許嫁なんて気にしない！

CAST足川結珠

作者：たぴおかみるくてぃー

2022.10.17

皆様ごきげんよう。
わたくしはゆず。
高校生です。

世間一般的にいうと
お嬢様っていう部類に
当てはまります。

許嫁がいるらしいので
恋はできません。

会ったことも
ないですけど・・・

わたくしはどうしても
公立高校に入ってみたくて、
お父様にお願いして、
高校は公立高校に
入学させてもらいました。

でも。
それには条件があって。

それは────
絶対に成績を
落とさないこと。

これでもお嬢様。
英才教育を受けてきたから
勉強はできます。
頑張らないと！

そしてもう１つ。

────お嬢様だと
バレないこと。

こ、れは。
結構頑張らないと
いけないやつで。

喋り方とかは
頑張って普通にしている
つもりなのですが。

でも、ふとした時に
戻ってしまうので。
気をつけないと！

たまに
怪しまれちゃいますから。

あ、いけません！
遅刻してしまいます！

「お父様ー、お母様ー！
いってまいりまーす」

「あ、ゆずおはよ」

この子は、
かいらちゃん。
わたくしのお友達です。

ぎゃる？　スタイルが
お好きみたいで、
今日もばっちり
るーずそっくす？
を履いてます。

「おはよう、かいらちゃん」

「今日も
可愛い顔してんねー」

「あ、ありがと・・・」

やっぱり慣れないです・・・
話し方、変じゃないでしょうか。

「お、かいゆず。
おはー」

「お、おはようございます」

「げ、朝から
るわに会うとか
最悪なんですけどー」

「げ、とはなんだ！
かいら！
その点、ゆずはいい子だなっ」

「なによ、るわのくせに」

「夫婦漫才みたいですね」

あ、敬語に
なってしまった。
いけません！

ところで、
かいらちゃんは
るわくんが
好きなのでしょうか・・・

「ゆず！
そんなこと言わないでー。
こいつが旦那とかやだから！」

気にしてないみたいですね、
よかった。

やっぱりるわくんと
お話すると
緊張してしまいます・・・

だって、
好きになってしまったから。

でも、忘れないと。
この気持は。

かいらちゃんが
るわくんを好きなら
かいらちゃんに譲るんですっ。

「俺もやだわ！
あ、ゆず！
話したいことあるから
放課後いい？」

「え、うん」

なんでしょう、
話したいことって。

＊＊　放課後　＊＊

「ゆずー」

あ、るわくんいました！

「あの、
話したいことって・・・」

「ゆず！　好きです！
俺と付き合ってくださいっ！」

これって告白、ですか!?
嬉しい・・・

でも、

「えと、あの」

「返事、今じゃな「ごめんなさい！」」

「え」

「わたし、
許嫁がいて、
だから・・・」

バラしちゃった・・・
でも、これで
良かったはずです。

「いいよ。そんなの。
許嫁がいても、
そいつから
奪えばいいんだから。
略奪愛ってやつ？
だから俺は、
ゆずの素直な気持ちが
聞きたい」

わたくしの、気持ち？

「わたくしは、
るわくんが好きです！
でも、今お気づきになったと
思いますが、私お嬢様で、
このことがバレたらここには
いられなくな「え、前から
知ってたけど・・・」」

はい？

「多分みんな気づいてるよ？
ゆずが隠してるっぽかったから
みんな黙ってたけど」

「う、嘘！」

「でも、許嫁のこととか、
いなくなる、とか。
そこまで箱入りだったとは・・・
大事にされてんね？」

みんな、気づいて・・・

「ゆず」

「はい！」

「っぷ！
かしこまり過ぎだし。
ゆずのお父さんに
直談判しに行こ。
俺たちが付き合えるように」

「いいんでしょうか、
そんなこと」

「いいよ。
一緒にワルになろ？」

ズキュゥーン！

心臓が痛い・・・
今まで親に反抗なんて
したことがなかったから・・・
不安です・・・

でも。
るわくんが一緒なら
なんでもできそうです！

もう、許嫁なんて
気にしない！

＊ＥＮＤ＊

ちなみにかいらちゃんは
ぎゃる男の彼氏さんが
いたみたいです！