snowy’s flowers

CAST川原 美杏川原 美杏

作者:あんこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.10.10

体が凍りそうなくらい、
寒い冬の日。





うちは、桜を見た。





冬に桜?
とおもうでしょう。





そう。
冬に桜は咲く。





ミアン「ゲホッ・・・ゲホッ・・・」





医者「川原さん!!」





シンシンと雪が降り積もる中、
私は病室にこもる。





川原ミアン。
高校1年生。





でも高校には
行けてないんだ。





生まれつきの病気に
かかってるから。





最近は、
まともに歩けない。





ミアン「大丈夫です。。。」





医者「やっぱり
手術を受けたほうが?
お母さん」





母親「えぇ・・・
そう思います」





ミアン「いや!!
私は手術は受けない!!」





以前から
勧められている手術。





手術を受けると、
病気は治るそう。





でも・・・





左半身が麻痺する可能性が
あるんだって。





だったらこのままがいい。





医者「・・・もう少し、
考えましょうか。
お母さん、少しいいですか??」





お母さんとお医者さんは、
部屋を出ていった。





手術受けなきゃ、
うち死んじゃうのかなぁ・・・





そう考える時が
毎日続いた。





不意に窓を見た。





・・・雪。





窓から見える家は、
白く染まってゆく。





カラララ・・・





看護師「今日から、
隣に友達が来るわよ~
ミアンちゃん!」





ミアン「ともだ・・・ち?
女の子!?」





看護師「ううん、男の子!!
後に彼氏になるかもね~!」





ミアン「彼氏作る気なんてないよ~!」





看護師「あ、きたわよ~?
仲良くしてあげてね!」





そう言って、看護師さんは
外へ出ていった。





??「どうも、よろしく」





ミアン「どうも・・・名前は??
うち、川原ミアン」





ユアン「俺、西ユアン」





ミアン「名前似てるね~」





精一杯、
笑って話しかける。





でも、その子は
そっぽを向いた。





よく見ると
顔色が悪かった。





ミアン「なんで入院、
することになったの??」





ユアン「胃腸風邪がひどいから。
いつもなるんだ。俺」





あ・・・
だから顔色悪いんだ。





ミアン「・・・いいな、胃腸風邪で」





気がつくと、こんなことを
口に出していた。





でも本音。
病気じゃなくていいな・・・





ユアン「体、悪いの?」





ミアン「生まれつきの病気なの。
今じゃ、歩けない。
外にも行けないんだ」





ユアン「そッ・・・か」





ユアン「手術は?
話、来てないのか?」





ミアン「来てるよ?
でも・・・受けない。
麻痺が残る可能性があるんだって」





ユアン「麻痺か・・・
あ、明日さ、外でない?」





この人・・・
話聞いてた?





動けないのに・・・!!





急にユアンに
いらだってきた。





ミアン「無理だもん。
言わせないで」





ユアン「車椅子は?
乗れるでしょ??」





ミアン「乗れる・・・けど、さ」





ユアン「じゃぁ行こうぜ!
外はきもちいから」





ユアンはこっちに向かって
笑った。





爽やか・・・だな。





ほんとは寒いはずなのに、
暑くなってきた。





暖房、こんな温度
高かったっけ??















・*。・ 翌日 ・。*・





昨日の雪で、病院の周りは
真っ白だった。





ユアンは、調子がいいみたいで
うちの車椅子を
押して行ってくれた。





室内とは違って、
寒かった。





ユアン「気持ちいいだろ?」





ミアン「めっちゃ寒い・・・」





ユアン「ハハッ。だなー!」





寒い・・・のに暑い。





顔だけ。





調子狂うなぁ・・・





ミアン「ん?」





ほっぺに冷たいものが
触った。





ミアン「冷た・・・なにこれ」





ユアン「これは雪。
やば、またふってきたな」





屋根の下に移動した。





ユアン「なぁ、冬のサクラって
知ってる??」





ミアン「何言ってんの、ユアン。
冬のサクラなんて咲かないじゃん」





ユアン「咲いてんじゃん。ほら」





ユアンは雪を指さした。





ミアン「え? 雪・・・??」





ユアン「桜って、
この辺ないでしょ?
だから、ここの患者の人はみんな
この冬に咲く桜を見てるんだ」





ミアン「冬に咲く・・・さくら」





うちらは
空を見上げた。





冬のサクラに
見とれながら・・・

















*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*





数週間後・・・





ユアン「じゃぁね、ミアン。
元気で。
絶対、お見舞い来るから!」





ミアン「うん。
ばいばい、ユアン」





ユアンは胃腸風邪が治って、
退院した。





また1人。病室の中。





いままで、
いろんな人がここに来て、
そして出て行った。





ユアンよりも長くいて、
たくさん思い出ができた子だって
いっぱいいる。





なのにっ・・・!!





ミアン「ユアン・・・!!
うわぁ・・・あ・・・!!」





うちは大きな声で泣いた。





泣いた意味は
わかっていた。





ただただ、ユアンと
離れたくなかった。





好きだから。





恋に落ちたから。





病気がなければ、
追いかけれるのに。





病気がなければ、
ずっと一緒にいられるのに。





うちの泣き声が
小さくなっていくと同時に、





うちの意識は
なくなっていった。

















*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*





母親「・・・ン。ミアン。ミアン!!」





ん・・・





ミアン「お母さん。お父さん」





父親「おまえ、泣きながら
目をつむっていったから・・・
どうしたと・・・!!」





ミアン「ここ・・・どこなの??」





母親「集中治療室よ」





あ・・・





ついにここまで
来ちゃったんだ。





はは・・・
かっこわる・・・





父親「なぁミアン。お願いだ。
手術を受けてくれ」





お父さんは
泣きながら言った。





母親「ミアンの命を救うには、
もうそれしかないの。
麻痺のことで、怖いかもしれない。
でも、先生がきっと
成功させてくれるから。ね??」





手術を受けないと、
ユアンに会えなくなるってこと・・・?





諦めたくない・・・!!





ミアン「わかった。受ける」





うちはそう決意した。

















・*。・ 翌朝 ・。*・





ユアン「ミアン? 大丈夫?」





ミアン「ユアン!」





ユアン「手術、決意したんだって?
よく決断したね」





ミアン「うん。今日の昼から。
ユアンに、また会いたかったから」





ユアン「うん。
俺もこれからも会いたい」





ミアン「それと・・・
また冬のサクラを見たいんだ」





ユアン「・・・うん。
一緒に見ような。頑張って」





そう言って、ユアンは
とおざかっていった。

















*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*





そして、
手術の時間が来た。





母親「がんばって。ミアン」





父親「一緒に家に帰ろうね」





ミアン「うん。頑張るね」





麻酔が打たれた。





記憶が
とおざかっていった。









─────────────
─────





うちは、ある夢を見た。





ユアンと、お父さんと、
お母さんと一緒に、
冬のサクラを見る夢。





すごく綺麗だった。





いいな、こんな未来。

















*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*・.*





手術が終わった。





お母さんは泣いた。
お父さんも泣いた。





そして、お医者さんも、
お世話になった看護師さんも
ユアンも、みんな泣いた。





手術は・・・





大成功した。







★END★

*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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