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友達の好きな人を好きになる症候群

CAST松尾 そのま松尾 そのま

作者:Mmm

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.03.24

恋物語と、友情物語は
両立できない。





そう思っていた。





「そーのま!
私、好きな人できたかも!」





親友の りりかから打ち明けられ、
私、松尾そのまは思わず
びくりとしてしまった。





思い出すのは、
あの時のこと・・・





ぶんぶんと首を振って、
不安を吹き飛ばす。





それから、私はりりかの恋を
応援することになった。





りりかの好きな人は、
バスケ部の八神先輩。





「明日、先輩の引退試合だって!
一緒に見にきて!」





「いいよ」





「ほんとーに、かっこいいんだよねー!
まじそのまも、バスケしてるとこ見たら
好きになっちゃうかもしれないくらい!」





何気ないりりかの言葉に、
ドクン、と心臓が音を立てた。





「って、まじでは
好きにならないでよ?(笑)
そのま、天使レベルでかわいいし
ライバルになったら、私、
勝てる自信ないから(笑)」





「あ、当たり前じゃん、
親友の好きな人奪わないし」













・*。・ 引退試合 ・。*・





ピーッ!





「きゃー!
そ、そのま、見た!?」





八神先輩のスリーポイントシュートが
決まったと同時に試合終了し、





りりかは興奮して
私をぶんぶんと揺さぶった。





(待って待って待って・・・)





一方で、私は
湧きあがってしまった気もちに
気がついてしまった。





(八神先輩・・・
まじでかっこいいんだが!?
やばいやばい
これはあかんやつ・・・)





(この気もちの名前は・・・
きっと恋)





実は私、友達の好きな人を
好きになる症候群なのだ。











──────────────
────

・ 数年前 ・





「そのま、私、好きな人
できたかもしれない」





当時仲が良かったミクが、
初恋をした。





私は、ミクの恋が実るよう、
彼にミクと一緒に
話しかけにいったり、





ミクから彼のかっこいいところを
聞いたりしているうちに・・・





その時も、ミクの好きな人を
好きになってしまったのだった。





話はそれで終わらなかった。





「そのまちゃん、好きです!」





彼は・・・
私に、告白したのだった。





「・・・私が、先に
好きになったんだよ?」





「・・・ごめん・・・」





「・・・いいよね、そのまは。
かわいいから・・・
まるで、天使のように・・・
明るくて・・・まさに憧れで・・・
私が話しかけても何もなかったのに、
そのまが話しかけた時は
意識してもらって・・・」





「ミクも、かわいいよ」





「気つかわなくていい!
・・・そのまに、協力して
もらうんじゃなかった・・・」





「・・・ごめん、なさい」





ミクに申し訳なくて、
私は彼をふった。





そして、ミクと私は
それ以降、話すことはなくなった・・・





こんなことを、
何度も繰り返していた。





まるで、病気のように。





ミクとの、最後の会話の時
言われた。





「友達の好きな人を
好きになる症候群かよ」













──────────────
────

・ 試合後 ・





「私、八神先輩に
差し入れ持ってきたんだ。
渡したいからそのま、
ついてきて!」





「でも・・・」





「お願い!」





(いま・・・
このドキドキしてしまってる気もちで
先輩と話してしまったら・・・)





(本格的に、
恋に落ちてしまうかもしれない)





もう、前みたいには
なりたくなかった。





だから、
断ろうとしたのに、





りりかは私の手を引いて
先輩の方へ向かいだしてしまうのだった。





「先輩、これ・・・!」





「ありがとう」





りりかからスポーツドリンクを
受け取った先輩は、
ふとわたしを見て動きを止めた。





(なんか・・・
嫌な予感しかしない)





「あの、君は、」





「松尾、そのまです。
りりかの友達で・・・」





「そのま、ちゃん・・・
あのさ、良かったら
ライン交換しない?」





「はいっ」





舞い上がってしまう気もちを隠せず
返事をしてしまったわたしを、
心底呪った。











・*。・ 帰り道 ・。*・





「・・・」





しばらく、
お互い無言だった。





「そのま、
先輩のこと、好き?」





気まずい沈黙を破ったのは
りりかの方からだった。





「私、そのまの本当の
気もちが知りたい。
親友だと、思ってるから」





りりかのまっすぐな瞳に
私は胸打たれる。





「実を言うと・・・
ドキドキ、してしまった。先輩に。
でも、私、これが本当の恋なのかは、
わからないの」





私は、数年前の出来事を話した。





「その時だけじゃなくて、
私、友達が好きになった人のこと
好きになっちゃったこと、
今までに何回もあって。
だから、りりかが、八神先輩好きって聞いたから
好きになっちゃってるだけかもしれない・・・」





さらに、幸か不幸か、私は、
友達に天使と言われるくらい、かわいい。





「今まで何回も、
私が好きになってしまった友達の
好きな人は、
友達でなく私を好きになって、
でも友達に申し訳なくて振ってしまう・・・
ってことを繰り返してるの」





「りりかは、私を天使みたいって
言うけど・・・
本当は、悪魔なのかもしれない」





「ほんと、悪魔みたいだよ」





りりかのつぶやきに、
思わず涙をこらえる。





「でも、それは、そのまが
天使みたいにいい子だからだよ」





「・・・えっ!?」





「そのまは、誰もが認めるくらい、
すっごく魅力的で。
・・・でも、先輩が好き歴は
私の方が勝ってるから!」





りりかは、びしりと
私に指をさした。





「天使だろうと、悪魔だろうと、
私、先輩に関してはあきらめない!」





「私に、怒らないの?」





「なんで?
強力なライバルがひとり増えただけだよ。
先輩、あんなにかっこいいんだから、
もともとそのま以外にもライバルはいるし」





「そ、そっか」





「って待って、
親友で恋のライバルって、
私たち、今までみたいに
恋バナできなくなるってこと!?」





「あ、確かに?」





「まてまて。
今は、親友のそのま、
それともライバルのそのま?」





つぶやいたかと思うと、
りりかは唐突に走り出した。





「もうわかんなーい!」





「ちょっ、りりか!」





追いかけながら、空いっぱいの夕陽が
私たちを照らした。





(きれい)





気がつけば、
ふたりとも笑っていた。





笑って、走って、思った。





恋物語、友情物語、





いま、どちらでもある物語が
始まろうとしていることを。







─終わり─

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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