卒業式まであと少し

CAST佐藤菜月海

作者：はつめ

2023.01.02

ある、桜が咲きかけようと
している春の日。

。　。　。　。　。　。　。

私の名前は、佐藤菜月海。
中学生３年生だ。

私はあと２日で
ニコラ学園を卒業するの。

私は、たくさんの人に
恵まれた。

例えば・・・

言いかけた矢先、
誰かが私を呼んだ。

「どうしたの～～！」

「どうしたのー！
じゃないよ!!!
ビックニュースだよ～!!」

「はしゃぎすぎ笑」

この明るい子は、池端杏慈。
私はアンジと呼んでいる。

とても人懐っこい子で
誰からも好かれるいい子だ。

「なんとね、
美杏ちゃんと優行くんが
付き合ったの！」

「まじで!?!」

美杏ちゃんは
私の部活の後輩で、
とってもお洒落な女の子。

優行くんは
委員会の後輩で、
とても明るい
ムードメーカーな子だった。

アンジによると、
２人は幼なじみで
遊園地の観覧車で
告白したらしい。

美杏ちゃんとは
非リアトークをしてきた
仲なのに・・・

でも、おめでとう！

「そうなのかっ・・・」

「本当！
本人から聞いた！」

実を言うと、
私は今
好きな子がいる。

犬飼太陽くんと言うのだが
とても優しくて
明るいいい子なんだけど
そんなところに惚れて
好きになったの！

そっか、美杏ちゃん
付き合ったんだね・・・

私もがんばらなくっちゃ！

あと卒業まで２日だしね。

・＊。・　放課後　・。＊・

「美杏ちゃん！
聞いたよ！
おめでとう～！」

「先輩ありがとうございます！
先輩も頑張ってください～！」

「それとなんだけど、
美杏ちゃんは
どうやって告ったの？」

「無理やり
思い出作りと言って
遊園地に連れて行って、
観覧車で告りました！」

「私もそうしよっかなあ・・・」

。　。　。　。　。　。　。

卒業まであと１日。

学校につき、
私はたまたま１人の
太陽に声をかける。

「やっほ太陽～」

「やっほ！」

「明日うちら卒業じゃん？
今日遊園地行こうよ！」

無理やりだけど・・・
いいよって言って・・・!!

「え、遊園地？
いいよー!!
たのしそ！」

やったあ!!
こみ上げてくる嬉しさを
声に出さぬよう、
気をつける。

「今日○○公園に集合ね！」

「り～」

・＊。・　放課後　・。＊・

「かわいいお洋服は・・・
メイクは・・・」

今日の私は、
クローゼットの奥に
しまわれている
可愛い服を着ようと
決めていた。

メイクは
初めて買った
コスメを使って。

約束通りの
時間になった。

少し家を出るのが
遅かったので、早足で進む。

公園に長身の
太陽の姿が見えた。

「太陽！
遅れてごめん～」

「いいよ！　平気～」

「じゃあ行こっか！」

それから私たちは
たくさん遊んだ。

夕日がそろそろ
沈もうとしていた、
そのとき。

「次は、観覧車に乗ろっか！」

「おけ！」

ばくばく

心臓が跳ねる。

でも私は、ここで
告白しないと後悔する。

それだけは、絶対に嫌。

スタッフさんが
明るい笑顔で
観覧車のドアを
開けてくれる。

私は決めていた。

１番高くなった時に
告白するって。

観覧車が動き始める。

だか私たちは
一向に喋らない。

あとそろそろ
１番高くなる時になった。

口を開け始める。

「あの・・・」

「えと・・・」

「「ずっと前から好きでした。
付き合ってください！」」

「え？」

「へ？」

まさか、太陽が
私のことが
好きだっただなんて・・・
信じられない・・・

「笑
一生大切にする！」

「まじで？笑
これから、どうしよ！」

これで私の、
中学校３年生の
最高の思い出ができた。

＊ｅｎｄ＊