけど」
ふたば3位なんだぁ・・・ぁ?
そのま「ふたば3位!?」
ふたば「まあね」
ふたばが3位なら
1位狙えるのでは・・・?
ふたば「私が3位だからって
1位は無理だよ?
他の人の意見も入るし、
1位と2位が強敵だし」
そのま「ちなみに
1位と2位って?」
ふたば「それは・・・」
ピンポンパンポーン
「恋報、
ふわふわ・きゅーと・ふたば、
至急、予備聴覚室まできなさい。
繰り返します・・・」
ふたば「ごめん! 行くね~!」
そのま「う、うん!」
こいほう?
なんだろ?
「またふたばさん
呼ばれてるー」
「3位は大変だよねー」
「でも、何回も告白されるの
憧れるわー」
こくはく!?
すごいな、ふたば。
私も恋テスト頑張ろ!
はると「あれ? そのまじゃん」
あの人はー
はるとさんだ!
はると「今から
学食食べに行くけど
一緒にいかない?」
そのま「行く!」
ご飯には目がない!
ごはん、ごはん~
はると(にや)
はると「そんなに食べれるの?」
そのま「よゆーだよ!」
カレーにパン、ごはん、
サラダ、フルーツ、
スイーツ・・・
あといっぱい!
沢山食べるから
問題なし!
はると「ところでさ、
恋テスト
1位狙ってるの?」
そのま「え?
あーまぁ一応?」
はると「そっかー
じゃあライバルだね!
俺1位だから」
そのま「はるとさん
1位だったのかー納得!」
はると(反応うっす!
かっこいいとかないの!?)
はむはむはむはむ・・・
はると(なに、はむはむ
食べてるんだよ)
(引き立て役のつもりだったけど、
なーんか生意気でウザいなー)
そのま「ご馳走様!!
美味しかったぁぁ~!」
ジッッ
あれ?
なんか視線を感じる・・・
まぁいーや!
はると「すごいねー、おごるよ」
そのま「ありがとー」
はると(告白させて振って
天国から地獄に
突き落としてやる)
・*。・ 授業中 ・。*・
はるとさんが
1位だったのかー。
あれ?
じゃあ2位は、だれ?
ちょいちょい
反対の隣から?
そのま「なんですか?(小声)」
???「タイミングおかしいけど
名前(小声)」
紙をもらった。
かくれ・いけてーる・
いるま・・・?
そのま「いるまさん?
よろしく(小声)」
いるま「呼び捨てでいーよ、
よかったあ
変に思われないで(小声)」
どき
そのま「いるま・・・
よろしく(小声)」
いるま「よろしくっ、そのま!(小声)」
・* 放課後 図書室にて *・
なにこれー!
明日の恋テストのために
本読みにきたけど、
ずっーとどきどきが
止まらないんだけどー!
心臓爆発?
めっちゃ暑いし!
本読んでも
落ち着かないなんて・・・!
視線もすごいし。
ふたば「そのまっ~」
そのま「ふたばぁ~、助けてぇー!」
私は、いるまとしゃべってから
どきどきが止まらないこと、
はるとさんと学食を食べに
行ったこと、全部を話した。
ふたば「きっと、そのまは
いるまが好きなんだよ!」
そのま「そーかなー?」
恋って、したことないから
ある意味初体験だな~
ニコラ学園だと
そーゆうのって
当たり前かもな~
ふたば「頑張ってね!
恋も、恋テストも!」
そのま「う、うん!」
・*。・ 翌日 ・。*・
ついにテスト!
緊張ー。
いるま「がんばろーな」
そのま「うん!」
なんとなく
意識しちゃうー!
そういえば、いるまって
何位なんだろ?
そのま「いるまって
何位なの?」
いるま「2位だよ、
そのまも追いついてきてね」
そのま「2位!?
すごいねー
やる気出た、がんばる!」
先生「よーい・・・はじめ!」
モテ度 ────────
1.好きな食べ物
2.休み時間の過ごし方
3.・・・
あれ?
モテ度、意外に簡単。
100.○○さんは好みか
101.△△さんは好みか
102.・・・
ほぼ全員だれ?
恋愛理解 ───────
1.恋とは
2.目が合うとうれしいか
3.・・・
初体験だから
知らないってー!
恋技術 ───────────
1.異性をとりこにするものは
2.異性を落とすに必要なのは
3.・・・
だから・・・
初体験・・・だから・・・
知らないって・・・
先生「やめ!」
おほほ
全然できなかった・・・
いるま「どーだった?」
そのま「全然・・・」
はると「俺は、全部埋めたぜ」
こんなときに自慢かよ!
ほんとに1位!?
