大逆転バレンタイン

CAST伊藤 沙音伊藤 沙音

作者:あかり

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.11.23

私は、伊藤シャノン。





クラスでは、
あまり目立たない
陰キャです。





「このしおり、
シャノンちゃんの?」





「あ、ごめんなさい」





彼はクラスで
1番イケメンの、
内田レン君。





実は、私が
気になってる人。





「レン~、
そんなところにいたの?
早く行こっ」





彼女は、
宮本ワカナちゃん。





クラスで
1番かわいくて、
お金持ち。





ワカナちゃんは、
レン君のことが好きだ。





付き合っていると、
噂されている。





「あっ」





行ってしまった。













・*。・ シャノンの家 ・。*・





「はぁ・・・
もうレン君と
ワカナちゃんって
付き合ってるのかな」





絶対付き合ってる。
だって、宮本さん
美人だし。





「レンとワカナが、
どうかした?」





「あっ、お姉ちゃん」





お姉ちゃんのルキは、
明るくて、かわいくて、
人気者!





で、陰キャな私と
正反対。





レン君と
ワカナちゃんの
部活の先輩。





「えっ、レンって、
ワカナと
付き合ってるの?!」





「まあ、噂だけど」





「そうなんだ。
もしかして、シャノン、
レンのことが好きなの?」





「う、うん。でも、
諦めようと思ってる」





「なんでよ! シャノン。
恋したなら
気持ちを言わないと
後悔するよ!
あと、噂でしょ!
勇気出してよ!」





確かにそうだ。





噂といって、
恋を諦めていた。





自分から逃げていた。





「うん!
・・・でも、何から
始めたらいいのかな」





「そういえば、
来週、調理実習で
レンと同じ班でしょ!
料理でアピールしたら
いいんじゃない?」





「うん、
頑張ってみる!」













・*。・ 調理実習当日 ・。*・





「うーん、
カルボナーラって、
どうするんだっけ」





「レン君、そこは
茹で汁入れて
乳化するんだよ」





「えっ、そうなの?
シャノンちゃんって、
料理上手だね」





「あ、ありがとう」





やったー!
レン君にほめられた!





「レンっ!」





「わっ、なんだ、
ワカナかよ~」





「レン、見てっ!
私がつくったカルボナーラ!」





「お~、おいしそーじゃん。
ワカナすごい!」





「えへへ」





「あれ?」





ワカナちゃんと
レン君の会話を、
ワカナちゃんとおなじ班の、
ミナミちゃんが見ていた。





どうしたんだろう。





「わー、レンの
カルボナーラ美味しそ~」





「シャノンちゃんが
作ってくれたの!」





「ふーん」





な、なんか気まずい。













・*。・ 休み時間 ・。*・





「ねぇねぇ、
シャノンちゃんって、
レンのことすきなの?」





ワカナちゃんが
話してきた。





「あの・・・
ワカナちゃんって、
レン君と
付き合ってるんですか?」





「まあ、まだ
付き合ってないけど、
あともう少しで
付き合うよ!」





???
どういう意味だろう。





「バレンタインで
告白するの」





「バレンタインまで
あと1週間だし~、
ブランド最高級の
10万円のチョコをあげるの。
そうして告ったら、
レンだってイチコロでしょ!!」





「・・・そうなんですね」





「じゃあ、シャノンちゃん。
バレンタインで
私の引き立て役になってよ。
シャノンちゃんの庶民的な
チョコをあげてから、
私の豪華なチョコをあげるの」





「ま、せいぜい頑張ってね~」





引き立て役か・・・
陰キャの私には、
ピッタリだな。





いやいやいやっ、
このまま終われないよ!





まだチャンスは、ある!
最後までやりきろう!













