韓国のスノークリスマスイヴ

CAST川原美杏

作者：yoko

2023.10.30

息をはぁーっと吐くと
空気が白くなる寒さ。

今日は１２月２４日、
クリスマスイヴだ。

学校は、昨日が終業式。

ミアンの通っている高校は
土曜日にミサがある女子校。

隣は、同じ系列の男子校。

ミサがある土曜日は
男女ともに集会がある。

ここで、出会ったのが
ユアンだ。

同い年で
名前が似ている。

ミアンもユアンも
背が高く、
背の順で１番後ろにいて
隣同士だった。

明日から、冬休み。
そして、クリスマスイヴ。

ミアンは
勇気を振り絞って
ユアンに
話しかけてみる。

ミアン「ユアン君は冬休み、
どこか行くの？」

ユアン「明日から
韓国なんだ、
いとこが韓国に住んでいて
遊びに行くんだ。
ミアンちゃんは
どこか行くの？」

ミアン「え???　韓国???
私も明日から韓国に行くの！
私は、ママが韓国好きだから
旅行で行く。
でも、初めてだから
よくわからなくて」

ユアン「え？　一緒だ！
よかったら韓国案内するよ！
ソウルタワーとか、どうかな？」

ミアン「え！　行きたい！
韓国語は勉強中だけど、
ほとんど話せないから心強い！」

ユアン「じゃあ、決まりね！
明日、仁川空港で
１５時に会おう！」

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

飛行機は、定刻通りに
成田空港を離陸した。

仁川空港までは
およそ２時間半で到着する。

ミアンは、出発前から
ドキドキしていた。

ユアンくんと初デートが
韓国なんて、嬉しすぎる!!

いろいろ考えていたら
あっという間に
韓国に着いた。

ミアン「あ！　ユアンくん!!
こんにちは！」

ユアン「到着は
予定通りだったね！
早速だけど、
見せたい景色があるから
ソウルタワーに行こう！」

ミアン「うん！　楽しみ!!」

ソウルタワーに着いた。

辺りは少しずつ
夕暮れに近づいて
ライトアップをしているけれど、
まだ真っ暗ではない。

ユアン「ミアンちゃんに
この時間帯の景色を
見てほしかったんだ。
夕暮れ前の空が
ブルーから群青に変わる
この時間帯が
すっごく好きなんだ」

ミアン「わぁ！　きれい！
あっ、雪!!!」

空からパラパラと
雪が舞い降りた。

スノークリスマスイヴだ。

雪の韓国、
キラキラ舞い落ちる雪が
ダイヤモンドダストみたいに光る。

ユアン「ここで伝えようって
決めてた。
ミアンちゃんに一目惚れして
ずっと好きだった。
好きです。
僕とお付き合いしてください！」

ミアンの目から
涙がこぼれ落ちた。

ミアン「ごめんなさい。
嬉しくて泣いちゃった。
なんだか夢みたいで、
ここで、韓国で、
こんなふうに好きって
言われたことなんてなくて。
でも、私もずっとユアン君が
好きでした。
よろしくお願いします！」

ユアン「嬉しいよ、
ありがとう！
これからもよろしくね!!
ミアン！」

ミアン「うん!!」

＊ｅｎｄ＊