ドラマチック///// 文化祭

CAST有坂心花

作者：パイナップル

2022.07.20

わたしの名前はコハナ。
中学２年生。

来週からは
待ちに待った文化祭！

お店を出したり、
劇を発表したり、
学校行事で１番大好き！

「ねぇねぇコハナは
あのジンクスやる？」

そう聞いてきたのは
私の親友のレイナ。

「ジンクスって、
好きな人とラストの花火を
見るってやつ？」

「そうそう！
それをやると、両思いに
なれるんだって～！
タスク先輩と見ちゃいなよっ！」

「ちょっと！
あんまり大きな声で
言わないでよ」

タスク先輩は、私の１つ上の
演劇部の王子様って言われてる人。

私も演劇部に入っていて
体験入部のとき
優しくボイスレッスンとかを
教えてくれた時から好きになった。

「あっ！
そろそろ部活の時間だ。
レイナ待たね」

「僕たち演劇部は
文化祭にて劇を発表します。
そして僕を含める３年生は
本来引退していますが
今回のために集まっているので
絶対に最高のものにしましょう」

「はい！」

とみんなが
口を揃えて言う。

タスク先輩
今日もかっこいい・・・

「コハナせんぱーい！」

「シャノンちゃん！」

「せんぱい！
この合わせて言う
セリフの練習
一緒にしませんか？」

「うん！
そうだねしよ」

今回披露するのは
部員が台本をかいた
【花と雨と恋】という作品。

タスク先輩が演じる高校生が
ある日妖怪とパートナーになって
事件を解決していくっていく喜劇。

それで私とシャノンちゃんは
タスク先輩の役の後輩役！

かわいい制服を
着ることができるから
すごく楽しみなんだ～。

「あ、先輩知ってます？」

「え？　何かあった？」

「タスク先輩
彼女いるみたいなんです」

「えっ」

「しかも
その彼女っていうのが
副部長・・・
ミナミ先輩なんですよ」

嘘・・・
彼女いたんだ・・・

でも私しっかりと
話したことないし

勇気もなかったし
当たり前だよね・・・

次の瞬間、目の前が
真っ暗になった気がした。

＊。・－－－－。・－－－－・。＊

「コハナ？　大丈夫？」

「えっ・・・えっとえ?!
タッ、タスク先輩!?」

「練習中に倒れたって
シャノンがすぐに
僕を呼びに来て。
何かあった？
睡眠不足？」

優しい声で
こっちを見てくる。

「いや、私、その・・・」

頑張れ！　コハナ！
勇気をだして！

「先輩、彼女
ミナミ先輩なんですか!?」

「え？　ミナミ？
ミナミはただの友達だよ」

「ほ、本当ですか・・・？」

「あーまた勝手に
噂が流れてたんだ」

とボソボソと
思い出している。

じゃあ、まだ
チャンスあるってこと!?

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

「えええじゃあもう
告白しちゃいなよ！」

「どうやってすれば」

帰ってからレイナと
ビデオ通話を
ずっとしている。

「そうだ！　文化祭の日！
劇終わったら
髪アレンジしてあげる！」

【文化祭当日】

「花と雨と恋」はうまくいって、
私とシャノンちゃんのセリフも
ぴったりだった。

「あの、お疲れさまです！
タスク先輩！」

「あれ？
ヘアアレしたんだ。
かわいい」

かわいい・・・
かわいい・・・
かわいい

「この後お時間あれば
一緒に花火見ませんか？」

「それって
好きな人と見ると
両思いになるってやつ？」

怒ってる・・・!?
やっぱり早かったかな。

「俺から誘おうって
思ってたのに・・・」

「それって」

「コハナ、好きです」

「私も好きです！」

劇のワンシーンみたい・・・

人生で１番の文化祭になった日。

＊ｅｎｄ＊