ヒロインの条件

CAST有坂心花

作者：ゆうちゃん

2024.11.24

司会者（そのま）「次はゲストの
有坂心花さんです～」

観客「きゃー」

心花「みなさんこんにちは。
ニコラ専属モデルの
有坂心花です！」

司会「心花ちゃんは今
ＪＣ、ＪＫのなりたい顔No.１！
ドラマや映画で人気の
高校１年生なんです！」

司会者「いきなりですけど、
付き合ってる人っていますか？」

心花「いませんよ～。
けど、好きな人ならいます」

観客「えー」

心花「それは・・・
ファンのみなさんです！」

観客「私もだよーー」

テレビ終了 ─────

実は私、
秘密にしていることが
あるんです。

小さい頃から好きで、
今付き合っている
彼氏がいるんです。

名前は・・・北島岬。

会える時間がないから、
夕方から夜の間に
２人で公園などを
走っているんです。

岬「おお！　心花！」

心花「やっほー岬！」

走っている ─────

心花「そういえばね、
来月にね、
私の好きな監督がやる映画の
オーディションがあるんだ。
絶対に受かりたいの」

岬「良かったじゃん。
俺ももうすぐサッカーの
レギュラー入りの試合が
あるんだよな」

心花「岬なら入れるでしょ。
こっそり差し入れ
持ってくね」

岬「え・・・」

心花「何よ。文句あるの」

岬「だって心花この間、
蜂蜜レモンの
レモンを切らずに
持ってきたじゃん」

心花「あー！
もうそれ言うの何回目!?
私だってやればできるんだから」

岬「分かってるよ」

（ハグをしようとする）

ふたば「あれー？　岬君？」

岬「あぁ小松崎先輩。
こんにちは」

ふたば「こんにちは。
サッカー部のマネージャーの
ふたばです。
心花ちゃんと幼なじみは
本当だったんだね。
それで・・・２人は
付き合ってるの？」

心花、岬「違います！」

ふたば「まぁいっか。
それより、岬君
明日の練習バテないようにね」

ボディタッチ！

ふたば「じゃーね」

心花「あの人絶対
岬のこと好きだよね？」

岬「そんなことないでしょ。
あの人みんなに
ああいう感じだから」

心花「岬は分かってないな～」

岬「俺には心花がいるから
いいんだよ//」

心花「私、愛されてるなー」

岬の言葉で何年も
がんばれるよ！

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

パシャパシャ

編集者「心花ちゃん、
今日ポージング神ってるね。
何かいいことでもあったの？」

心花「秘密です！」

心花「お疲れ様様でーす」

編集者「お疲れ様ー」

着信履歴岬ママ５件

心花「もしもし」

岬ママ（梨々花）「心花ちゃん！
岬が部活で他の子のと
ぶつかっちゃって！」

病院に着く ─────

心花「岬は！」

岬「心花・・・平気だよ。
少しぶつかっただけ。
母さんが大げさなだけ」

心花「良かったー」

（ハグをする）

岬「ありがとう。
わざわざ」

ふたば「岬君！
お医者さんが呼んでるよ」

岬「あ・・・
ありがとうございます」

心花「来ていたんですね」

ふたば「マネージャーだもん」

ふたば「さっき
見ちゃったんだけど、
やっぱり２人は
付き合ってるんだね」

心花「・・・」

ふたば「でも、無理じゃない？
心花ちゃん忙しいし、
彼氏の大事な時に
そばに一緒にいられないなんて
彼女失格だよ」

心花（彼女失格・・・）

ふたば「じゃーね」

２週間後 ─────

心花（よし！
今日は、岬の大事な試合の日！
応援するぞ！
差し入れも完璧だし）

マネージャー（美優）
「あ！　いたいた。心花！」

心花「松田さん
どうしたんですか？」

美優「映画のオーディションが
来週じゃなくて、
今日だったのよ。
だから、早く車で行きましょう」

ふたば「大丈夫だよ。
岬君は、がんばっていたし。
心花ちゃんがいなくても」

心花（私は・・・）

心花「岬！」

岬「心花！」

心花「ごめん！
私、映画のオーディション
行かなきゃ」

心花「岬！
試合がんばって！
大好き！」

観戦者「あれって
心花じゃない？」

岬「心花！
俺も大好きだから、
主役になってこいよー」

くるっ

心花「ふたばさん。
確かに、私と岬は
あまり一緒にいられません。
だけど、岬ががんばっているから
私もがんばれるんです。
気持ちは１番近くにあります」

心花「松田さんすみません。
行きましょう」

ふたば「はー笑」

車の中 ─────

美優「ばらしちゃって
大丈夫なの？」

心花「はい。今まで
黙っていてすみません」

心花「どんなときでも
岬がいるから
私もがんばれるんです」

美優「まぁそれぐらいで
心花の人気は
落ちないから！」

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

「ねぇ、見て！
心花の映画だ！」

「可愛い！」

「本当に親近感があって、憧れー」

恋も夢もあきらめない。
それがヒロインの条件。

＊ｅｎｄ＊