地味男子と恋したら

CAST佐藤 菜月海佐藤 菜月海

作者:あめのしずく

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.08.20

私の名前は、
中学2年生の
佐藤菜月海(ナツミ)。





私はよく、
「ナツミって可愛いよね~!」
って言われる。





だから理想の男子も、
「絶対イケメンでしょ?」
ってよく想像される。





実際告白も
何人かからされた。





でも実は私・・・





落ち着いたちょっと
地味目な男子が
好きなんだ。





例えば





エイト「なぁレオン、
俺今日忙しいからさぁ、
日直の仕事代わって
くれたりしない?」





レオン「あ、はい、
分かりました」





同じクラスの
丸太怜音(レオン)君。





メガネかけてて、
ちょっと地味だけど、
すごくいい人なのは
見て分かる。





落ち着いてるし、
結構タイプなの!





でもそのせいで
雑用させられてることも
よくある。





ナツミ「レオン君、
私も手伝うよ」





レオン「え、いえ・・・
1人でできますよ」





ナツミ「でも・・・」





カイラ「ちょっとナツミ!
なんでこんな地味なやつと
一緒にいるの!
ナツミに似合うのは
こういう陽キャでしょ」





この子は
高橋快空(カイラ)。





1年生のころから優しくて
とてもいい子なんだけれど、
こんな風に私に似合う方だけを
すすめるクセがあって、
少し苦手。





カイラ「ほらっ、行くよ」





ナツミ「あ、うん・・・」





(こめんね、レオン君)





レオン「・・・」













○*○*○*○*





カイラ「ナツミ~、今日さ、
他クラの男子たちと
合コン行かない?」





(どうせ陽キャの人
ばっかりだろうな・・・)





ナツミ「ごめんカイラ、
今日用事あって」





カイラ「へぇ、何の用事?」





ナツミ「ちょっとね」





カイラ(ナツミ、これは
何か隠してるな)





「・・・分かった。
じゃあまたね」





ナツミ「うん、こめんね」













○*○*○*○*





ナツミ「はぁ、緊張した・・・」





足が自然に
図書室の方へ向かう。





ガラッ





ナツミ「・・・!?」





(誰!?
怖い怖い怖い)





カーテンの向こうに
誰かいるんですけど・・・!





そろりそろりと、
カーテンに近づいて、
誰か確かめてみる。





ナツミ「あっ、あの!」





レオン「!?
ささささ佐藤さん
じゃないですか!」





ナツミ「あ、ごめんね
驚かせて・・・」





レオン「いっ、いえ」





その頃カイラは、
ナツミの後をつけていた。





カイラ「ナツミ、
どこ行くんだろ」





ナツミの向かった先は、
図書室だった。





中にはもう1人
いるっぽい。





中から
聞こえてきたのは、





レオン「僕こそすみません、
驚かせてしまって・・・」





カイラ(丸太レオン・・・!!)





思わずドアを
開いていた。





カイラ「ちょっとナツミ!?」





ナツミ「かっ、カイラ!?」





レオン「た、高橋さん・・・」





カイラ「合コン断って
何してるのかと思ったら・・・
何してるのっ!!
ダメだよナツミは、
こんな地味男といた・・・」





ナツミ「ほっといてよ」





珍しくナツミが
少しいつもより低い声で、
抵抗した。





ナツミ「私は陽キャの人たちなんて
ちっとも好きじゃないし、
むしろ苦手。
だから合コンも本当は
行きたくないの。
なのにカイラは・・・
無理やり押し付けないでよ!!」





カイラ「ナツミ・・・」





一瞬カイラが
泣きそうな顔になった。





レオン「だ、大丈夫ですか・・・?」





レオン君が差し出した
ハンカチを
カイラは振り払った。





カイラ「もう、ナツミなんて
知らないっ!!」





ナツミ「カイラっ!」





レオン「・・・やっぱり
僕のせいですよね。
すみませんでした」





レオンは走り出した。





ナツミ「・・・ごめんね、
2人とも・・・」













○*○*○*○*





・次の日の学校・





ナツミ「おはようございます」





クラスメイト「・・・」





(あれ?
なんでこんなに
静まり返ってるの・・・?)





ユナ「ナツミさぁ、
あの地味男が好きなのぉ?」





ナツミ「え・・・?」





リミ「昨日、地味男と
図書室に2人きりで
いたんだって?」





レン「おいナツミ、
どういうことだよ、
俺の告白も断っておいてさ」





マノカ「え、やばレンの告白
断ったの!?
どんだけ自分に自信あるの?」





ナツミ「!!」





なんで、みんな
知ってるの・・・?





(・・・あ、もしかして・・・)





ナツミ「・・・カイラ?
あなたがみんなに
言ったの?」





カイラ「そうだけどー?
だから何?」





ナツミ「そんなに私が
地味な人といるのが嫌なの?
昨日ほっといてって言ったよね?
なんで嫌なことを強要するの?」





カイラ「だってそれは・・・、
だってクラスで
1番可愛いナツミが
こんなやつと
一緒にいるのなんて
おかしいでしょ」





ナツミ「おかしくない!!」





私の叫び声が
教室に響いた。





ナツミ「私がいたい人と
一緒にいるのは自由でしょ!?
それに私は、レオン君のことを
一度も嫌と思ったことはない!」





ダッ





私は人のいないところに
向かって走った。





1人になりたかったから。





(これ以上私が一緒にいたら・・・
レオン君は迷惑かな。
でも、・・・多分私は
レオン君が好きだから、
諦めたく・・・ないよ)





レオン「ま、待ってください
佐藤さん!」





ナツミ「れ、レオン君・・・
ごめんね、私のせいで
あんなに酷いこと言われて・・・」





レオン「かまわないです。
それに、佐藤さんが
泣いてなくてよかったです」





ナツミ「・・・ねえレオン君、
私がレオン君が好きって
言ったらどうする?」





レオン「えぇっ!?
困りはしないですけど・・・
佐藤さんとその、高橋さんが
仲が悪くなるのは嫌です。
でも、僕は・・・
さっ佐藤さんが好きです!」





ナツミ「うん。私も、
レオン君が、好き。
付き合ってくれる?」





レオン「はいっ!」





私は嬉しくて、
レオン君に抱きついた。





レオン「さささ、佐藤さん!?」





その時、彼のメガネが
とれてしまった。





ナツミ「あっ、ごめんね!
壊れてないかな・・・って」





レオン「?
どうかしましたか?」





ナツミ「・・・カッコいいよ」





レオン「え?」





ナツミ「レオン君、
メガネない方がかっこいいよ!
びっくりした!
すごくカッコいい」





カイラ「ナツミ~!
さっきはごめんね!!」





リミ「私たちもごめん。
ついナツミが可愛いのに
丸太が一緒にいるのが嫌で・・・、
でも誰といるかは自由だよね。
ほら、内田もその他に
ナツミのこと責めた人も謝ろう」





レン「ごめん、
八つ当たりだった」





マノカ「・・・ごめん」





ユナ「ごめんなさい、
ナツミ」





ナツミ「私はもういいけど、
後でちゃんとレオン君にも
謝ってね」





レオン「いえ、僕は全然・・・」





マノカ「・・・え?
ほんとにその人、
ま、丸太?」





リミ「え、イケメン!
そのままでいなよ!」





レオン「そ、そうですか?
では、コンタクトに
してみようかな・・・」





カイラ「で、ちなみに2人は
どういうご関係で~?」





レオン「ぼ、僕の彼女です」





全員「おめでとうー!」





2人「ありがとう」





――――地味男子との恋も、
意外と幸せかも?







*end*

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