初恋

CAST有坂心花

作者：ひまひまルンルン

2024.06.22

私は有坂コハナ、高１。

長所は、細かいことを
気にしないところと
元気なところで、

短所は、
テキトーなところ。

そんな私は昔、
恋をしていた。

相手は、西ユアン。

小３の時に
同じクラスになって、

たくさん
話してるうちに、
好きになってた。

それから３年間は、
同じクラスだったんだけど、

中学校３年間は、
ずっと違うクラスだった。

私はそれまで、
西をチラミしたり、
西との甘い妄想をしたりと

同じクラスには
なれなかったけど、

それなりに毎日
楽しかった。

そんな時、西に
彼女ができたと言う
噂が広まった。

西には、隠れファンが
多かったから。

ショックを受ける子も
多かったのでは
ないだろうか。

って、そんなこと
ホントは思ってない。

悔しい。

取り返してやろう、
自分のモノにしたい、

そう思っても
ムリだと思った。

だって、
いくらいい女に
なったとしても、

それで西の気持ちは
私へ向いてくれない、

そう、分かってたから。

西に恋して、
それが分かったから・・・

それから私は、
できるだけ西のことを
考えないようにした。

目があっても
すぐ、そらした。

くしゃくしゃの笑顔も、

さりげなく
優しいところも、

なんでもサラッと
できちゃうところも、

サッカーボールを
真剣に追う目も・・・

全部全部
大好きだったよ・・・

西、さよなら・・・

でも・・・
そんな簡単に忘れることが
できるわけない・・・

そんなとき
同じクラスの久野ナツに
コクられた。

私は、寂しい気持ちを
まぎらわせたかったから、

返事は
・・・ＯＫ。

季節は、本のページを
めくるようにすぎていった。

★・・・★・・・★・・・★

中３の冬。
受験・・・

私は猛勉強して
Ｋ高に合格。

同じＫ高を受験した
ナツは・・・

落ちた・・・

合格発表の
次の日・・・

私はナツと喫茶店で
待ち会わせた。

コハナ「ナツ・・・
そう落ち込むなって!!」

「・・・・・・」

２０秒ほどの沈黙・・・

ナツ「あのさ、コハナ・・・
・・・別れよう」

え・・・
何で、急に・・・

ナツ「コハナ、自分では
気づいてないけど、
俺と話してるとき、
寂しそうな目をするんだ」

コハナ「・・・・・・」

ナツ「だから、
この機会にさ・・・」

そして、ナツは
静かに言った。

ナツ「別れよう」

～卒業式～

あれからナツとは、
連絡をとってない。

ナツには悪いけど、

別れてから
心のもやもやが
少しとれて、
楽になった。

西は・・・
Ｓ高に合格したらしい。

・・・
っそんなことより!!

今日は、卒業式!!

がんばろ!!

コハナ「・・・あれ？
なに、これ・・・」

靴箱の中には、
紙が入ってた。

―――――――――――――
卒業式の後
３年４組教室で待ってる。
　　　　　　　　　西
―――――――――――――

～卒業式後～

西「よぅ・・・」

コハナ「オス・・・」

西「まぁ・・・座れよ」

その後、私達は
たわいない話をした。

小学校の時の話、
面白い先生の話、
テストの最低点数の話・・・

意外と話、
続くもんだな・・・

そう思ってたら、
西がサラッと言った。

西「・・・俺さ、有坂のこと
好きだったんだぜ。
知ってた？」

・・・・・・・・・・・・

え・・・
ウソ・・・

彼女いたんじゃないの？

何で急に、
そんなこと言うの？

何で今日、
私をここに呼んだの？・・・

聞きたいことは、
たくさんあった。

でも、私の口からでた
言葉は・・・

コハナ「もう。遅いよ・・・」

気づいたら、泣いてた。

その時、西の唇が
近づいてきて

私達は、キスをした・・・

★・・・★・・・★・・・★

高１の夏。

それももう今では
切なくて、甘い思い出。

★ＥＮＤ★