恋の警察学校 ~Love police story~

CAST足川 結珠足川 結珠

作者:ユヅ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.01.19

「バッカじゃないの?!」





「それはこっちのセリフ!」





「はあ?!
ふざけないでよ!
だいたいそっちが
喧嘩ふっかけてきたんでしょ?!」





「売られた喧嘩を買う方が
悪いっつーの!」





「何よ、
言い訳するつもり?!」





「言い訳じゃないし!」





私たちは、
お互いに怒鳴り合った。













☆....☆....☆....☆





私、足川結珠は、
警察学校の髙等部1年生。





警察官になることを目指して、
日々訓練や授業に取り組んでいる。





私は、ある理由で
警察官を目指しているんだけど、
なぜかそれが
気に食わないという奴がいる。





さっきまで、そいつと
喧嘩をしていたところだ。





そいつ―――――
佐藤菜月海は、
なぜか警察を嫌がっている。





警察を尊敬している私と、
ちょうど噛み合わなかったのだ。





そして、なんの縁か、同じ班で
1年間過ごすことになってしまったのだ。













☆....☆....☆....☆





朝。





私は、朝食を食べるために
食堂にいた。





1人で席について
朝食を食べていると・・・





?「あれ~?
足川ちゃん、1人?」





めんどいのが来た。





こいつは、私の同期、
河島英人。





顔のおかげで
女子にはモテるんだが、
それをいいことに、
学校内でもナンパしまくる
チャラ男だ。





ユズ「1人だけど?」





エイト「俺と一緒に・・・」





?「はい、どいてー」





突然、誰かが
エイトの声を遮った。





ユズ「カイラ、おはよ」





この子は髙橋カイラ。
私の数少ない友人だ。





カイラ「おはよ、ユズ」





カイラは、
私に挨拶したあと、
卵焼きを食べながら、
エイトの方をチラリとみる。





カイラ「早く座れば?」





エイト「はい、はい。
もう、髙っちゃんには
敵わないな~」





カイラ「髙っちゃんって呼ぶな!」





?「はいそこまで!」





カイラとエイトの
口げんかを止めるためか、
また誰かがやってきた。





ユズ「あ、ルワ!
おはよ~」





南龍和は、
うちの班の班長で、
真面目なしっかり者。





ルワ「おはよ、ユズ」





今日も爽やかスマイルが
カッコいい・・・!!





エイト「はよ~」





カイラ「おはよ」





ルワが来ると、
だいたい場の空気が
和やかになる。





ルワ「あ、ナツミもきた」





ユズ「え?」





ルワの視線の先を見ると、
そこには、昨日
喧嘩したばかりのナツミが、
朝ご飯を持って
キョロキョロしていた。





席を探してるのか?





