中学生、そして高校生

CAST佐藤 菜月海佐藤 菜月海

作者:*さくらんぼ*

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.10.16

「中学生」





君と出会い、別れた時。





「高校生」





また出会う。









*** 中学生 





私の名前は、佐藤ナツミ。





自分で言っちゃうけど、
男子がいつも寄ってくる。





だけど・・・
男子は苦手。





ナツミ「いつも人のことバカにして、
声がうるさくて。
だから男子は苦手なの・・・」





?「ナツミ・・・
モテんのに災難だね・・・」





この人は、池端アンジ。





女子は私に嫉妬するから
ほとんどしゃべったりしてくれないけど、
アンジだけは仲良くしてくれる、
大親友なんだ。





?「おはよ、佐藤さん」





この人は、男子の中でも
唯一しゃべれる人、内田レン。





だから、一緒にいると
安心するんだ。





ナツミ「おはよ! 内田くん!」





レン「ははっ! 元気いいねー!」





ナツミ「う、うん」





「あ、やべっ! 先生来た!」





先生「ん、何かやけに静かだな。
まいいや。授業はじめっぞー!」





ピコーン♪





あれ? LINEの音だ・・・
誰からだろ。





そこには【内田レン】と
書いてあった。





レン《突然だけどさ、
今度の日曜日遊びに行かない?》





ナツミ《日曜日? いいよ!》





レン《じゃあ、駅前に
10時集合でいい?》





ナツミ《いいよ。
楽しみだなぁー》





その時、
ものすごく嬉しくて。





今からでも出かけたい、





そう・・・思ってた。

















*** 日曜日 ***





ナツミ「何着てこー・・・
あ! もう9時じゃん・・・」





そういえば、新品の洋服が
あったような・・・





ナツミ「これ・・・可愛い・・・
これでいっか!」





ナツミ「行ってきまーす!」





母「行ってらっしゃーい」





ウキウキな気分で
向かった駅前。





ついたのは
9時45分だった。





ナツミ「まだ来てるわけないよね。
10時になったらLINEしよっ」





そして、10時になったから
私は【内田レン】と書いてある画面に
「着いたよ」と打った。





だけど・・・





10時になっても
内田君は来なくて、





12時になってしまったから、
LINEの画面を見た。





ナツミ「あれ・・・内田君
やっぱり返事ないな・・・
このまま待ってみるか」





内田君が来なかったことに
すごく悲しくて、
何だかモヤモヤした。

















*** 翌日 ***





アンジ「ナツミおはよ!
昨日、内田と出かけたんだって?」





ナツミ「出かけてないよ。
行っても・・・
内田君は来なかった。
何かあったのかな?」





?「ナツミちゃん知らないの?」





この人は内田君の友達、
河島エイト君。





仲がいいわけではないけど、
よくしゃべる人。





エイト「あいつは・・・
転校したんだ。昨日」





頭の中が
真っ白になった。





あぁそっか。





だから昨日
来なかったんだ・・・





ナツミ「・・・・・・そうなんだ!
じゃあ・・・
昨日来れなかったのは
仕方ないよね」





アンジ「ナツミ・・・」





これは、中学3年生。





「転校した」と聞いた時から、





内田君はこの学校には
来なかった。





そして、中学校生活は
終わりを告げた。

















*** 高校生 ***





アンジ「ナツミーー!
クラス一緒だよ!」





ナツミ「うそ、本当!?
やった!」





男子「なぁ、あの子可愛くね?
ナツミって子」





男子「確かにな・・・」





ナツミ「他に同じ人いないかな?
あ、見て見て!
河島君一緒だよ!
あと・・・内田君も!」





アンジ「内田もかーー・・・
ん? 内田・・・?」





ナツミ「うん・・・
あれ、内田君?
まさか、帰ってきたとか!?」





探しに行こうと思った
その時―――。





男子「ねぇ!
名前なんて言うの?」





男子・・・?





やめて、来ないで!





ナツミ「え、あ、」





?「悪ぃな、こいつ
俺の彼女だから」





「許可なしに触んな」
と、彼は言った。





誰が助けてくれたんだろう、
お礼言わなきゃ。





ナツミ「あの・・・助けてくれて
ありがとうございました」





?「1年で名前忘れたのかよ。
相変わらず天然だな」





この声って・・・
もしかして・・・?





