勇気があれば、なんでもできる
作者:サーたん
「ずっと好きでした。
付き合って下さい!」
――― さかのぼるコト数時間前 ―――
「おっはよーー♪♪」
私は、元気が取り柄の
有坂コハナです☆
最近、すんごくはまっているコトが
あるんです・・・
それは・・・
「おい。
そんなトコに突っ立ってんな」
こいつは久野ナツ。
私の幼なじみ。
実は、はまっているコトというのは、
こいつのコトなんです。
「うっさいなーー。
別にイイでしょ、別に」
「良くねぇ。
今俺は、とびきり
HAPPYな気分なんだ」
「は?」
「見ろ。
このたくさんのチョコを」
あ。今日はバレンタイン・・・
ナツはモテるんだった・・・
「あのさ・・・
お前からはねぇの?」
え・・・それって・・・
「じょ、冗談だよ。じゃーな」
あ。
「チョットいいの?!
ナツ君にチョコ渡さなくて」
この子は私の心友、フタバ。
いつも助けてくれる、
お母さんみたいな存在だ。
「わ、分かってるよ」
「そんなコト言ってると、
今年も渡せないで
終わっちゃうからね!」
「う、うぅ・・・」
図星でなんにも
言い返せない。
このままだと
本当に渡せない・・・
でも・・・
今日こそは告ると決めたんだ。
絶対言ってみせるぞ。
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
「おーいナツ!
お前の彼女が呼んでるぞーー」
ドキっ。
彼女・・・か。
「えーーー!
ナツ彼女いたの!?」
たくさんの女の子達が
叫んでる。
嬉しい・・・けど、
なんだか胸が痛い。
その子達は、ナツに
くっついているから・・・
「ちがっ・・・
か、彼女じゃねぇーよ」
「そうなんだぁー。
良かったぁ。
じゃあアタシにも
チャンスあるね」
「残念。俺、もう
好きな子いるから」
え!
いたんだ・・・
ナツがチラッと
コッチをみてきた。
だけど、今は、顔をしっかり
見るコトができない。
「ナツくぅ~ん」
あっ。この子だ。
いつもナツにベッタリの子。
「はい! チョコだよぉ。
今年はハートがたくさんだから」
「おぉ! 毎年サンキューな。
いっつもくれるけど、大変だろ?」
「ううん。
ナツ君のコトを考えて
作ってるからぁ、
全然苦じゃないよぉ」
「そうか! ならいいんだ」
「ふぅーー。
お2人さんあついねぇ」
「はぁ!?
んなことねぇよ!」
「んもぉ、ナツ君たら
照れちゃって。
ホントのコトなんだから、
照れなくていいんだよぉ」
ズキっ。
もうイヤになってきた。
少しでも希望を持っていた自分が
馬鹿らしくなってきた。
泣きたい気持ちになったときには、
もう走り出していた。
私が好きになったのが
間違いだったんだ!
好きにならなければ良かった。
「うぅ・・・
ヒック、ヒック・・・」
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
泣き疲れた私は、泣き過ぎで
授業に出れる状態じゃなかった。
保健室で休んでたら、
フタバが来てくれた。
「どうしたの? コハナ」
優しい声に、
また涙が溢れ出た。
「ゆっくりでいいから
話してごらん」
「うん・・・」
私は泣きながら、
全てを話した。
フタバは、
黙って聞いてくれた。
「そっか・・・辛かったね。
でも、コハナ?
このままでいいの?
まだあの子が
ナツ君の好きな子とは
決まってないよ。
ずっと好きだったんでしょ??」
「・・・うん」
「なら、自分の気持ち、
伝えてこなくていいの?
何年も溜めてきた気持ち、
ぶつけてきな」
フタバの言葉で目がさめた。
そうだ・・・
自分はずっとナツが好きだった。
この気持ちは誰にも負けない。
「フタバ、ありがとう。
フタバのおかげで、
自分の気持ちに正直になれたよ!」
「うん!
今からでもチョコ持って、
自分の気持ち伝えてきなさい」
「はい」
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
はぁ・・・はぁ・・・
ナツ、どこにいるの?!
私は走り回って、
ナツを探していた。
「ナツくぅ~ん。あ、あのねぇ」
あ、この声・・・
ここはナツの教室だった。
まだ人がたくさんいて、
皆ニヤニヤして
ナツとあの子を見ている。
ナツ・・・
きづいたら、私は
ナツの教室に入ってた。
「コ、コハナ!?」
ナツが驚いた顔で見ている。
コハナは覚悟を決めた。
「ナツ」
「な、なんだコハナ」
「コレ・・・ハイ」
私はやっとチョコを渡した。
恥ずかしいけど、
まだやるコトがある。
「ずっと好きでした。
付き合って下さい!」
やっと言えた。
ナツの答えが悪い結果でも、
言えただけで満足だった。
「チョットぉ?
なに告ってんのぉ?
アタシが告ろうとしてたの
みてたでしょぉ?」
「わ、分かってる。
だけど、自分の気持ちに
ウソはつきたくないの」
思わず口に出してしまった・・・
「はぁ? ふざけんなよ」
「もうやめろ」
「ナツ・・・」
どうしよう・・・
怒らせちゃったかな・・・
「ナツくぅ~ん、あの女に
なんか言ってやってよ」
「そうだな」
あぁ。振られるな・・・
「コハナ」
「・・・・・」
「俺もお前が好きだ」
え?
驚き過ぎて、声が出なかった。
代わりに、教室にいた皆が驚いた。
皆、次々声を出していく。
「イヤぁ~~~~~~」
大声が聞こえたと思ったら、
あの子だった。
泣きながら走り去っていた。
「あー・・・
後で謝ってこないとだなぁ」
「そうだね」
私は嬉し過ぎて、
スゴイ顔になってしまった。
「なんだよ。気持ち悪いな」
「ふふっ」
私とナツのまわりに、
大勢の人が集まっていた。
皆、おめでとうと言って、
拍手してくれた。
フタバがきて、
抱きついてきた。
「良かったね、コハナ」
「うん!
本当にありがとう、フタバ」
○。。・☆。。○。。・☆。。・○。。・☆。。○。。・☆。。○
帰り道、ナツと
手を繋いで帰った。
嬉し過ぎて、幸せ過ぎて、
上手く喋るコトができない。
「コハナ・・・」
「ん?」
「これからもよろしくなっ」
あぁ・・・
今日、しっかり言えてよかった。
コハナの頭の中にふと、
その言葉が浮かんだ。
「うん!
こちらこそよろしくね」
――― それから ――ー
「おーい! コハナ」
「待って。今行く」
私とナツは、
今でもLOVELOVEです♪
☆END☆
*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。
有坂 心花

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