私、陰キャ卒業します

CAST有坂 心花有坂 心花

作者:にこらぶのnon

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.08.28

私、有坂心花。
読書と勉強が好きな
15歳の中学3年生。





学校では、おさげに
膝下10センチのスカート、
着崩しもなく、
きちっと制服を着て、
黒いふちのダサい眼鏡。





だから、「陰キャのお手本」
と呼ばれている。





正直、とってもヤダ。





でも、これは学校での仮の姿。





ホントの私は、おしゃれと
カワイイものが大好きな
ティーンに大人気のファッション誌
「Nicoko」のトップモデル
「コハナ」だ。





そして、
気になっている人もいるけど・・・





その人は、好きな人がいるらしい。





まぁ、裏ではド陰キャの
私なわけないよね?





絶対に私ではないと
わかっていながらも
ついつい期待してしまう、





「Nicoko専属メンズモデルの
今井ハルトの好きな人が
有坂コハナであること」を。





そして、最近学校で
困ったことがある。





それは・・・





「あぁ~!
陰キャのお手本ちゃん!
今日もダサいねw」





はぁ~、今日も来た・・・





彼女は、川原ミアンさん。
学年1・・・いや、
学校1人気でモテる、
超陽キャの美女だ。





私は、本当は
仲良くしたいと思っている。





「ミアン、今日も
有坂の相手してやってるのか?
えらいな!
俺なんて、相手もしたくないぞw」





彼は、ミアンさんの彼氏の
久野ナツさん。





彼も学校1モテる超陽キャの
イケメンと言われている。





だから、ミアンさんと
ナツさんのお付き合いが
全校に知れわたった時には、
たくさんの生徒が悔しがったそうだ。





(はぁ~、
教室で読書でもしてよう!)
と思い、足速に教室に向かった。





読書をして
本の世界に没頭する。





これが、私の学校での
唯一の楽しみだった。







席について本を読み始めた。
すると、





「心花~!
今日は何読んでるの?
今度一緒にここのパンケーキ
食べに行かない?」





と言って
スマホを見せてきたのは、
親友のふたばだ。





「美味しそう!
食べに行こう!
なんなら今日行く?」





ふたばと話している時には、
いつも明るく、「コハナ」と
同じように話すことができる。





ふたばと話しているときは、
とっても幸せ!













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





ある日、私のクラスに
転校生がやってきた。





「今井ハルトです。
Nicokoの専属メンズモデル
やっています。
よろしくお願いします」





えっ・・・ハルト?!
頭の中がこんがらがる。





「じゃあ、今井の席は
有坂の隣な。
ということで有坂、
学校のこと教えてあげてな」





と、担任のユアン先生が
言った。





「おっ! コハナじゃん!
この前の撮影以来だな!」





ハルトが大きな声で
言ってしまった。





「えっ、撮影?
Nicokoの?」





「有坂が?
そんな訳ないじゃんw」





そういう声が聞こえて
慌ててハルトの口をふさぎ、





「わ、私達、
お、幼馴染なんだよね~!」





「え?
モデル仲間だろ?」





「そのことは言わないで!」





これから騒がしい
学校生活が始まりそうだ。





学校中には、ハルトが
イケメンという噂が拡がり、
ハルトは毎日のように
屋上に呼び出され、
告白されるようになった。





だから私は、すぐに彼女が
できてしまうのではないかと
心配になった。





それから、私も
早く告白しないといけないと思い、
焦るようになった。





「ハルトに振り向いてもらうには
どうしたら良いのだろうか?」





たくさん考えた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





そして、次の日・・・





みんなが驚くほど
カワイイ格好で行った。





おさげはやめて、ゆる巻きに、
スカートは膝上10センチに、
制服も着崩し、
胸元にはNicokoの付録の
前髪クリップをつけていった。





もちろん、メガネも取り、
コンタクトにした。





すると、学校では・・・





「え! 有坂さん?!」





「めっちゃかわいい!
似合ってる!」





と、みんなが言ってくれた。
そしてふたばが、





「心花ちゃん、かわいすぎ!
めっっっっっちゃ似合ってる!
あと、私、気づいちゃったんだけどさ、
心花ちゃんって、Nicokoモデルの
コハナちゃんだよね?」





体がビクッとした。





「ふ、ふたば。
なんで気づいたの?!」





「だって、私
コハナちゃんの
大ファンだし?」





気づかれて
少し恥ずかしい。





でも、それ以上に
ふたばが私のファンでいてくれたことが
とってもうれしい!





そして、廊下に出ると、
ミアンさんとナツさんがいた。





2人は、私に気がついた。





「え! あんた、
陰キャのお手本?
全然陰キャじゃない・・・」





「有坂、急にどうしたんだよ!
イメチェンか?」





2人もとても驚いている。





そして、他の人が気づいた。





「あれって、Nicokoモデルの
コハナじゃない?!」





「え! あ、ホントだ」





廊下が騒ぎになった。





うるさいのは
好きじゃないから
教室に戻った。





そして、1ヶ月後には、
サインを求める列が
あとを絶たなかった。





それは、うれしかったけど、
大変だった。





でも、私には
うれしいことがあった。





なんと、今日ハルトに
放課後に屋上に呼ばれた。





もしかして、これは・・・





「コハナ、
いつも笑顔で明るくて、
頑張り屋で、
仕事にも色々なことに
一生懸命なコハナのことが
初めて会ったときから大好きです。
付き合ってください」





とうとう
告白されてしまった。





うれしすぎて
涙が出てきてしまった。





いつの間にか私にとっては、
ハルトは、
「気になっている人」から
「好きな人」に変わっていたみたい。





「もちろんです。
これからよろしく!
ハルト!」





そして、私は
「陰キャのお手本」
と呼ばれなくなりました。





そして、ハルトと私が
付き合う噂は学校中に拡がり、
私をいじめる人は、いなくなりました。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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