コミュ障の私と２人の美少年

CAST伊藤沙音

作者：ひなちゃん

2023.01.07

タイヨウ「シャノン！
おれ、
シャノンのことが好き！
付き合って！」

レン「シャノン！
僕、シャノンのこと大好き！
付き合って下さい！」

タイヨウ「おい！
邪魔すんなよ！」

レン「そっちこそ！」

シャノン「あの・・・
あんまり廊下で騒ぐと・・・
あの・・・あんまり・・・
じゃない？」

タイヨウ「そう？」

レン「ごめんね、
シャノン」

シャノン「い、いや・・・
謝ってほしいんじゃなくって・・・
あ・・・あの・・・」

タイヨウ「レン！
話があるぞ」

レン「こっちこそあるさ」

タイヨウ「放課後、
中庭で待ってろ」

レン「うん」

シャノン「あ・・・あ・・・」

そんなつもり・・・
無かったのに・・・

私、シャノン。
中学１年生。

人見知りで、こう・・・
なんていうか、
はっきり言えないの。

いっつも
「あの・・・」とか
「えっと・・・」とか
つけちゃって。

短気なレイナちゃんを
怒らせちゃったりもする。

前レイナちゃんに

「いい加減その言い方
分かりにくいからやめて！」

って言われて、直そうと
思ってるんだけど・・・
なかなか直らないの。

言葉を選ぼうと思うと
やっぱり「えっと」とか
言っちゃうし。

それで今みたいに
喧嘩になっちゃったり。

もうほんと、
自分が嫌になる。

でも・・・そのことに
とらわれすぎて
忘れてたけど・・・

タイヨウくんと
レンくん・・・
私のこと好きって言った？

私と付き合いたいって言った？

嘘。

まさかあんな美少年が
こんな私を好きなの？

意味がわかんない。
どうして？

私にモテる要素なんてあるの？

＊･゜ﾟ･＊:・。・・・:＊･’
　　　　帰り道
‘･＊:・。・・。・:＊･゜ﾟ･＊

レイナ「シャノン！」

シャノン「あ、レイナちゃん」

レイナ「シャノン、
嘘つかないでね？」

シャノン「・・・え？
・・・うん・・・？」

レイナ「シャノン、
休み時間に告白された？」

え、なんで知ってるの？

シャノン「う・・・うん。
タイヨウくんとレンくんに・・・
告白された」

レイナ「ふーん。
で？　返事はしたの？」

シャノン「あっ・・・」

待って、
廊下のことしか
考えてなくて、
返事してなかった！

レイナ「ほんと、それだから
ダメなんだよ。
そういう時はきちんと
返事しなきゃ。
タイヨウくんとレンくんの
気持ち考えた？」

そんな・・・こと
考えてないよ・・・

そう思ったら、
タイヨウくんと
レンくんに謝りたい。

レイナ「今すぐ
返事しに行ったら？」

シャノン「・・・どう返事・・・
したらいいの？」

レイナ「え？」

レイナちゃんは
しばらく黙ってから
こう言った。

レイナ「そんなの、
シャノンの気持ちを
きちんと言えばいいだけじゃん！
私に相談されても困るよ。
自分の気持ちを言えばいいの。
ほら、あそこで喧嘩してるよ？
２人」

シャノン「・・・あ・・・」

そんな、自分の気持ちを
言えって言われても・・・

今どんな気持ちか
わかんないし・・・

言い方変で
怒らせてもいけないし・・・

どうしよ・・・

と思ってたら
レイナちゃんは
もう帰っちゃった。

レン「シャノン！」

シャノン「れ、レンくん」

レン「昼休みの返事、
ちょうだい？」

タイヨウ「いつでもいいよ」

シャノン「えっと・・・あの・・・」

「返事遅くなってごめんね」、
から始めればいいよね。

自分の気持ち、
なんとなく分かったから。

シャノン「あのね・・・
返事遅くなってごめんね？
あの・・・」

レン「うん！
別にいつでもいいんだよ」

シャノン「タイヨウくんも
レンくんも
私のことを好きになってくれて、
嬉しい。
だからこそ、
２人から１人って選べないの・・・
だから・・・
２人と付き合ってもいいかなぁ？」

結構スラスラ言えた。

でも、２人は
キョトンとしてた。

シャノン「あの・・・
えっと・・・えっと・・・」

レン「ナイスアイデアじゃん！」

タイヨウ「いい考えだな」

シャノン「ほ、ほんと？」

レン＆タイヨウ「うん！」

シャノン「えっと・・・
じゃぁ・・・」

レン「また明日！」

「あ、今日LINEするね」

タイヨウ「またな」

じゃあね、２人とも。

レイナ「シャーノン！」

シャノン「うわぁっ」

レイナ「あはは、
良かったね」

シャノン「え？
・・・聞いてた・・・の？」

レイナ「もっちろん！
シャノンはもぉ～
心配かけるんだから～」

シャノン「え、・・・えへへ」

レイナ「さ、一緒に帰ろ」

シャノン「う、うん」

レイナちゃん、
いっつもありがとう。

私、コミュ障だけど、
２人とも宜しくね！

＊HAPPY END＊