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ゴールテープのその先で

CAST松尾 そのま松尾 そのま

作者:結喜

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.04.14

「はあっ・・・はあっ・・・
もう無理・・・!」





放課後の校庭。
ソノマは、その場にしゃがみこんだ。





「まだ2本目だよ?」





ワカナがあきれたように言う。





同じクラスで、いつも一緒にいる
一番仲のいい友達だ。





「だって、アンカーとか聞いてないし・・・!」





体育祭のクラス対抗リレー。





ソノマはなぜか、アンカーに
選ばれてしまった。





「でもさ、ソノマ足速いじゃん」





「短距離だけね!
持久力ないの!」





そんなやりとりをしていると、





「フォーム、無駄多い」





後ろから声。





振り向くと、
リュウトが立っていた。





同じクラスなのに、ちゃんと話したことは
ほとんどない。





運動会のたびに名前を呼ばれて、
いつもリレーに出ている――――――
そんなイメージがある。





「え?」





「腕振り、もっと
コンパクトにしたほうがいい」





そう言って、ソノマの横に立つ。





「こうやって――――」





実際に走る動きを見せる
リュウト。





無駄がなくて、
すごく速そうだった。





「・・・すご」





思わず声がもれる。





「やってみろよ」





「え、今?」





「今」





ちょっとムッとしながらも
ソノマは走る。





言われた通り、
腕の振りを意識して。





――――さっきより、少しだけ軽い。





「ほんとだ・・・」





「だろ」





リュウトは少しだけ笑った。





ワカナはそれを見て
にやにやしている。





「じゃあさ、リュウトがコーチね」





「は?」





「ソノマ、アンカーなんでしょ?
勝ちたいじゃん」





ソノマは少し考えて―――――





「・・・教えてほしい」





小さく言った。





「ちゃんと走れるようになりたい」





リュウトは
少しだけ驚いた顔をしてから、





「・・・わかった」と答えた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





―――――それから毎日、
放課後の練習が続いた。





「今の一歩、でかすぎ」





「えー!?」





「ピッチ上げろ」





「むずいって!」





転びそうになって、笑って。





息切れして、また走って。





「ほら、水」





「ありがと・・・」





気づけば、リュウトと話す時間も
増えていた。





最初はちょっと距離のある
クラスメイトだったのに、





今は、隣にいるのが
自然になっていた。





(なんでだろ・・・)





心臓がドキッとすることが
増えていく。





ワカナはいつも
少し離れたところで見ていて、





「青春だね~」なんて言っていた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





―――――そして、体育祭当日。





「緊張してる?」





「・・・ちょっと」





でも、前より怖くなかった。





(ちゃんと練習したし)





「ソノマ」





リュウトが近づいてくる。





「最後、焦んなよ」





「うん」





「あと」





少しだけ間をおいて、





「絶対、いける」





その一言で、
胸がぎゅっとなった。







―――――――バトンがつながる。





ソノマの番。





「はいっ!!」







走り出す。





風が強い。







でも、前みたいに重くない。





(腕はコンパクト、
ピッチ上げて・・・!)





リュウトに教えてもらったことを
思い出す。





「ソノマーーー!!」





あの声。





振り向かなくてもわかる。





最後の力をふりしぼる。







――――――――そして。





ゴールテープを切った。







結果は――――――――1位。





クラスのみんなが
一斉に歓声を上げた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





―――――競技後。





「やったじゃん」





リュウトが言う。





「・・・うん!」





息を切らしながら笑うソノマ。





「全部、リュウトのおかげだよ」





「いや、お前ががんばっただけ」





少し照れたように目をそらす。





そのとき、





「はーい、おふたりさん」





ワカナ登場。





「いい感じになってるね~」





「ちがうって!」





ソノマがあわてる。





でもリュウトは、





「・・・別に、いいだろ」





と小さく言った。





「え?」





「ソノマといるの、嫌じゃないし」





一瞬、時間が止まったみたいだった。





ソノマの顔が一気に赤くなる。





ワカナは満足そうに笑って、





「はい、
ゴールテープの先って感じ~」





と言った。





ソノマは少しだけうつむいて、
でも、ちゃんと答えた。





「・・・私も、嫌じゃない」







体育祭の終わり。





でも―――――





この関係は、
ここから始まる気がした。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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