いるま「そんなときもあるよ、
僕もあんまり集中できなくて、
次がんばろ?」
そのま「ありがとう(にこっ)」
いるま(どき)
はると(いるま・・・邪魔だな)
・*。・ 昼休み ・。*・
ふたば「相変わらず食べるね~」
そのま「えへへ~」
「恋報、
かくれ・いけてーる・いるま、
至急、会議室まで来てください。
繰り返します・・・」
いるま!?
どーしよ告白されたら
取られちゃう・・・
ふたば「落ち着いて、
そのまの恋愛理解、恋技術が
すごい高い数値だとしたら
誰にもとられず、いるまは
断ってくれるはずだから」
そのま「わ、わかった」
ふたば「そういえば、
今日の午後発表だよ、順位!」
そのま「そーじゃん!
楽しみー!」
ふたば「そのまがこれで
1位だったらすごいねー・・・」
そのま・ふたば「まっ、
そんなことないだろうけど!」
・*。・ 結果発表 ・。*・
あれ?
いるまがいない。
早退なのかな?
先生「なんと、
今年は1位のみいる」
ザワザワ
うわー確定で
私、違うじゃん。
先生「1位は・・・」
はると(今年も俺で
そのまを落としてやんよ)
先生「すまいる・はっぴー・
そのまだ!」
・・・え?
「まじで!? すごーい!!」
「1年たたずに
1位とったの
そのまで初!?」
そのま「やったぁァァァァァァァ!!!」
はると(この俺が
この俺が・・・
1位じゃないだと?)
先生「他の人の順位
それぞれ配るよー」
はると(4位・・・)
先生「あれ?
いるまさんは?」
はると(やべっ、
忘れてた!)
────────────────
────────────
── はるとside 回想
はると「まじで!
そのまといるま
ウザすぎー」
んー
どうしたらいいかなー?
「恋報、
ふわふわ・きゅーと・ふたば、
至急、予備聴覚室まできなさい。
繰り返します」
これだ!
女装して、
先生に言って~
めっちゃとことん
進むじゃーん!
あとは、いるまを
待つだけ。
いるま「あの、いるまです。
入りますよ?」
きたきた
いるま「どうしたんですか?」
バサっ
いるま「なに!?」
でかめの
黒の毛布被せてー、
俺は外出てー、鍵閉めてー、
先生にNOと報告してー、
まじ俺、天才じゃん。
いるまー、会議室って
意外と寒いんだよ、
せいぜい毛布でくるまってな!
回想終了 ────────────
────────────
──
今に至る。
そのま「昼休みのときには
いなくて」
はると(よけいなこというな!)
先生「そうですか。
じゃあ先生は
防犯カメラみてきます。
みなさんは待ってて」
はると(どうしよー、
先生がカメラみたらバレるし、
好感度落ちる!!
認める?
それはそれでやだ。
今の選択肢は──
そのまを味方にすることだな)
そのま「いるま、大丈夫かなー?」
いるまが早退してないって
ことだよね?
先生なにも
知らなさそうだし。
1番怪しいのは・・・
って、分かるわけないや!笑
はると「そのま!」
ビクッ
そのま「なに!?
急に叫ばないでよ
びっくりするでしょ!」
はると「転校生として
この学園にきてから
一目惚れでした!
俺とつきあってほしい!
君を1番に考えたい!!」
急に告白、
なんかうそっぽーい。
うれしいかも
しれないけどさぁ、
全然うれしくない。
ザワザワ
そのま「うっーん、
ごめん。無理だわ」
はると「は?」
そのま「他に好きな人いるし!
今日告白するから無理!」
私、何言ってんだー!?
今日告白するし!?
ばかなこといって!!(泣)
先生「いるまさんいましたー。
さ、はるとさん
行きましょーか?(怒)」
はると「ひぃぃ」
はるとさんは
いったいなにをしたのか・・・?
いるま「迷惑かけてすみません」
そのま「全然だよ!
無事で良かった!」
本当に心配した。
・・・今しよう。告白。
今しかない。
そのま「いるま、急だけど
好きな人いる?」
ザワザワ
いるま「いるよ」
ズキ
いるんだ。
でも、私の気持ちは
伝わればいいんだ!
そのま「実はね、私は
優しく話しかけてくれて
ちょっと人見知りのいるまが
好きなの!」
いるま「・・・」
そのま「ちょ、なんか言ってよ!」
いるま「実は、僕も
君のこと好きだよ」
そのま「本当!?」
いるま「僕から言わせて。
僕とつきあってください」
そのま「よろしくお願いします!」
パチパチッ
そのあと
ふたばにも報告。
私の恋、第2の人生で
叶えることができました!
自分のやりたいこと、
友情のこと、
たくさんのことをまなびました。
みんなの恋も叶うといいな。
そして、
私は中学3年生を
卒業した。
大好きないるまと
手を取り合って
帰り道を歩きます。
―the end―
ちなみにはるとさんは
退学処分となり
遠くの学校に通ってるそうです。
彼女ができたとか
できなかったとか。
松尾 そのま
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