エイト「おーい、
佐藤ちゃーん、
こっち会いてるぜ!」





・・・バカタレ。





なんであいつを呼ぶんだ。





しかも、あと空いてるのは
私の前。





気まずいにも
程があるっつーの。





ナツミも、一瞬
顔をしかめたものの、
ほかに空いている席が
見つからなかったようで、
渋々こっちにやってきた。





エイト「あれ?
佐藤ちゃん、元気ないね~」





いきなり地雷を踏みに行く
エイトを、ナツミは
ひと睨みした後、
黙って朝食を食べ始めた。





そして、自然と
私の口数も減っていく。





私とナツミの間に流れる
不穏な空気に気づいたのか、
ルワがボソッとつぶやく。





ルワ「ケンカでもしたのか・・・?」





ユズ&ナツミ「「違うし」」





ここは、皮肉にもピッタリ合い、
私たちは、またお互いに
睨み合った。





カイラ「もう、なんでそんなに
バチバチなの?
いつも以上じゃない?」





ナツミ「ユズがケンカ
ふっかけてきたから、
正論を言っただけ」





ユズ「はあ? どこが正論?」





ナツミ「私が言ったこと全部」





ユズ「冗談やめて。
全部曲論だったし」





ちなみに、
『曲論』っていうのは、
ねじ曲がったこと、
つまり間違っていること
っていう意味。





ナツミ「うざっ」





ナツミが何か
言った気がしたけど、
私は聞かないことにした。





これ以上ヒートアップして、
ルワに嫌われたらイヤだし。





ルワ「そういえば、
もうすぐ冬休みだ」





ルワが、話題を変え、
空気を明るくしようとする。





明るくなれる気分ではないが、
ルワの考えたことなので、
私も乗ることにした。





ユズ「ああ、
なんかあるって言ってたね」





カイラ「でも、どうせ大晦日の
前後3日ぐらいでしょ?
しかも、すぐに試験あるし」





エイト「うえ~。
年明け早々テストとか、
マジ勘弁!」





カイラ「あんたやばいもんね」





やっば・・・
私もエイトと同じぐらい
やばいんだよね~。





エイト「そーだ!
勉強会しねえ?
あと、初詣行きたい!」





バカか、こいつは。





当の本人は、
勝手に妄想でもしているのか、
目を輝かせている。





でも、それは
ナツミの一言でぶったぎれた。





ナツミ「無理。
初詣なんて、いく暇ない」





ははは、そこだけ同感。





エイト「え~! ついでに
教えてもらおうかな~
とか思ってたのに」





ユズ「あんたの場合、
そっちが本命でしょ?」





ルワ「2人とも
やばいんじゃないの?」





ルワに笑顔でそう言われ、
微妙に傷つく。





まあ、そうなんだけどさ。





ルワ「あ、時間
ちょっとやばいんじゃない?
さっさと食べよ」





全員「はーい」













☆....☆....☆....☆





カイラ「で、何があったの?」





昼食の時間、カイラに、
ナツミとのことを
突っ込まれた。





ユズ「あいつが昨日、
自分のこと棚に上げて
人のことぐちぐち言ってたから、
『まず自分を見ろ』って言っただけ」





ケンカを売ったのは
私とかいうけど、
元はと言えば、
ナツミの行動が悪いのだ。





カイラ「あ~。え、
『まず自分を見ろ』って、
言ったの?」





ユズ「うん」





カイラ「そりゃあ、
ナツミも怒るわ。
ってか、ユズは
口が悪すぎるんだよ!」





それは自覚してる。





うちは、小さい時に
お母さんを亡くして、
男手1つで育てられたんだから。





ユズ「くちが悪いのは、
あいつも同じ。
それより、
本気で勉強教えて」





カイラ「はあ~、仕方ないな。
・・・あっ、ルワがいる」





ユズ「えっ、どこどこ?!」





食堂の中をぐるりと見回す。





すると、カウンターの方に、
ルワの姿が見えた。





ルワ・・・!





ん?
でもその隣にいるのって・・・





ユズ「ナツミのヤツ・・・!!」





カイラ「もう、
ユズは分かりやすすぎ。
どんだけルワが好きなの!」





だって、
かっこいいんだも~ん。





プイッとカイラから
顔を背けて、
またルワを見ると、
ちょうど目があった。





すぐにこっちに来てくれる。





うう、やっぱり
カッコいい・・・!





ルワ「ユズ!
あのさ、今晩、
ちょっとだけ会える?」





え、何?
もしかしてルワ、・・・?!













☆....☆....☆....☆





その晩、私は約束通り、
ルワと会っていた。





ルワ「ユズに、
相談があるんだけど・・・」





え、相談?





ルワ「絶対秘密にしてくれるか?」





ユズ「うん」





ルワ「俺、実は・・・、
ナツミのことが、
好きなんだ」





ユズ「うんうん、
・・・ええっ?!」





ナツミ?! 好き?!





はあああああああああ?!





ユズ「え、嘘でしょ?!
嘘だよね?!」





ルワ「いや、嘘じゃなくて・・・」





ユズ「あ、じゃあ、あれだ。
冗談でしょ?」





ルワ「いや、ガチです」





・・・





死んだ、というのは、
こういう時に使うのも
正解な気がする。





ルワ「それで、
初詣にナツミを誘って、
告白しようと思ってるんだけど、
どうしたらいいかわかんなくてさ。
女子、そういうの詳しいし、
ユズなら信用できるし・・・」





ルワが信用してくれるのは
嬉しいけど・・・





いろんな気持ちが
込み上げてきて、
私は泣きながら叫んだ。





ユズ「ルワのバカ!!
鈍感! 最っ悪!」





ルワ「え、どうしたんだよ?」





ルワは、突然叫んだ私に
戸惑っている。





でも、私は
お構いなしに続けた。





ユズ「なんで私に、
ナツミのこと聞くの?!
そんなの知らないし、
私に聞くなっつーの!!
っていうか、
なんで気づかないの?!
私はっ。私はずっと、
ルワのことが好きだったのに!」





