記憶の片隅の彼

CAST佐藤 菜月海佐藤 菜月海

作者:りりっぽ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.11.04

・2年前のこと・





ナツミ「またこっちに
戻ってくるかも
しれないんだよね?」





???「おそらくな」





私の好きな人はその日、
遠くへ引っ越すことに
なっていた。





???「あ、渡したいものがあって・・・」





彼はキーホルダーを
2つ出した。





???「このキーホルダー、
ペアルックなんだ。
片方はナツミにあげるよ」





ナツミ「えっ! ありがとう・・・!
でもなんで私にくれたの?」





???「それは・・・」





ナツミ「?」





???「やっぱなんでもない笑」





ナツミ「あはは、へんなのー笑」





???「あ、もう出発の時間だ。
じゃーな!」





私は彼の乗った車が
見えなくなるまで
手を振り続けた。













・2年後の現在・





ナツミです。
私は今、誰かと過ごした記憶が
どんどん無くなってくっていう
原因不明の症状があるの。





でも、なぜか1つだけ
絶対に忘れないのは
2年前、
私が中1だった時に
好きな人が
引っ越していった時の記憶。





でも、誰なのかは
覚えてない。





実はこの記憶が
私の他の記憶が戻るカギに
なるかもしれないらしいんだけど・・・





アキ「ナツミ!
おっはよ!」





ゆなな「おはよ~!」





ナツミ「あっ、
2人ともおはよー!」





この2人は
親友のアキとゆなな。





記憶が無くなっていく私でも
仲良くしてくれる、
めちゃくちゃ優しい
友達なんだ!





それに、2人は
私の2年前の記憶のことも
知っているの。





アキ「ねえ、今度さ、
前も行ったけど
渋谷に服買いに行かない?」





ゆなな「いいね~!」





ナツミ「あれ?
前行ったっけ?」





ゆなな「1ヶ月前に行ったよ~!」





ナツミ「ごめん、、
もう私忘れてる・・・」





ゆなな「全然気にしてないよ!
ナツミの記憶、
いつか絶対戻るよ~!」





アキ「そうだよ~!
だから気にしないで!」





記憶が戻る確率なんて
ほぼないのに、
2人はいつも私を
励ましてくれる。





ほんとにアキと
ゆななは優しいな・・・













・数日後・





ゆなな「今日、転校生が
くるらしいよ~!」





アキ「イケメンかなぁ~!」





ナツミ「いや、男子とは
限らないよ笑」







そして朝礼で_____





ナオヤ「紀田ナオヤです。
よろしくお願いします」





わあ・・・
イケメン・・・
でもナオヤって名前・・・
なんだか懐かしいような・・・





先生「じゃあ席は
あそこの佐藤の
隣の席な」





私の隣!?





ナオヤ「よろしく!」





やっぱり
懐かしい感じ・・・
でも初めて会ったのに
なんでだろ・・・





ナツミ「こちらこそ!
私は佐藤ナツミって
いいます!」





ナオヤ「待って、
ナツミ・・・??」





え、私のこと知ってる!?





てか、なんで初対面なのに
こんなに
ドキドキするの・・・!?





ナオヤ「もしそうなら・・・
俺のこと覚えてる?」





何か違和感を感じながらも、
私じゃないことを伝えた。





ナツミ「ごめん・・・
人違いじゃないかな・・・?」





ナオヤ「そっか、、
ごめん急に!」





何故か心が
しゅんとなった。













・昼休み・





アキ「ナツミ、
イケメンナオヤくんと
隣になったね!
一目惚れ、したっ?」





ナツミ「なんでそうなるかなー笑
でもさ、なんかナオヤくん、
私のことを知ってるような
感じだったんだよねー」





ゆなな「もしかして
2年前の彼かな!?」





ナツミ「そんな簡単に
会えるわけないよ、、
しかも誰なのか
覚えてないし・・・」





その後、数日間、
ナオヤと色んなことを話した。





そして、呼び捨てで
呼ぶくらい
仲良くなれた。





それに、いつも
ナオヤと話すと
懐かしい気持ちと同時に
恋した時のような気持ちになる。





私、なんで
ナオヤ関連のことになると
何か感じるんだろ・・・













・数日後、授業の合間で・





ナツミ「ナオヤ、
この問題、
どうやって解くの?」





ナオヤ「ここはこうして・・・」





ナオヤに教えて
もらっていると急に、





リミ「ねえナオヤくん、
ナツミって
誰かと過ごした記憶が
どんどん無くなっていくの、
知ってる?」





ナオヤ「えっ・・・」





リミ「どーせナツミと
一緒に居ても
ナツミ側には
なんも残らないんだよ?
だから私と一緒にいようよ!」





目の前が
真っ暗になった。





なんでリミが
それを知ってるの・・・?





