これが好きってこと

CAST有坂心花

作者：るんるん

2023.04.04

私、有坂心花。
中学３年生。

彼氏いない歴＝自分の年齢。

あと少しで１５年目。
てか、初恋もまだだし。

恋へのあこがれは、
人一倍あるんだけどな～。

「そういえばさ～、
今井君って
意外と優しくない？」

この子は、私の幼稚園の
年少の時からずっと親友の、
小松崎ふたば。

「いきなり何いってんの？
それに・・・、
優しいか？　今井」

今井・・・、
今井ハルト。

私たちの幼なじみ。

同じく幼稚園の
年少から・・・

目立ちたがりやで、
クラスの中のリーダーで、
いかにも the 男子って感じ。

優しい・・・か
考えたことなかったな・・・

「おい有坂～、お前、
日直ちゃんとやれよ～」

私が出席番号１番で、
今井が２番。

日直は、出席番号の前後で
一緒にするから、
私とハルトが一緒に日直なんだ。

そういえば・・・、
文句言いながらも
いっつもこういう仕事、
誰よりも積極的にしてるよな～。

「ねえ、コハナって
本当に好きな人いないの？」

「ほんとに
いないんだって～！」

これはほんとに、
いない・・・・・・？

いや、今井は
ただの幼馴染だし？

確かにクラス替えで
一緒のクラスになった回数は
１番多い・・・けど、

席替えもなぜか毎回
近くになるけど・・・けどね？

好きじゃないし、
別に、好きじゃ・・・
好きじゃないから～!!

「え～！
ほんとにいないの？
ホントはいるんじゃないの？」

「もう!!
いないものはいないの!!
いちいちしつこいよ!!
私の好きな人なんか、
ふたばに関係あるわけ？
ないでしょ。
ならもうそんなこと
何回も聞く必要ないじゃん!!」

あ、いや、その・・・
声にもならない声が
こみ上げる・・・

「あ、うん、
そう、だよね・・・
なんか・・・、ごめんね・・・
じゃあ、また明日ね、
バイバイ！」

同じ方向なのに・・・、
駆け足で帰っちゃった。

ちょっと涙目だったのは、
気のせい？
じゃないよね。

謝りたいのに・・・、
こういう私の無駄に
プライドがあるところ、
大嫌い。

それにしても、私、
まさか本当に、
今井のこと・・・？

・＊。・　１週間後　・。＊・

「なあ有坂。
最近、小松崎と
話してねえけど
喧嘩でもしたのかよ」

「別に・・・
そういうわけじゃないけど」

「そっか・・・オレ、
お前らが２人で
ずっと仲良いの、
羨ましかったからさ」

「・・・そうなんだ」

「なんかあったなら
言ってくれよ。
協力出来ることは
なんでも協力するから」

「うん」

あ、これが、好きってこと
なのかもしれない・・・

私は、どうしようもなく
ムズムズしたような、
それでいてふわふわしたような、
不思議な気持ちだった。

・＊。・　翌日　・。＊・

「「ごめん！」」

「え、なんで
心花が謝るの？」

「だって、
強く言い過ぎちゃったし」

「でも、私が悪いから、
別に好きな人がいたって
いなくたって、
わたしたちの関係は
変わらないのに・・・
幼馴染だからって、
踏み込み過ぎちゃったよね。
ごめん」

「ううん！　でね、
好きな人、できた、かも」

「え、ホントに？」

「うん!!」

仲直りできてよかった・・・

そして、きっと、
いや、絶対!!

今は、胸を張って言える。

私は、今井が好きだ！

それも、私が気づく、
ずっとずっと前から・・・

・＊。・　卒業式　・。＊・

「卒業おめでとう！
今井！」

「お前と一緒に
卒業できて嬉しいよ」

「え～、ホントにぃ？
てか、高校も一緒じゃ～ん」

「いや、ずっと好きだったから。
お前のこと」

「え、嘘告だったら
マジギレするよ？」

「ちげえよ（笑）」

う～ん、もう!!
いっつもいいとこ
もってくんだから!!

「私も！」

こうして私達２人は
付き合うことになりました。

・＊。・　後日談　・。＊・

「ていうか、めっちゃ
あっさり告白するんだね！
もうちょっと
ロマンチストかなって
思ってたｗｗｗ」

「ったく、お前は、
いっつも一言余計だよｗｗｗ」

＊ｅｎｄ＊