言いたいことを言い切ると、
私はしゃがんで
思いっきり泣いた。





ルワ「ユズ・・・」





私の頭を、ルワの手が、
ポンポンと撫でた。





ルワ「ごめんな、
気づけなくて。
本当に、ごめん・・・」





その後は、
カイラの部屋に行って、
話をいっぱい
聞いてもらった。





おかげで、
少し楽になったけど、
また、明日ルワに会うことを
考えると気が重くなった。













☆....☆....☆....☆





次の日。





私は、重い体を
なんとか起こして、
朝食を食べに行った。





いつも通り、カイラと一緒に
席に着いたんだけど、
何かがおかしい。





みんなが、私のことを
チラチラ見ている。





そればかりか、
私を見ながら
ヒソヒソ話している子も。





なんだ?





不思議に思いながらも、
朝食を食べようとすると・・・





ドン!





女子A「大事な時期に、
彼氏と夜デートとか
ありえない~」





女子B「ルワくんに
迷惑かけんなって感じ。
ルワくんかわいそー」





女子2人にぶつかられ、
ヒソヒソと悪口を言われた。





どういうこと?
私とルワ?
デート?





頭の中が「?」で
いっぱいになっていると。





机の上に、
朝食の乗ったトレーがバン!
と置かれた。





驚いて見ると、
そこにはエイトがいた。





ユズ「エ、エイト?
どした・・・?」





エイト「どーもこーもない。
朝っぱらから、
変な噂がどんどん広がってんだ、
不機嫌にもなるわ」





・・・、噂?





首を傾げる私をみて、
エイトは目を丸くした。





エイト「え、足川ちゃん知らないの?
足川ちゃんとルワが
付き合ってる、って
めっちゃ言われてんぞ?」





ユズ「・・・、
はああああああ?!」





昨日、バッチリ
振られたのに?!





エイト「しかも、足川ちゃんが
言いよってきて仕方なく、
っていうおまけ付きで」





えええええ?!





いやいやいや!
なんでそうなるの?!





ん? じゃあ、
さっき女子たちが
言ってたのって、
そういうこと?





カイラ「バカだね~、みんな」





エイト「ほんとだな。
こんな可愛いユズが、
そんな性格悪いわけ
ねえっつーの」





そーそー。





いくら私でも、
そんな性格・・・ん?





エイト、今しれっと
『可愛い』って
言わなかった?





ユズ「ちょっと、しれっと
からかわないでくれる?」





本当にこいつは、
人をからかうのが好きだな!





エイト「からかってないよ。
そうやって怒ってる
ユズも可愛い」





ユズ「だから!
そーゆーことを簡単に言うな!
それに、そんな時だけ
名前で呼ぶのやめて!」





エイト「へーへー。
でも、足川ちゃんも
髙っちゃんも、
黙ってりゃどっちも
ガチで可愛いのにな」





カイラ「ゴフッ」





カイラが、なぜか
思いっきりむせた。





ユズ「カイラ、大丈夫?」





カイラ「だ、だいじょーぶ・・・」





でも、なんとなく
慌てている。





どうしたんだろう。





エイト「ま、足川ちゃんはただ、
ルワと仲がいいのが
羨ましがられてるだけだ。
気にすんな」





ユズ「ん。ありがと」





普段はイラつくエイトの声が、
今日は少しだけ暖かく感じた。













☆....☆....☆....☆





ルワ「ずっと好きだったんだ。
俺と、付き合ってください!」





そう言って、
ルワが頭を下げたのは、
私・・・ではなくナツミ。





ナツミは断るんだと
思ってたけど・・・





ナツミ「私も、ルワのことが
好きだったんだ・・・!」





で、目の前で
カップル成立。





しかも、彼氏の方は
私の好きな人。





なんて辛い光景。





なぜ私がこんな現場に
出くわしたのかと言うと、
カイラとエイトと一緒に
初詣に来てたんだけど、
ちょうど2人が
話してるのを見つけ・・・





私は、たまたま
1人でトイレにいって、
その帰りだったんだけど、
ここにカイラ達がいたら、
余計にショックだったかもしれない。





こんな、惨めな姿を
見せたくないから。





帰るに帰れず、
その場で突っ立っていると・・・





エイト「ユズ!」





突然、エイトが
私の前に現れた。





なぜか、
息を切らしている。





エイト「帰ってこないから、
心配で・・・」





どうやら、私を心配して、
探してくれていたらしい。





でも・・・





ユズ「カイラは?」





エイト「え、髙っちゃん?
ああ、髙っちゃんなら、
用事があるって、
先に帰ったぞ。
なんか、寂しそうな顔してた」





ユズ「え?
寂しそうな顔・・・?」





エイト「ああ。
なんかよくわかんないけど、
って、お前なんでそんなに
泣いてんだ?」





え?