ナツミ「うち・・・だ・・・くん?
内田君だよね!?
どうしたの? 急に戻ってきて・・・」





レン「俺、戻っちゃダメだったのかよ」





ナツミ「違うけど・・・
だって、何も言わず
転校しちゃったじゃん・・・
あの日だって・・・」





レン「ごめんな、
何も言わずに行っちゃって」





ナツミ「言葉づかいも
性格も変わってるし」





レン「ごめんな・・・けど、
もうあの頃の内田レンは
いないよ」





そう言って
ちょっとだけど
笑顔になった。





その笑顔を見て・・・
ドキッとしてしまったんだ。





少しだけど、
知ってしまった。





高校生の内田君を。

















*** クラス ***





先生「じゃあ、これから
このクラスの担任をする
近藤ユラです。よろしくね」





女子「よろしくー」





ユラ先生か・・・
いい先生っぽいな。





ユラ「えっと・・・転校してて、
席が決まってない子がいるから・・・
隣あいてる子いない?」





ナツミ「先生、私の隣あいてます!」





ユラ「じゃあ、内田君。
そこ座って」





レン「はい。・・・って
なに驚いてんだよ」





内田君はそう言いながら、
隣の席に座った。





ナツミ「だってさぁ・・・
駅前でいなかった人が
ここにいるんだよ。
そりゃ驚くよ」





その時、もしかして
相手が嫌がることを
言っちゃったかなって思って、
後悔した。





レン「もしかして・・・
ずっと待ってた?
2時間も3時間もずっと・・・・・・・」





ナツミ「待ってたよ? ずっと。
12時になっても来なかったから、
交通事故とかで
巻き込まれちゃったのかなとかって心配して。
でもやっぱり来なくて。
だから、次の日に聞いてみようと思って帰ったの」





レン「ごめんな、引っ越しで忙しくて。
言いに行こうと思って出かけようとしたら・・・
行かなきゃいけない時間になったから・・・」





ナツミ「・・・・・・・・・分かったよ。
今ここにいるのは
中学生の内田君じゃなくて
高校生の内田君だもんね。
きっと理由があるんだろうから
もうその話は聞かない」





レン「(ドキッ・・・)
そういうとこは変わってねーな」





ナツミ「へ? 何が?」





レン「べ、別に・・・」





エイト「よっ! レン!」





レン「あ、エイトじゃねーか!
お前、背伸びたなー」





エイト「お前・・・変わったな・・・」





レン「佐藤にも言われたよ。
ははっ!」





お、お、佐藤っ!?
佐藤さんじゃなくて!?





アンジ「うちの存在
忘れないでくださーい(怒)」





レン「おぉ、悪ぃな・・・
相変わらず怖ぇえー」





アンジ「うるっさいわ!!」

















*** 放課後 ***





今日も学校、
楽しかったなぁ。





中学校の時みたいに
無視する女子もいないし。





楽しくできそうかな。





子ども「わーん・・・
ひっくひっく・・・」





子どもが泣いてる?
どうしたんだろう。





ナツミ「ねぇ、キミ、どうしたの?」





子ども「あのね、僕が持ってたね、
ボールをね、持ってっちゃったの」





ナツミ「どんな人が
持ってっちゃったの?」





子ども「あの人たちだよ。
あのボールね、
お父さんと遊ぶために
お母さんが買ってくれたんだ」





あの制服は確か・・・!
私の学校だ!





しかも、今日の
入学式にいた人たち!





ナツミ「ちょっと待っててね。
お姉ちゃんがボールを
取り返してくるから!」





って言ったはいいものの・・・





男子苦手じゃん!





