今だから言える『愛してました。』

CAST稲垣 来泉稲垣 来泉

作者:きむるな

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.06.19

君とお別れして
今日で3年。





今だから言える
「愛してました」







————————————–





ピピピピ、ピピピピ。





タイマーが鳴った。
起きないと。





稲垣くるみ。高校2年生。





眠たい目をこすりながら
リビングに下りていく。





テレビでニュースが
流れていた。





『富士見リゾート雪崩事故から
今日で3年。
当時の事故現場には
遺族や知人などが―――』





富士見リゾート雪崩事故・・・
から3年か・・・





3年前に起きた
富士見リゾート雪崩事故。





それはN県にあるスキー場で
起きた事故だった。





地震による雪山の雪崩で
数百人との人が亡くなった。





事故当日、私を含めた家族と
幼馴染の北島みさきの家族と
そのスキー場に遊びに行っていた。













—————————————–





「くるみ!
あの雪山、初心者向けだから
行ってきたらどうだ?」





「えぇ~・・・
私スキーとか苦手だし、
寒いの無理だからいいよ・・・」





「そんなこと言ってたら
いつまで経っても2人で
遊びに来れないよ!
ほら、立って!」





本当に強引な奴。





そんなところが
好きだけどね。





みさきと私は幼馴染。
っていうより、カップル。





家族には内緒だけど
付き合っていた。





「行かないんだったら
俺1人で試してくるよ」





「え、それはなんか
申し訳ない」





「でもどんな感じか試さなきゃ
いつまで経っても
くるみ行かないじゃん。
だから行ってくるわ!」





・・・私はなんでこの時
一緒に行かなかったんだろう・・・
そうしたら一緒に・・・
一生一緒に居れたのに!!





その数分後だった。





地震が起きて
雪山が雪崩で崩れたのは。





幸い私は休憩所にいたから
助かった。家族も。





だけど・・・
みさきだけが
雪崩に巻き込まれた。





救助ヘリがみさきを
病院に運んだ。





私たちは安全の確保ができ次第、
病院に向かった。





病院に着いて
みさきの姿を見て驚いた。





たくさんの管で
つながれていた。





息は・・・
すずめの涙ほどの息しか
していなかった。





医者いわく、このままだと
危ないとのことだった。





私は泣いた。嫌だった、
みさきとお別れするのが。





でもそんな私の涙を
裏切るかのように・・・





みさきは数時間後に
息を引き取った。





『大好きだよ。』という
言葉を残して・・・













——————————————





今日は、みさきの3回忌。





私の家族とみさきの家族で
お墓参りに来た。





(みさき、久しぶりだね。元気?)





返事、返ってくるわけないか。





「ね・・・ねぇくるみちゃん?
みさきとくるみちゃんって
付き合ってたの・・・?」





お墓参りが終わって
お昼を食べているときに
唐突にみさきのお母さん―――
あんなさんに尋ねられた。





「え・・・?
なんで知ってるんですか・・・?」





「いや・・・あの・・・
実はこれ・・・」





そういってあんなさんは
私の前に小さな箱を置いた。





箱には『to Kurumi.
I love you forever・・・』と
書いてあった。





「一昨日、きちんと
みさきの部屋を片付けてたら
出てきたの。
くるみちゃん宛だと思ったから、
持ってきたの」





みさきが私に・・・?





箱を開けると
きれいなペンダントと
手紙が入っていた。





──────────────────────
─────
くるみへ。

この手紙はスキー旅行に
行く前に書いたものだ。
前テレビ見てるときにスキー旅行中に
命を落としてしまった人が
家族あてに手紙を残しているっていう
番組を見て
不謹慎だけど
万が一のために書いておくな笑

俺はくるみと出会えてうれしかった。
くるみは本当にやさしくてかわいくて
友達思いで・・・
沢山いいところがあるよな。

そんなお前が幼馴染で・・・
それで彼女で居てくれてうれしかった。

まあお前が俺より先にほかの男と
付き合っているのを知ったときは
嫉妬でいっぱいだったけどな笑

この手紙をくるみが読むとき、
俺はこの世にいないかもしれない。

そうだとしてもくるみはいつまでも
俺を引きずらずに新しい恋愛に
進んでほしい。

俺としては一生俺だけを愛してほしいけど
俺いないんだったら意味ないもんな、笑

俺はくるみが違う恋愛に行っても
一生くるみを愛してる。
だから俺のこと忘れるなよ!!

くるみ、俺はお前のことが大好きだ。
幸せになれよ。

             みさき
─────
──────────────────────





私は、泣きに泣きまくった。
涙が枯れるまで泣きまくった。





周りの人なんか気にしない。





今はみさきのことで
頭がいっぱいだったから。













————————————–





私は、大学生になった。





私はみさきに言われた通り
新しい恋愛に進むことにした。





だけど、心の中では
みさきを1番愛している。
今でも。





ううん。
私は一生、みさきのことを
愛すつもり。





みさきが私を
一生愛してくれるように――――。







*end*

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