隣の席の男の子

CAST佐藤菜月海

作者：るもも

2023.06.14

私は、高校１年生の
ナツミ！

楽しい高校生活・・・
のはずなんだけど。

隣の席のタスク君が
苦手です。

授業中いっつも寝てるし、

起きたかと思えば
教科書持ってきてなくて
毎回貸さなきゃならないの！

それに、
「ありがとう」の
一言もない！

もう！
思い出したら
イライラしてきちゃった。

お気に入りの少女漫画でも
読もう！

ナツミ「あ～あ、タスク君も
漫画に出てくるレン君みたいに
優しかったらいいのに・・・」

＊　次の日　＊

タスク「教科書見せて」

ナツミ「あっ、うん、
机寄せるね」

いつになったら
自分の教科書
持ってくるんだろう。

てか、タスク君
綺麗な顔してるなー。

まつ毛なが！
鼻たか！

タスク「何？」

ナツミ「な、なんでもない」

はぁ、性格悪いの
忘れてたよ。

「別にかっこいいなんて
思ってないし！」

先生「ナツミ、どうした？
何がかっこいいと
思ってないんだ？」

え？
もしかして今の、
声に出てた・・・？

最悪、

タスク「俺のこと？」

ナツミ「いや、これは、
えっと、そのー、」

キーンコーンカーンコーン。

チャイムがなったと同時に
教室から逃げるように
屋上へ向かった。

ナツミ「ほんとに恥ずかしい・・・」

ガチャ

誰か来た。

隠れなきゃ！

って、タスク君？

だけじゃない、
女の子もいる。

クラスで１番可愛い
ユズちゃんだ。

ユズ「タスク君、
ずっと前から好きでした。
付き合ってください！」

告白した・・・？

胸がモヤモヤする。

タスク「無理」

ユズちゃんが振られた。

でも、どこか安心している
自分がいる。

タスク「てか、俺
好きな人いるし」

頭が真っ白になった。

タスクくん・・・
好きな人いるんだ・・・

ポロッポロッ。

あれ？　私、
なんで泣いてるんだろう？

あんなに
嫌いなはずだったのに、

今、気づいた。

私、タスク君のことが

好きなんだ。

ナツミ「グスッ、」

タスク「?!」

タスク「今の聞いてたのか？
おい、なんで泣いてるんだよ」

ナツミ「・・・あの、私、
タスク君のことが好きだったみたい、
だけど、好きな人いたんだ、
って思って、
そしたらなんか
悲しくなってきちゃって、」

全部言っちゃった・・・

ナツミ「ごめんね、
こんなこと言われたら
迷惑だよね、
ほんとごめん・・・」

タスク「迷惑じゃない、
てか、俺の好きな人、
ナツミだから」

ナツミ「えっ？」

何が起こったかわからない。

タスク「だから、俺、
ナツミが好きなんだよ」

「だけど俺、
話しかけれねーから
教科書わざと借りてた」

ナツミ「そうだったの？」

タスク「うん、だから、
こんな俺だけど
付き合ってください」

ナツミ「はい！」

＊ｅｎｄ＊