驚いて頬を触ると、
涙で濡れているのがわかった。





うわ、ハズッ・・・





でも、次の瞬間、
私はエイトに抱きしめられた。





エイト「何があったかは知らないけど、
辛かったら、俺の前では
泣いていいから。
いつでもここ、
貸してやるから」





ユズ「・・・っ、なんで、
そんなに優しくするの・・・」





エイト「さあ。
卒業する時に教えてやる」





なんだそれ。





しばらくの間、
私はエイトに
話を聞いてもらった。





失恋の傷は、
少しだけ癒された。













☆....☆....☆....☆





時は経ち、
私は卒業の日を迎えた。





カイラ「うう~、ユズ~!!」





式が終わり、
外に出たと同時に、
カイラが抱きついてきた。





カイラ「配属先は違うけど、
忘れたら許さないからね!」





ユズ「うん。
お互い、頑張ろうね。
休みの日は、
どこか遊びに行こう」





私が言うと、
カイラはますます
顔をぐしゃぐしゃにして、
私をぎゅーっと抱きしめる。





カイラと一旦
別行動をすることにした私は、
ナツミの元へと行った。





1年生の時は、仲直りというか、
『友達』ほどまで発展せず、
その後同じ班にもならなかったので、
私的には、まだモヤモヤが
残っているのだ。





ユズ「ナツミ」





私が声をかけると、
ナツミは目を丸くして
私を見る。





その隣にはルワもいて、
明らかに私たちを
心配している。





私は、ルワに
少し笑いかけた後、
ナツミに話しかけた。





ユズ「ちょっといい?」





ナツミ「何?」





ユズ「なんでもいいから、
とにかく来て」





そのままナツミの手を掴んで、
少し離れた所に連れて行く。





ユズ「久しぶり」





ナツミ「えっ?」





私が怒っているとでも
思ったのだろう、
ナツミは驚いている。





ユズ「こうやって話すの、
何年ぶりだろうね」





ナツミ「なんの用?」





ユズ「私のこと、
ずっと嫌いだった?」





唐突に本題に入ったので、
ナツミはまた驚いているが、
口を開いた。





ナツミ「嫌いではなかった。
でも、あんたの態度に
いっつもイラついてた」





ユズ「態度って・・・
私、何にもしてないでしょ?」





ナツミ「あんたには
わからないでしょ」





ユズ「わからないよ」





私が開き直ったので、
下を向いていたナツミは、
バッと顔を上げた。





ユズ「わからないから、
教えてほしい。
先に言っておくけど、
同情とかできないから、
期待しないで」





すると、
ナツミはフッと笑って、
話しだした。





ナツミ「私の家は、
家族全員が警察関係者なの。
私の父は、警視庁の刑事部長。
母は、交通部の巡査部長。
祖父は、定年退職するまで、
捜査一課で、
バリバリ刑事として
働いていたの」





ナツミの口から出てくる
事実の数々が、
あまりにも衝撃的すぎて、
私は言葉を失う。





ナツミ「だから、私も
一流の警察官か刑事になるって、
ずっと言われてた。
小学校に入って、
文字が読めるようになった時、
最初にお父さんにもらった本が、
六法全書なの」





は?
六法全書?!





小学校で読むとか、
天才か・・・?!





