乗り遅れが呼んだ運命

CAST松尾そのま

作者：E-girls Love

2025.11.01

はぁはぁはぁはぁ・・・

だめだ、
間に合わないかぁ。

「お願いします！
乗せてください！
少しでも早く着きたいんです！」

駅員「だめです！
もう時間です。
切符は売れません！」

「はぁぁ・・・もう最悪・・・
あの駅員さん私のこと
子どもだからってなめてるでしょう。
もうやだよ、疲れてるのに。
早く、いとこのお兄ちゃんに
会いたいのに・・・涙」

___________________________―_

私の名前は、松尾そのま。

大阪に住んでいて、東京にいるいとこの
お兄ちゃんに会いに行くところ。

なのに、１時間に数本くらいしかない
新幹線に乗り遅れちゃって、
もうやだぁ・・・

今、半泣き状態なのです・・・

？「なに泣いてんだ？
ここ俺の席なんだ。
悪いけど、荷物どかしてもらっても
いい？　かなぁ？」

そのま「い、いえ！
泣いてません！
あ、すみません！」

新幹線乗り遅れたし、
こんなやつの隣とか最悪・・・

？「なんか言った？
あ、俺の名前は八神遼介。
中３だよ。よろしくな！
お前は？」

そのま「わ、私は松尾そのまです！
中３です！」

遼介「え？　同い年じゃん笑
そんな悲しそうな顔すんなよ。
乗り遅れたんだろ？
まあさ、お前がもう１個
早いやつに乗ってたら
俺ら出会わなかったわけだし。
泣くなよ」

ポンポン。

遼介くんがそう言って
頭を撫でてくれた。

やさしいんだぁ・・・

そのま「うわぁ！　最悪・・・
今、切符見て気づいたんだけど
お前と降りるのも同じ駅じゃん・・・」

遼介「え？　どこが嫌なの？
俺は一緒になれて
うれしくなくもない？　けど？」

そのま「え、あ、うん///」

＊＊＊　そのまSide　＊＊＊

なんだろう。嫌じゃないかも。
この感じ。

でも、この人どこかで
見たことあるような気がするのは
気のせい？

このドキドキ感、
前にもあったような・・・

＊＊＊　遼介Side　＊＊＊

やっぱり偶然？
いや運命？

絶対にあの子の気がする。

でも、人違いかなぁ・・・

遼介「そのまってなんで
東京まで行くの？」

そのま「えっと、
いとこのお兄ちゃんに
会いに行くので・・・」

遼介「敬語使わなくていいよ！
同い年なんだし！
そうなんだ！
なんかそういうの聞くと
ヤキモチ妬いちゃうわ・・・」

そのま「遼介はなんで
東京まで行くの？」

遼介「俺は２つ上の、幼なじみの
男友達に会いに行くためだよ。
そいつ面倒見よくて
いつも仲よくしてくれてたんだけど
ある日突然、東京に引っ越しちゃってさ・・・
久々に会いに行こうと・・・」

そのま「ふーん・・・
え？　なにこの写真！
私のいとこのお兄ちゃんにそっくり！
気のせいか笑」

私は遼介の携帯の
ホーム画面を見て言った。

そのま「んぁ・・・///」

＊＊＊　そのまSide　＊＊＊

なんで？
なんで初対面の人に
キスなんかするの？

やっぱりおかしい。
この感じ前にも・・・

＊＊＊　遼介Side　＊＊＊

絶対そうだ。
今なら言える。

言い出してみようかなぁ・・・

遼介「お前の大切ないとこの兄ちゃん、
俺の大切な幼なじみだよ。
そいつの名前なんていうの？」

そのま「西ユアン・・・」

遼介「やっぱりな。
だとしたらお前、あの時の？
・・・」

そのま「そう///・・・」

＊＊＊　そのまSide　＊＊＊

そう。
私たちは前にも１度
あったことがあるの。

小学５年生くらいの頃、
私がお兄ちゃんの家に行く途中
道に迷ってすごく泣いてた時、
遼介がなぐさめてくれて
道案内までしてくれて。

その後も３人で遊んで
すごく楽しかった。

その時は遼介のこと
ただの友達としか
思ってなかったけど・・・

そのあとお兄ちゃんが
家の都合で引っ越しちゃってからは
遼介にも会えなくなっちゃって
すごく寂しくて、

あとから遼介のこと
好きだったかもって
後悔してたの・・・

だから、今会えてすごく幸せ。

遼介「俺、あの後お前に
会えなくなって、すごく後悔した。
お前が好きだったのに
気もち伝えられなくて。
だから今ここで伝える。
俺はそのまのことが、出会った時から
ずっと大好きだった。
もう離れたくない。つきあってください！
それで、ずーっと一緒にいてください！」

そのま「私もすごく後悔したの。
でも、遼介のことが今でも大好き！
私でよければつきあってください！」

遼介はその後もう１度
私の唇に自分の唇を重ねた。

その後は、いとこの
お兄ちゃんにも会えて
３人で思いっきり遊んだの！

＊ｅｎｄ＊