私は教室を飛び出した。





ナオヤ「ナツミ!」





ナオヤが私のことを
呼ぶ声がしたけど
私は授業が始まるまで
トイレにこもっていた。





今日はそれっきり、
ナオヤと話すことはなかった。













・次の日の昼休み・





アキ「ナツミ!
ちょっと先生に
呼ばれたから、
待っててくれないかな?」





ゆなな「ちょっとで
戻るからね!」





って2人は
言ってたけど・・・





ナツミ「もー、、
全然帰って来ない・・・」





その頃、アキとゆななは____





実はナオヤに
ナツミと仲がいい2人に
相談に乗って欲しいと
言われていたのだった。







(ここは屋上)





ナオヤ「あのさ・・・
ナツミって
誰かと過ごした記憶が
なくなるんだって?」





アキ「どうして知ってるの?」





ナオヤ「昨日、ナツミに
問題教えてたら
リミが本人の目の前で
言ってきて・・・」





アキ「ひどい・・・」





ナオヤ「だよな・・・
それでさ、ナツミって
今までの思い出は
全部忘れちゃってるの?」





ゆなな「いや、2年前に
引っ越して行った、
好きな男子からキーホルダー
貰ったっていう記憶は
唯一忘れてないらしいの!」





ナオヤ「待って、その
キーホルダーってこれ?」





アキ「えっ・・・
全く同じやつ
持ってたよ・・・!」





ナオヤ「やっぱり
本人だったのか・・・
初めて会った時
ナツミは俺のこと
知らなさそうだったし、
てっきり人違いだと思ってた。
実は俺も昔から
幼馴染のナツミのことが
好きなんだよね・・・」





ゆなな「幼馴染だったんだ・・・!
てかさ、両想いじゃん!!
放課後告白しちゃいなよ~!」





アキ「私達も見守るよ!」





ナオヤ「そうするよ///」













・放課後・





ナオヤ「ナツミ、ちょっとさ、
屋上に来てくれないかな?」





ナツミ「ん? いいよー!」





でもなんだろう・・・





てか、アキとゆなな、
何かソワソワしてる・・・





ナツミ「2人ともなんで
ソワソワしてるの?」





アキ「えっ!
ソ、ソワソワなんて
してないよねっ?」





ゆなな「う、うん!
いつも通りだよ!」





なんか昼休みから
2人とも変だな・・・













屋上に着いて____





ナオヤ「・・・あのさ、ナツミ。
これ、覚えてる?」





ナオヤが見せてきたのは
私が2年前に
好きな人から貰った
あの時のキーホルダーだった。





ナツミ「これって・・・!
嘘!?
もしかして、2年前
引っ越していったのって
ナオヤだったの・・・!?」





ナオヤ「うん。
ナツミのことが好きだったから
引っ越す時に、ペアルックの
キーホルダーを渡したんだ。
それに今もナツミのことが
好きだよ・・・!
良かったら、俺と
付き合ってくれませんか?///」





2年前の記憶が
全部蘇る。





そうだ、
あの時の彼は・・・





幼馴染の
ずっと好きだった
ナオヤだ・・・!!





だから私はナオヤといると
恋した時のような気持ちに・・・





気づいたら私は
ナオヤに抱きついていた。





ナツミ「今、何もかも思い出したよ!
幼馴染だったことも、
ナオヤが引っ越す時、
私にキーホルダーを
くれたことも、
それにずっと
好きだったことも・・・!
なのに人違いなんて
言っちゃって
ほんとにごめん!
私で良ければ
付き合ってください!」





言っている間に
自然と涙が出てきた。





それに、ナオヤのことを
思い出したことで、
他の人、そしてアキやゆななと
過ごした記憶も全部思い出した。





ナオヤ「じゃあ・・・
今日からよろしくな///
でもナツミの記憶が戻って
ほんとに良かった・・・」





ナツミ「私も・・・!
このままずっと記憶が
無くなっていくのか
心配だったよー泣」





すると、





アキ「うう~
感動だよぉ~泣」





ゆなな「ナツミ・・・
おめでとう~泣」





ナツミ「2人とも
なんでいるの!?
しかも泣いてるし。
でもさ、私ナオヤのこと
思い出したら
2人と過ごした記憶も
戻ったよ!」





ゆなな「本当!?」





アキ「良かったよ~泣」





ナツミ「もー2人とも
泣きすぎ!笑」





ゆなな「だって~泣」





私はもう
誰かと過ごした記憶が
消えることは無くなった。





もう絶対に
忘れたりしないよ!
アキ、ゆなな、ナオヤ!











*end*

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