・*。・ 部活 ・。*・





「ルキ先輩、
ちょっといいですか」





「ん?
どうしたの?」





「シャノンちゃんのことで、
あの、シャノンちゃんって、
あの・・・
気になってる人とか、
好きな人いるんですか?」





「気になってる人なら
いるよ~」





「そうなんですか」





「意外と近くに」





「???」













・* バレンタイン前日 シャノンの家 *・





「えっ、引き立て役?!
ワカナの?」





「うん・・・」





私は、明日の
バレンタインのことを
お姉ちゃんに話した。





私が引き立て役に
なること。





ワカナちゃんが
レン君に告白すること。





「ワカナめ~」





「ん~っとねー、
じゃあ、ワカナを
引き立て役にしよう」





「えっ、どういうこと?」





「だ~か~ら~、
ワカナより
すごいチョコを渡して、
ワカナの上
乗っかるんだよ!」





「どういうこと?」





「とにかく、すごい
チョコをあげればいいの。
えいえい~」





「? お~?」













・*。・ バレンタイン当日 ・。*・





今日は、バレンタインデー。





今は、ワカナちゃんと、
レン君を待っている。





あー緊張する~、





でも、大逆転の
バレンタインを見せてやる!





頑張れ、私!





あっ、ワカナちゃんが来た。





その手には、超高級
チョコブランドの
nicosのチョコがあった。





それに比べて、
私のチョコは、
せいぜい昨日作った
安物級のチョコ。





ダメダメ、
人と比べない!





私は昨日、
お姉ちゃんと考え、
手作りチョコにした。





スーパーに行って、
ラッピングや
チョコの材料を買った。





それで、何度も失敗したけど
くじけずに続け、
ついに、納得いく
チョコができた。





「はぁ、疲れた。
もう夜8時だよ!
明日のために、
体力温存!」





「意味わかんない」





「明日は、絶対に
成功させるぞ~」





「なんでお姉ちゃん
気合入ってるの?」





「えへへ」





これまで応援してくれた
お姉ちゃんのためにも、
頑張ろう!





「ねぇシャノンちゃん。
それをレンに渡すの?
うわっ、安物のチョコ。
レンがかっわいそ~」





「ワカナちゃん、
それでも、
頑張ったんだよ」





「頑張って買ったの?」





「ちがっ、」





「おーい、ワカナ、
シャノンちゃん。
話ってなんだ?」





「ほら」





よーし、やるぞ~。





「レ、レン君。
はいこれ、
バレンタインチョコ」





「お、サンキュ。
これ手作り?」





「うん」





「シャノンちゃんって、
チョコレート
作れるんだ、すごい!!」





「ありがとう」





レン君にほめられた!





頑張って
作ってよかった!





「レン~、
はい! これ、
バレンタインチョコ」





「私、レンのことが
好きです。
私と、付き合ってください」





「・・・ごめん。無理」





「えっ、なんで~?!」





「ワカナ・・・
俺、ワカナがそんな人とは
思わなかったよ」





「は?」





「ルキ先輩から聞いたよ。
俺を惚れさせるために、
シャノンちゃんを
引き立て役にしたとか」





「あと、家庭科で、
ミナミちゃんが作った
カルボナーラを
自分の手柄にしたとか」





「ギクッ」





「ワカナ、俺、
そんなことする人とは、
一緒にいたくない。
縁を切ろう」





「そ、そんな~」





いくらレン君でも、
ひどすぎる。





今まで私を馬鹿にしてきた
ワカナちゃんだけど、
可哀想。





「レン君!! 言い過ぎだよ。
ワカナちゃんは、レン君に
認めてもらいたかっただけだよ。
すべて、レン君のためだよ。
ワカナちゃんだって、
自分なりにがんばってるんだよ!」





「シャノンちゃん・・・」





「ワカナ、さっきはごめん。
俺、言い過ぎた」





「・・・うん」





「シャノンちゃん、
ごめんね」





「ワカナちゃん・・・
私は、ワカナちゃんは、
そのままでいいと思うよ」





「えっ、」





「だって、好きな人のために
一生懸命なところ、
いいと思うよ。
でも、人を傷つけることは、
しないでね」





「シャノンちゃん、
ありがとう!」





「シャノンちゃんって、
優しいんだね。
こんな私を、助けてくれて」





「ほら、言いなよ」





「レンのこと、
好きなんでしょ」





「うん!」





「レン君。
私、レンくんのことが
好きです。
よかったら、私と、
付き合ってくれますか」





「シャノンちゃん。
俺も、優しい
シャノンちゃんのことが好き。
付き合おう!」





「うん!」





こうして、大逆転の
バレンタインは、
幕を閉じました。







*end*

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