タイムトラベラー

CAST足川 結珠足川 結珠

作者:あまがわほし★

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.07.06

「ユズさん、ルールは
破らないでくださいよ?」





「わかってるって!
それじゃ、
いってきまーす!」





20XX年のある日。





私、ユズ。
タイムトラベラーなの。





ある日、突然知らないラインが
作られていて、
それが神様だったのをきっかけに、
私がタイムトラベルできることが
わかったの。





だけど、これは絶対に
誰にも言えない。





ルールは
破れないから・・・





私は未来から来てるけど、
今は2023年の
中学校に通ってるの。





理由は、
「中学校の歴史を調べる」
宿題が出てるから。





調べるより、
実際に見たほうが
わかりやすいから。





「これから、理科の
アンモニアを使った
実験をします。
これをこうして、この液を
数滴いれて・・・
はい、こうなったら
次の指示を出すから
集中してやってね!」





私はアンモニアを
フラスコに集める係。





こうしてっと。





・・・





・・・なんか吐き気がする。





うーん・・・





「・・・ズ、足川!」





目が覚めると、
そこは保健室だった。





どうやら、理科の実験中に
体調を崩したみたい。





そして、そこには
英人くんが
心配してくれていた。





「心配するだろ。
アンモニアの実験って
楽しいけど、
アンモニアは
有害な気体なんだ。
次から気をつけろよ」





か、かっこいい・・・





というか、さっき私のこと
名字で呼ぶ前に
下の名前で呼んでた?





心臓がとても
どきどきしてる。





どうしよう・・・





その後から、私は
英人くんと
とても仲良くなった。





下の名前同士で
呼ぶようになったり。





一緒に帰ったり。





テストの点数だって
言い合えるくらいに
仲良くなった。





ある日、私は
英人くんに呼び出された。





夕暮れの屋上。





ああ、もう何するのかなんて
わかっちゃった。





・・・断らなきゃ。





本当は伝えたい。
だけど、ルールだから。





逆らえない運命にある
ルールだから。





英人「あの理科の実験の日を
きっかけに、
こんなにも仲良くなれて。
いつもユズは、
とても楽しそうだったんだ。
あの笑顔が大好きなんだ。
だから、俺と付き合って下さい!」





「私・・・伝えたいよ!
この大事な気持ち。
だけど・・・」





英人「なにか
不都合でもあったか?」





でも、ルールに違反したら
どうなるんだろう。





ここで2度と
過去や未来に
行けなくなるだけ?





だったら・・・





「最後に伝えたいの。
大好き」





時計は止まった。





ステンドグラスでできた
大きな扉の向こうに、
彼女は吸い込まれるように
消えていった。





彼は、何が起こったのか
全くわからず、
呆然としていた。





「・・・ルール違反」





ルール1:
時空移動した際、
日没までに現代に戻ること





ルール2:
タイムトラベラーであることを
知られてはいけない





ルール3:
大きな過去改変はしないこと





ルール4:
ルール3に基づき、
恋をし、告白してはいけない





破った者には、
相応の罰が課される。





わかってた。





ルールは破れないって。





逆らえない運命に
置かれたルール。





恋をしたら、結婚とかに
つながるかも=
過去改変っていうことなんだろうし。





でも、想いは
口に出さなきゃ伝わらない
時代だったんだよ・・・













・*。・*・。*・





突然消えた彼女。
時計が止まる音。





「ユズ!」





目の前には扉がある。
強く叩く。





なんだよ。
結局不都合あったのかよ・・・





「ユズ!
聞こえたら返事してくれ!
ユズ!」





シーン。





まさか・・・、
終わり、なのか?





もうユズには
会えないのだろうか?





突然、俺を
そんな不安が襲った。













*...・・・*...・・・*





ステンドグラスから差し込む
僅かな太陽の光以外、
総(すべ)て、果てしない暗闇。





今、5:34。





日没まで
後8分しかない。





『ユズ!
聞こえたら返事してくれ!
ユズ!』





これは・・・英人くん!





「英人くん! 聞こえるよ!
お願い!
早くこの扉を開けて!
後8分で日没しちゃうの!
そしたらこっちは
一面闇になっちゃうよ!」





・・・泣きそう。













*...・・・*...・・・*





ようやく聞こえた
1つの希望。





日没までの脱出。





だけど、この扉には
取っ手なんてない。





ずっと閉じ込める気か?





「ユズ!
思いっきり叩くんだ!」





ドンっ! ドンっ!
ドンドンドンっ!!!





びくともしないけど、
きっと・・・













*...・・・*...・・・*





ドアを叩いて
光を求める。





果てなき暗闇には
何があるかもわからないから。





これでもう、
終わりにしよう。





「はぁ~っ!!」





力いっぱいドアを押した。





ガッチャン!





激しくドアが開いた。





その勢いで
私は転んでしまったけど。





奇跡。





終わりから
始まるストーリー。





もう戻れない。





日没する町。





だけど、もう
既にルールを破った私には
関係ない。





今ここに、
私はちゃんといるのだから。





「もう、
タイムトラベルなんてしない」





「ユズは未来から
来てたなんてなw」





恋は過去改変?





全然違う!





私達が望んだ
この過去から続いて、
現在になるよう
変えればいいだけ。





そう簡単なことじゃないけど。





時空を超えた恋は総て





かけがえのない
現在となる――――







*end*

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