キングダムオブスクール

CAST有坂 心花有坂 心花

作者:M

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.08.25

ここ、2年B組には
2つの大きな派閥がある。





常に冷戦下のような
雰囲気の教室に、
私、有坂心花もいた。





・・・正直、私は
この派閥争いを心底くだらないと
思っていたし、
いい加減にうんざりしていた。













― ある日の廊下 ―





ずるっ





私はなんの変哲もないところで
盛大に足を滑らせた。





「ちょっと、大丈夫?」





笑いをこらえているのは
親友の麗南。





「痛たたたた・・・・」





なんとか
起き上がったとき、





「あ、これ
君のじゃない?」





声がした。





「あ、ありがとう・・・」





落としたハンカチを
拾ってくれた男子に
思わず頬を染める。





このとき、私は
一目惚れしたのだった・・・





「あーあの男子?
確か松田さんの派閥だよ」





「えっまじか・・・」





うちのクラスの
対立している派閥の
あろうことか私たちの敵(?)
グループの人だったのだ。





「うーん、でもこれは
チャンスかもしれない」





麗南が言い出した。





「もし、心花とあの男子・・・
今井くんが付き合ったらだよ?
今の冷戦状態に
新しい風を吹かせられるかも」





「・・・どういうこと?」





「正直、現状にうんざりしている人って
意外といると思うの。
だから、うちらで2年B組グループを
作っちゃわない?
派閥なんかで争わず、クラスでまとまろー的な。
その皮切りとして
ロミジュリ状態の心花と今井くんに
カップル成立してもらうと」





「な、なるほど?」





「ってことで、いざ告白っ!」





「ええええええって!?」





「ごめん・・・
俺、好きとかそういうの
まだわかんなくて。
でも、実は有坂さんのことは
前から気になってたから
お試しで1週間だけ付き合ってみない?」





麗南に報告すると、





「でかしたっ。
こっちも順調に、グループに
入りたい人が集まってるよ!
すでに15人は決定してます!」





「そんなにっ!?」





私と今井くんが付き合ってから、
さらに加速度的に
2年B組グループに入る人は
増えていく。





そして、1週間後。





「有坂さん。
ちょっといい?」





「う、うん」





今井くんは、私を見つめた。





「すごいね、
・・・最近すごくクラスの雰囲気も
いい方に変わり出してて・・・
有坂さんってすごいなって思って」





「麗南とみんなの
頑張りあってだよ」





少し照れて返す。





「それで、俺・・・
本格的に有坂さんに
夢中になってきたかも」





「・・・!」





「俺でよければ・・・
お試しじゃなくて、
付き合ってもらえませんか?」





「はい・・・!」







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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