でも、言っちゃったもん。
しょうがないよね。





男子「キャッチボールしよーぜー!」





男子「おぉ! いいね!」





ナツミ「ちょ、ちょっと!」





男子「ん? あ!
入学式でいた可愛い子じゃん。
どうしたの?」





ナツミ「そ・・・そのっボールを・・・
あの男の子に返してください!」





あぁーもー・・・
言っちゃったよ・・・





男子「借りただけだって!」





ナツミ「本当なの?」





私は男の子に聞いた。





そうすると、
「うん」と頷いた。





でも、無理矢理だから
泣いてたんだよね。





ナツミ「でも・・・っ!――――」















*** レン達3人 ***





エイト「でも、何で今頃
帰ってきたんだよ」





レン「俺・・・
佐藤と出かける約束してたんだ。
だけど、行けなかったから、
せめて謝らなきゃなって。
それと・・・池端
お前、どこ見てんだよ・・・」





アンジ「あれ・・・
ナツミじゃない?」





そう言って指さした方向には、
女子と3人の男子で
何やら話をしていた。





アンジ「カバンについてるクマのやつ・・・
エイト、あんたは見覚えあるでしょ!?」





エイト「ん―――!?
あれはナツミだ! 間違いねぇ」





レン「(ナツミって・・・怒)
でも何やってんだよ」





アンジ「前、小さい子が泣いてたんだ。
それで、あたふたしてたら
ナツミが助けてくれたの。
もしかしたら、あの男の子のことで
2人に言ってるのかも」





エイト「ナツミは男子苦手だろ、
俺とレン以外はだけど。
あいつ無茶すんの好きだなぁ・・・」





レン「あいつ、
全然変わってねーな」





エイト「ははっ! まぁな」





アンジ「何ほんわかしてんの!
ナツミが・・・
連れてかれたらどうするの・・・!?」





レン「待て、黙れ」





アンジ「でもっ」





レン「今日の朝も
あいつら2人に絡まれてた。
ナツミに触んなっつったの俺だから
行ってくるわ」

















*** ナツミside ***





ナツミ「普通だったら返しなさいよ!
こんなに泣いてるんだから・・・
っきゃ!」





ついに叩かれちゃった。





痛い・・・
誰か、助けて!





レン「なつっ・・・
佐藤、大丈夫か!?」





男子「かっ、返せばいいんだろ?
ほらよっ」





レン「お前ら、
謝ることくらいできねーのかよ!」





ナツミ「この人たちは関係ない!
私が首突っ込んじゃっただけだから!」





レン「心配させんな。
あの日のお前みたいになったじゃねーか。
このバカ」





そんなことを言いながら、
右手で私の顔を
内田君の肩に乗せた。





ナツミ「ごめん・・・なさい・・・」





内田君の制服のすそを
少しつかんだ。





それだけで、安心して、
固まってた体が
ちょっとふらついた。





レン「おい、大丈夫かよ!」





ナツミ「ごめん。
緊張が・・・ほぐれて・・・」





アンジ「ナツミっ! 大丈夫?」





エイト「ナツミ、お前よく頑張ったな」





ナツミ「ありがと・・・」





アンジ「帰ろっか!
じゃ、うちとナツミこっちだから。
じゃーね!」





レン&エイト「おう!」















*** ナツミ&アンジ ***





アンジ「本当びっくりしたよ!
ま、ナツミらしいけど」





ナツミ「でも、内田君が助けてくれなかったら
今頃、どうなってたんだろうなぁ・・・」





アンジ「あと、
聞きたいことがあるんだけど・・・
ナツミはさ、内田が好きなの?」





ナツミ「好き? ・・・って何?」





アンジ「そこからかー(笑)
これは違うかもしれないけど
読んでた本で見たの。
3秒間だけ相手の目を見れば
答えが見つかるって。
だから、答えを出してみなよ」





ナツミ「3秒間・・・?
内田君を・・・?
無理無理無理っ!」





アンジ「大丈夫だって!
それで答えが見つからなかったら
うちに何でも言っていいよ」





ナツミ「う、うん」

















*** 翌日 ***





ナツミ「あーもう・・・
何で昨日あんなこと
やっちゃったんだろう・・・
顔見れないよ」





服のすそ
つかんだとはいえ・・・





どうしよー。





叩かれたとこは
腫れてるし・・・





ナツミ「お母さん! 保冷剤!」





母「はい、ナツミ。保冷剤」





ナツミ「ありがとう。
行ってきまーす!」





教室入って
「おはよ」って
ちゃんと言えるかな。

















*** 学校 ***





女子「ナツミっ! おはよ!」





ナツミ「あ、お、おはよう!」





男子「佐藤! おはよ」





ナツミ「お、おはよう」





レン「よっ。佐藤」





ナツミ「内田君・・・!
お、おはよ」





昨日のアンジの・・・
3秒間。





答えを出して。





内田君の顔を
どうして見れないのか。





レン「何驚いたような顔
してんだよ」





カチ・・・カチ・・・・
カチ。





その3秒後。





やっと答えが
分かったとき。





内田君は
いつもの笑顔で笑った。





その時、分かった。





私、内田君が――――――。





ナツミ「好き・・・」





レン「・・・・・・ん?」





私、まさか!





ナツミ「え、え・・・えっと・・・
あの・・・その・・・
内田君がえっと・・・」





レン「好きだよ」





ナツミ「え?」





レン「だから・・・佐藤のこと。
俺は好きだよ。
何回言わせんだよ。
このバカっ」





ナツミ「わ、わ、
私も好き・・・だよ」





2人で笑いあって、





その後は手をつないで
教室へ向かった。







Happy end♪

*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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