昭和レトロ最適説

CAST川原美杏

作者：はるるん

2022.09.10

私、ミアン。
Ｙ２Ｋが好きな
ミーハーＪＣ。

ルミとハアトは
幼なじみで親友。

2人ともモデルみたいな
ビジュアル

・・・のはずなのに、
なぜか、なぜか
すごくダサいの！

ルミは昭和の漫画
『クメ子の百合』しか
読まなくて、
令和どころか
平成のアニメすら知らない。

ハアトは、虫にしか
興味ない。

本当は一緒に
エモ写真とか
撮りたいんだけど、

オーラがダサいのか、
ぜんっぜん盛れないの。

ミアン「ねぇ、放課後
ウチ来るでしょ」

ルミ「うん。
ミアン家のお茶
おいしいもん」

よし。

まずはルミを
オシャレにして
イケてる写真を撮るぞ！

＊　ミアンの家　＊

背の高いルミには
カッコいい系が似合うと思って、
レザーミニのＹ２Ｋコーデを
着せてみた。

ミアン「おおおー！　さすが！」

ルミ「ミニスカって
屈伸しやすいね」

ミアン母「あら、ルミちゃん
別人ねー。
はい、お茶」

ルミ「ありがとうございます！」

椅子に座っても
素晴らしい
ルミの脚線美・・・。

ミアン「・・・って、
ダメー！
ミニスカで
脚開いちゃダメーー！」

ヤバい、仕草が
ルミすぎる。

やっぱカジュアルの方が
性格的にいいか？

ルミ「ミアン、
『クメ子の百合』読む？
６巻でしょ」

ルミのリュックには
常に全巻入っている。

ミアン「・・・うん」

意外とおもしろくて
私もハマりかけている。

クメ子って主人公が、
昭和のお金持ちお嬢様に
憧れて、修行する物語。

ミアン「もしかしてルミ、
こういうレトロな
ワンピースとかが
好きなの？」

ルミ「んー、
まぁかわいいとは思うよ」

ミアン「てか、その座り方
やめなよ。
ミニスカじゃなくても
ヤバいよ」

さすがにルミが
お嬢様はないか。

スカート長くて
脚見えないし。

でも着たら
クメ子みたいに
仕草良くなるかな。

ミアン「ねぇママ、
おばあちゃんのワンピース
あったよね」

ミアン母「そうねー、
どっかにはあるかしら」

クローゼットの奥で
埋まっていたワンピースを
ルミに着せた。

ミアン「え・・・」

信じられない。

さっきのレザーより
似合っている。

ルミ「ワンピースって
１枚だから楽だね」

ミアン「髪セットするよ。
座って」

スカートが長めだから
脚開いてても
分かりにくい。

やっぱルミは
昭和と相性がいいのか。

ミアン「できた。
じゃあロケ行くよ」

ルミ「ロケ？」

＊　森の公園　＊

ミアン「あ、ハアト」

相変わらず
虫捕りしてる。

ハアト（ミアンと・・・誰だ？）

ルミ「ハ、ハクション！！」

ちょっ、
爆音オッサンくしゃみ
やめてー！

ハアト「ああ、ルミか。
どうしたの・・・？」

ミアン「ふふふ。
いいでしょ」

ハアト「・・・・・・」

ルミ「なに探してるの？」

ハアト「ああ・・・、
幹の皮に、虫隠れて
ないかなぁって・・・」

ルミ「ほー」

同じ木を
じっと見つめている
ルミとハアト。

あれ、公園に来てから
ルミちょっと
可愛くなってない？

ハアトもなんとなーく
いつよもり
かっこいいような。

カシャ・・・。

やっぱり！
いつもより
写真映りが良い！

しかもこれって・・・
青春カップル写真って
やつじゃない？

ハアト「あ、いた」

ルミ「どれどれ」

ルミはハアトに
ぐっと近づいた。

ルミ「これ？」

ハアト「・・・・・・」

（（（そんな可愛い服で
じっと見つめないでよ）））

・・・って
アテレコ入れたい！
きゅん！！

私は１人で盛り上がって、
何枚もツーショットを撮った。

＊　ミアンの家　＊

ルミ「ありがとうございました」

ミアン母「あら、あげるわよ。
私、着ないから」

ルミ「いや、虫探すのに
向いてなくて」

ミアン母「そりゃねぇ。
着ないなら
もう捨てようかな」

残念だな。

まぁ、たくさん撮ったし。

あとでルミとハアトに
キュン写真
送りつけちゃお。

ミアン「いや・・・待って、
ルミ、私と写真
撮ってないじゃん」

ルミ「ん？」

ミアン母「写メなら
ママ撮ってあげるわよ」

ミアン「いやいやいや・・・！」

いつものダサルミじゃ
意味ないんだよ。

ミアン母「はい、チーズ」

私はばっちりピースした。

ルミも少しだけ
盛れていた。

＊ｅｎｄ＊