ナツミ「笑っちゃうでしょ?
でも、私の家族は全員が
私に期待していた。
だから、期待を裏切らないように、
必死に努力した」





ナツミ・・・





今まで憎らしいと思っていた
ナツミの顔が、
少し傷ついているのを感じた。





ナツミ「なのに、
あんたには敵わなかった!
私がいくら努力しても、
私はみんなに避けられるだけ。
私の方が技術があっても、
みんなが集まるのは、
ユズだった!
だから、だからイラついて
しょうがなかったんだよ!」





ナツミは、
私を睨みながら叫んだ。





やっと、ナツミの
本心を知れた。





次は、私の番だ。





ユズ「・・・私も、
ナツミが羨ましかった。
真顔で、
苦しい訓練をやってのける。
頭の回転も速いし、
軸がぶれない。
ずっと、羨ましかったんだ」





今度は、ナツミが驚いた。





ユズ「配属先、
同じなんでしょ?」





ナツミ「・・・うん」





ユズ「お互いの足りない所、
補い合っていこうよ。
私たち、いいライバルになれる
気がする」





ナツミ「・・・気がする、じゃない。
絶対、でしょ?」





ナツミは、口の端を
少し持ち上げて、
笑った。





その顔を見て、
私も思わず笑った。





ユズ「よーし!
みんなのところに戻ろっか!」





ナツミ「うん!」





私たちは、肩を並べて、
みんながいる方へ走った。





ルワとも、話そうと
していたけど・・・





突然、カイラに
止められた。





カイラ「ユズ、ちょっと
話したいことがあるの・・・」





ユズ「ん? どうしたの?」





すると、カイラは
少し悲しそうな顔をして、
私の耳元でささやいた。





カイラ「エイトに、
告白したの」





ユズ「・・・はあああああああああっ?!」





告白?!
カイラが?!
エイトに?!





うえええええええええええ?!





カイラ「声が大きいって!
・・・実は、1年の時から
好きだったの」





ユズ「え・・・?
全然わからなかった」





カイラ「バレないように
気をつけてたの。
1年で、初詣行った時のこと、
覚えてる?」





ユズ「え?
う、うん・・・」





カイラ「途中で帰ったのは、
ユズに嫌われたく
なかったからなの」





・・・??





カイラ「ユズに、
嫉妬しちゃいそう
だったからさ」





え?!





普段、クールで大人な
カイラの顔が、
真っ赤になっていた。





ユズ「カイラ・・・」





カイラは、
少し微笑んだ後、
また私に耳打ちした。





カイラ「ちょっと、
体育館の裏に
行ってきてくれる?
忘れ物したんだけど、
この後ちょっと
約束があって・・・」





ユズ「う、うん・・・?」





少しだけ違和感を
覚えながらも、
私は1人で
体育館の裏に行った。





ユズ「ってか、
忘れ物って何?!」





しまった。
完全に、聞くのを
忘れていた。





それが忘れ物・・・
なんつって。





すると、なぜかそこには、
エイトがいた。





は?





でも、すぐに
自分で納得する。





ここで、カイラが
告ったんだ。





で、戻りづらくて、
私に探すのを頼んだと。





我ながらいい推理だ。





ユズ「エイト、
カイラの忘れ物
知らない?」





エイト「・・・」





普通に話しかけたはずなのに、
エイトは私を黙って見るだけ。





ユズ「エイト・・・?」





エイト「・・・なあ、ユズ。
お前、今でも
ルワのこと好きなの?」





エイトは、
いつになく真剣な顔で、
私を見ている。





ユズ「え・・・?
す、好きでは、ない、かな・・・」





エイト「そうか」





・・・?





エイト、ほんとに
どうしたの・・・?





私は、あまりにも
エイトの様子がおかしいので、
近くに行って
顔を覗き込んでみる。





すると、いきなり
ガバッと抱きしめられた。





ユズ「エ、エイト・・・?」





エイト「俺、ずっと、
ユズが好きだった・・・!
ルワが好きってわかってても、
諦められないんだ!」





ユズ「え・・・?」





エイトが、
私を、すき・・・?!





エイト「いままで、
『可愛い』って言ってたのも
本心だし、
色々とからかったら、
ユズのいろんな面が見れるから、
嬉しくってさ。
だから、ユズがルワと
噂になった時は、
正直イラつきすぎて、
おかしくなりそうだったよ」





ユズ「・・・ぇえ?!」





私が、思わず声を上げると、
エイトはフッと笑って続けた。





エイト「4年も片想いするなんて、
らしくねえよな。
行動と気持ちが、
逆になってる」





ユズ「ふふっ、エイトって、
ツンデレさん?」





エイト「ちげーわ。
んで、ユズは、俺のこと、
どう思ってんの?」





ユズ「えっ?!」





それは・・・





ユズ「・・・大好き」





私は、そう呟いて、
エイトをギュッと
抱きしめ返した。











*END*

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